「今日から俺達はっ!」
A

さあ、仕切直しです。
ベッドの上でキスをし直した二羽はそのままコテン…と、お布団の上に転がりました。 互いの指を絡め、下着だけになった身体を密着させて…触れあう皮膚と粘膜の全てで相手を感じ取ろうとしているようです。
茶うさぎの方は更に舌や唇でも感じ取ろうと、熱心に胸や腿へとキスをくれました。
その間、黒うさぎはうっとりと茶うさぎの肉体を眺めます。
『わぁ…コンラッドの胸筋、凄い弾力…』
黒うさぎの貧弱な胸筋に比べて何という違いでしょう?
いいえ、胸筋だけではありません。8つのバッキリ割れた憧れの腹直筋とか、外腹斜筋の外上方から下内側へと流れていく筋溝…引き締まって括れたウエストとか…ただ細いだけの黒うさぎに比べて、なんて素敵な肉体なのでしょう?
黒うさぎはあまり勉強の出来るうさぎではありませんが、筋肉に関するお話しだけは大好きなのでよく覚えています。だって、大好きな茶うさぎの身体で発達しているものですからね。
『凄い…格好良い身体だなぁ…』
初めて出会った頃よりも年をとった筈の茶うさぎですが、記憶の中にある瑞々しく逞しい裸体と、何ら変わることはありません。
沢山の傷も眞魔国森の仲間達を救う為に命がけで闘った証なのだと思うと、とっても立派で…綺麗にすら見えます。
黒うさぎは急に心配になってきました。
ドレスが汚れたら困ると思って脱いでしまいましたが、もしかして選択を誤ったでしょうか?ドレスの魅力に助太刀して貰わなくては黒うさぎはあんまり素敵に見えないかも知れません。
もしかして茶うさぎは、暫くお風呂を一緒にしていない間に、《ユーリはこういう素敵な身体に育ったかも知れない》とか、夢を膨らませているかも知れませんものね。
そうだとしたら、どうしたらいいでしょう?
そういえば、ヨザックの店に社会見学に行ったときにも(ヨザックは女装して飲み屋で働いているのです)、酔っぱらいのおじさんが言ってました。
『育ちの良すぎる女も考えモンだぜぇ?箱入りのお嬢様はやって貰って当たり前とか思ってるからな!ご奉仕しようなんて気が全然無い女はマグロみてぇに転がったままでいやがる』
旅先で黒うさぎが見たマグロはとても美味しそうでしたし、実際、宿で食べたら舌がとろけそうなほど美味しかったのですが、何かおじさん的には凄く問題があったようです。
ああ…どうしてあの時ちゃんと聞いておかなかったのでしょう?
どんな風にしていたらマグロ的問題があって、何をすれば脱マグロになるのでしょうか!?
「コンラッド…俺…俺……どうしてたら…良いかな?」
「ユーリはユーリのままでいて下さい。とっても可愛い…俺のユーリでいて?」
蕩けそうな声で囁かれると、うさぎ耳がまたひこひこと動いてしまいます。
「でも…ご奉仕しないと…ま、マグロになっちゃうって…酔っぱらいのおじさんが…。コンラッドは、マグロ大丈夫?」
「マグロは大好物ですよ。それより…酔っぱらいなど放っておいて?ユーリは俺が言うことと酔っぱらいの言うこと、どっちが大事ですか?」
「そりゃあコンラッドが言うことだよっ!」
「では…感じるままに声を上げてくれたらいいですよ」
「わぅ…っ!」
早速、茶うさぎの手が下着越しにおちんちんへと触れてくると、《感じたまま》の声があられもなく響きましたから、黒うさぎは慌てて口元を手で覆い、もう一方の手でおちんちんを握る手を止めようとします。
「嫌…?」
「ちが…でも、恥ずかしい……」
「俺はユーリが嫌がることはしたくないけど…でも、今日は限界なんです。俺が何をしても赦してくれる?」
艶やかな美声が耳朶をとろかしますが、やっぱり不安で…黒うさぎは熱い吐息を漏らしました。
「ちんこ…コンラッドの中に入れるの?俺…満足させられるかなぁ?」
どうしたことでしょう。
茶うさぎが急に全ての動きを制止させました。
「…………入れ…たい……ですか?…俺に……」
「だって、雄同士のセックスはちんこをお尻の孔に入れ合うんでしょう?」
「いやいやいやいやいや…まあ、そういうカップルもいるかも知れませんが…片方が入れるだけのカップルも多いですよ?」
「そうなのっ!?」
黒うさぎは吃驚しました。
「コンラッドは、俺が入れない方が良い?」
「で…できれば……俺はユーリに入れる方が良いです」
「そっかぁ…。良かった!俺…まだ勃起してもちんこがちっちゃいから、コンラッドの奥まで入れらんないよなって心配してたんだ!」
「そうですねぇ…」
「でも…そうなると俺…ずっとマグロ?ご奉仕されてばっかり?そんなのはヤダなぁ…」
やはり夫婦になったのですから、いっちょまえに相手の喜ぶことをしたいではありませんか。
黒うさぎは瞳をうるりと滲ませます。
「ご奉仕がそんなにしたいですか?」
「うん、やりたいっ!」
茶うさぎは少し迷うように視線を漂わせていましたが、その内覚悟を決めたように目線を合わせると、黒うさぎにおねだりするように囁きかけました。
「ユーリ…それなら、自分の脚を持って…俺の前で開いてくれますか?」
「え…?」
それは、どういう状態なのでしょう?
きょとんとしてしまいますが、茶うさぎに少し誘導されると漸く意味が分かりました。
Mの形に膝を抱えて、思いっきり股を広げて欲しいというのです。
「…できる?」
熱っぽい目線に晒されれば、黒うさぎの羞恥心は白旗を振り回すしかありませんでした。もともと、黒うさぎの方からお願いしたことですしね?
「……うん…」
こくっと頷くと、黒うさぎは自分の脚を抱えて…ゆっくりと茶うさぎの視線の前に晒しました。
恥ずかしいくらいに猛るおちんちんは、先っぽからおしっこではない何かを零してレースの小さな下着を濡らしています。
10歳くらいから夢精をするようになった黒うさぎは何回か下着を汚したことがありますが、大抵おしっこをしてしまうと収まっていたものです。
ですが…村田から聞いた話だと、セックスの時にはそれではすまないのだそうです。
なんと、このおちんちんからおしっこではない《精液》というものが出てきて、雌うさぎの妊娠させるのだそうです。
残念ながら、雄うさぎは妊娠しないそうですけどね。
『俺のちんこはコンラッドに入れないなら、どうなっちゃうんだろう?』
こんなに猛ってビィン…っと腹を打たんばかりになっているのに…どうすればいいのでしょう?
疑問に思う黒うさぎの目の前で、つい…っと茶うさぎの指が下着を引き降ろすと…ぷるん…っと勢いよく濃いピンク色のおちんちんが現れました。
「きゅあ…っ!」
下着が擦れた刺激で、ずくん…っと痛いような…でも、それだけではない感覚が下腹を襲います。
『い…今の……何?』
ドキドキドキ…
まだ鼓動が早いです。
胸だけではなく、おちんちんも拍動しているみたいで…先っぽからたらたらと蜜を流しているのが分かります。茎の部分を伝って、お尻の谷間まで濡らしていますからね。
* * *
『ユーリ…なんていやらしくて素敵な格好なんだろう?』
茶うさぎはうっとりと若奥様に見惚れました。
幼い顔立ちの妻が真っ赤になりながらも自ら脚を開き、見せ付けるようにして花茎を晒す様は昨日までは決して赦されない行為でした。
ああ…何度こんな光景を夢に見たことでしょう?その度に茶うさぎは狂喜して、目覚めて狂落したのです。
でも、今日ばかりはこれは現実ですよ?
それを一刻も早く確かめたくて、茶うさぎは下着の中から露出させた花茎をぱくりとお口に銜えました。
「ゃう…っ!」
ちゅ…
くち…ちゅぅう…っ…
しょっぱい味が口腔内に広がりますが、それが黒うさぎが快楽を感じている証なのだと思うだけで、まだ少し皮を被っている先端を舌先で剥き、感じやすい亀頭をちょろちょろと刺激して行くと、苦い液が混じってきました。
どうやら若い黒うさぎの性は、早くも到達したくて堪らないようです。
筆おろしどころか、どうやら自慰も知らないらしい黒うさぎは(教えようかと思ったこともありますが、自分を止められなくなりそうで諦めたのです)、茶うさぎのお口の中で初めての吐精を迎えるのです。
今日は何という記念すべき日でしょう!
「や…駄目……コンラッ…っ!…お、俺…おちんちんがおかしいよ…」
「気持ち悪い?」
「逆っ!ぎ…逆ぅ…っ!気持ちよすぎて変なの…っ!赤ちゃんの素が…出ちゃうよっ!」
「出して…。ね…俺の口の中に」
ぺろ…っと鈴口を舐め上げながら微笑むと、茶うさぎの顔を見た黒うさぎはうるりと目を潤ませました。
「お尻じゃなくて、本当に良い?」
「ええ、ええ…大丈夫ですよ」
気遣いはありがたいですが、世の中にはありがた迷惑という言葉もあります。
茶うさぎは黒うさぎがこれ以上気を使う前にと、グミみたいな先端部分を強く吸い上げ、ちょっと硬くなった小袋を揉み込むと、しゅ…っしゅっと勢いよく茎部分を擦り上げました。
茶うさきも雄うさぎのおんちんにこんな事をするのは初めてですが、基本的に勘の良いうさぎですから、何処をどうすれば黒うさぎが気持ちよくなれるかはすぐに分かりました。
ええ、その腕は確かですよ?
だって、良いことや余計なことを一杯考えていた黒うさぎの頭が、一瞬真っ白になるくらい強い快感を与えてしまったんですからね。
「ぁあああ……っ!」
ぴゅ…っ…ぴゅう…っ!
どど…どくん…!
『ああ…ユーリ、何て元気いっぱいなおちんちんなんだろう?気持ちよくて…沢山でているね?』
茶うさぎはうっとりと黒うさぎのおちんちんを吸い上げると、余韻の声まで吸い尽くすみたいにたっぷりと愛撫を施します。
もう、行為に慣れていない黒うさぎなどメロメロのトロトロで、先程までのはしゃぎぶりが嘘みたいにかくりと力を抜いたまま、ふるふると耳を震わせています。
* * *
『き…もち…よかったぁ……』
信じられないくらい気持ちよくて、黒うさぎは吃驚してしまいました。
噂には聞いていましたが、こんなに気持ちが良いなんて思わなかったのです。
もう少しこう…痛かったり苦しかったりするのかと思っていたのですが、最後までこの調子なのでしょうか?
いいえ…これで終わってはいけません、いけませんとも!
だって茶うさぎは御奉仕ばかりして、ちっとも気持ちよくなっていないではないですか!
「コン…ラッドぉ…。おちんちん…お尻に入れて?」
力の籠もらぬ手で下肢を大きく割り広げ、下着をずらして…まだ固く閉じたままの蕾を晒しますと、どうしたことでしょう…茶うさぎがごくりと唾を飲み込みました。
「ええ、ですが…その前にしっかりと緩めましょうね?」
「どうして?コンラッド…もうおちんちんが爆発しそうだよ?俺はもう出さして貰ったのに…」
茶うさぎのおちんちんは辛うじて下着に収まっているという状態で、少ぅし…布の色まで変わっているのです。先程到達を迎えた黒うさぎには、それがどんなに気持ちよくて…そして、もどかしい状態かよく分かります。
「いいえ、平気です。それより、ユーリが怪我をしたり苦しかったりする方が嫌ですよ?それに…ユーリのお尻をしっかり緩めておかないと、俺のちんこが食いちぎられちゃうかも知れませんからね」
「ええぇぇっ!?」
ドカーンっと衝撃が襲います。
そんなに恐ろしいことになるのでしょうか!?
ええ、茶うさぎは嘘は言いませんからね。きっと本当のことです!
茶うさぎったらなんて命知らずなんでしょう!きっときっと…黒うさぎのおちんちんをお尻に入れたがらないのも、危険な事をさせたくないからに違いありません。
黒うさぎとしてもおちんちんが無くなるのは嫌です(おしっこするときに大変ですし、さっき…凄く気持ちよかったのをもう二度と味わえなくなるのは嫌ですからね)、ですが、茶うさぎのおちんちんがなくなるのはもっと嫌です!
「や…やめてぇ…っ!そんな危ないコトしないでーっ!!」
ぼろぼろと涙を零しながら股間を押さえ、ころんと俯せになって丸まった黒うさぎに、茶うさぎは吃驚したようです。
「ゆ…ユーリ!ちゃんと緩めたら大丈夫ですから!」
「ホント…?あ、危ないのに…すっごく危ないのに…お、俺には無理させずに自分をギセーにしようとしてない?」
ひっくひっくと泣きじゃくりながら聞くと、茶うさぎは《ゴメンなさい》という顔をしてペコペコ謝ります。
「いえいえいえいえ…本当に犠牲とか惰性とかじゃないですから!ユーリのお尻はきっときゅうっとちっちゃくて締め付けてきて気持ちいいはずですから!ただ、緩めておかないと痛いかな?って位なんです。すみなせん…俺が大袈裟に言ったから怖がらさせてしまいましたね?」
「そう…なの?」
ぽろん…と最後の涙粒を零してから、黒うさぎはきゅるんとした顔で茶うさぎを見詰めます。
茶うさぎは何かに突き上げられるようにして強引に黒うさぎの唇を奪うと、れる…うちゅ…っと深く舌を絡めて来ます。もう、余計なことなど考えられないようにしようというのでしょうか?
その内、何かぬるる…っとしたものが下着越しに触れてきたかと思うと、すぐにつるんと下着の中へと入り込み、《つぷ》…っとお尻の孔に入り込んできました。
それは…茶うさぎの指のようでした。
『あ…今から緩めるんだ!』
それでは、全力で協力しなくてはなりません。
緩めておかなくては、ちぎれはしなくても痛いらしいですからね。
黒うさぎは覚悟を決めると、自分から大きく脚を開き、茶うさぎの指が入りやすいようにします。すると、指は嬉しそうにくりゅ…ぬりゅりゅ…っと、どんどん大胆さを増して入り込み、ぬるつく液体をお肉の中に塗り込めていきます。
少ぅし…塗られたその場所が熱く、火照るような感じがします。
おちんちんを舐めて貰ったときとはまた違いますが、疼くような…じんじんする気持ちよさがもどかしく下腹を包んでいきます。
「ん…ぅん……気持ちいい…。コンラッド…もっと擦って?」
「ここ…佳い?」
「ぁん…そこぉ…っ!」
何と言うことでしょう!
お尻の中にこんなに気持ちいいところがあるなんて、吃驚します。
茶うさぎは本当に何でも知っているうさぎなんだな…と思うと、黒うさぎはとても感心してしまいます。
「凄い…どうして、そんなに俺の気持ちのイイトコ…分かるの?」
「ユーリが可愛い声で啼いてくれるからだよ?ね…もっと声を聞かせて?」
「ぅん…ぁっ…ぁあん…っ!」
くりゅりゅ…っ!…っと擦られる肉粒のなんと気持ちよいことでしょう!黒うさぎは夢中になって快感を追うあまり、恍惚として涎まで垂らしてしまいました。
「ゃん…恥ずかしい……」
けれど、手の甲で慌てて拭おうとすると、身を持ち上げてきた茶うさぎに《ねろり》と舐め上げられてしまいます。
ああ…茶うさぎったら、なんて至れり尽くせりなんでしょうね。
黒うさぎもいつか、茶うさぎみたいに気の利いたうさぎになりたいものです。
「ぁん…ぁあん……っ!」
「もう…良いかな?」
「うん…ぅん…もー良いよぉ〜…!」
ついつい隠れん坊みたいに節をつけて歌ったら、茶うさぎがくすりと笑いました。
けれど…次の瞬間、黒うさぎは笑うような余裕を吹き飛ばしてしまいました。
ぐ…ぷ……
「ひぅ…っ!?」
指とは比べものにならないくらい熱くて大きな何かが、猛々しい質量をもってお尻の蕾をこじ開けようとしているではありませんか。《ぐぷ…ぶ……》っと、音を立てて滑り込んでくるのは、きっと丁寧にオイルを塗り込めていたせいでしょう。普段なら絶対に入りそうにもない大きなものが、ゆっくり…ゆっくり、その形を大きさを黒うさぎの幼い身体に教え込むようにして入り込んできます。
反射的に自分の股間へと目をやった黒うさぎは驚愕しました。
何て大きくて…硬そうな肉棒なのでしょう?
これが本当に、ちっちゃな黒うさぎの中にはいるのでしょうか?
そして、村田が言うように《ぐいぐい腰を打ち付けて、何度も出し入れする》のでしょうか?
黒うさぎは急に怖くなって耳を寝かせると、無意識のうちにぴるぴると震わせてしまいました。
でもでも…怖がってることを知られてはいけません。
だって、きっと…ここまで高ぶったおちんちんを抜いたら、茶うさぎはとっても辛いことになるでしょう。
それに、ちゃんと入れて貰わなくては《夫婦》にはなれない気がします。
だから…黒うさぎは果敢にも勇気を持って口を開きました。
「来て…コンラッド…。俺の中で、いっぱい気持ちよくなって?」
「ユーリ…!」
黒うさぎの様子に少し怯んだ風だった茶うさぎが、再び元気を取り戻しました。
肉筒の中にずぶりと大きな先端部分が入り込んだと見るや…後は勢いよく滑りに合わせて竿が入り込んできます。
ズルル…ズ……っ!
何て長くて大きいのでしょう!
永遠とも感じられるような圧迫の時を過ごした黒うさぎは、お尻の膨らみに逞しい下腹筋と毛が触れるのを感じたとき…知りました。
二羽が、ひとつのものになっていることに。
『ああ…俺、いま…コンラッドと合体してる……』
継ぎ目がないみたいにぴたりと一つのものになって、みっちりと繋がっています。
「俺達…これで……夫婦だね?ほんとの…夫婦なんだよね?」
ぽろぽろと涙を零しながらそう言えば、茶うさぎもこっくりと頷きます。
茶うさぎの目にも、光るものがあるような気がしました。
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