「…マジで?」

「ええ、マジで」

「あの…お、俺なんかで本当に良いの!?コンラッド…最近たまってたの!?」

「一時凌ぎの性欲処理にあなたを使うくらいなら、俺は自分の穢れた性器など刀で落としてしまいますよ?」

 冗談めかせつつも、部分的に真剣この上ない語調でコンラートが言う。

「……アンタが言うと洒落になんないからヤメテ…。想像しちゃうじゃん……」

 陰茎を自分で切断するなど…想像するだに恐ろしい。

「あなたが俺を疑うからですよ。そんなことを言う悪い子には、お仕置きをしますよ?」

 つい…と上げた口端と眦は蠱惑的で、今までの《良いお兄さん》的笑顔は何処に行ったのかと問いただしたくなる。

どうも、こちらの方がこの男の本性なのでは無かろうか?

『く…黒い人だったのネ……』

 なんとなーく、今までも予感はしていたのだけど…彼の持つ《一筋縄ではいかない男》という印象から言えば、今現在の姿の方が余程しっくり来る。

 ありのままの姿を有利に晒してくれている…。

 そのことは、部分的に取り繕っていたのだろう姿よりも、有利としては好感が持てた。

 だが…次の瞬間、コンラートの唇から囁かれた台詞を受けると、慌てて《もーちょっととり繕って下さい》とお願いしたくなったのだけれど…。

「さあ…どんなお仕置きが良い?」

 背筋から仙骨にかけて甘く響く低音が、ぞくりと有利の被虐心を刺激する。

 それでも《逃げよう》という発想には至らず…寄せられる唇に、震えながらも素直に自分のそれを寄せていき…そっと重ねると、有利は頬を染めてちいさく呟いた。

「お仕置きとかは…やだ……」

「そう?では…信じて下さいますか?俺が、あなたを抱きたくてたまらないのだと…」

「し、信じますっ!」

「それでは、形で示して頂けますか?」

 にっこりと微笑む聖人のような表情が恐ろしい…。

「形って…」

「下着を脱がせてくれるか…脱いでくれるかして、ありのままのあなたを見せて下さい」

「脱…っ!」

 ここまできたら何も言わずに脱がせてくれればいいものを…中途半端に纏った下着を改めて脱ぐというのは、何とも言えない羞恥心を感じると共に、ひとつの《けじめ》をあらわすことにもなる。

 有利が状況に流された訳ではなく、強く望んでこの行為をなすのだと…。 

『うぅ〜…うー……や、やったろうじゃんっ!!』

 恥ずかしいには恥ずかしいが、考えてもみれば気付かぬうちに脱がして欲しい等という望みは如何にも受け身であり、女の子のようではないか。

 ならば…コンラートには敵わぬまでも、渋谷有利としての漢気を示さなくてはなるまい。 息を整え、す…っと立ち上がるとコンラートから一歩ほど退き…挑戦的に睨み付けるようにして、有利は下着に手を掛けた。

「…っ」

 思いもかけず、コンラートは息を呑むことになる。

 漆黒の闇の中、至上の宝玉と讃えられる双黒の眼差しと頭髪とが、健康的に日焼けした細身の四肢に映え…闇よりもなお深く艶のある色彩でコンラートの瞳を灼いた。

 華奢ながら、野球で鍛えた胸部には薄付きの綺麗な筋肉が乗り、ほっそりとした腰へと肋骨の影を忍ばせつつ緩やかな曲線を描く。

 この上なく愛らしい大粒の瞳は微かな怯えを含みつつも、コンラートの愛する向こうっ気の強さを見せてこちらを睨み付け、弄ばれるつもりなど毛頭無いと宣言しているようだ。

『流石だね…ユーリ……』

 可愛い小動物のような顔をして、その心は気高く…何者にも侵されない崇高なものを秘めている。

 

 だからこそ…こんなにも惹かれるのかも知れない。

 

 臣従すべき主で、弟の婚約者…。

 許されざる関係ではあるが、それをおしてでも繋がりたいという衝動は、抗しがたい力でコンラートを本気にさせた。

 

 するりと勢いよく下着が降ろせば、言い訳しようのない硬度で桜色の性器が露わになる。その様子に一瞬、羞恥が頬を掠めたものの…堂々と立つコンラートに対峙せんと、精一杯の威厳を見せて有利は直立した。

「ぬ…脱いだよっ!」

 笑ってはいけないと思いつつ、ついコンラートの口端が上がりそうになる。

 無言で対峙しているときはともかく、やはり…いくらか高めの声が軽い吃音を絡めて奏でられれば、甘い感覚がコンラートの胸を刺激してしまう。

「全く…どうしてそうあなたはそう可愛いんでしょうね?」

 一歩詰め寄れば、尻尾を逆立てる子猫のように有利が怯えを見せるから…宥めるようにやさしく腕を伸ばし、胸に抱き寄せた。

「唇…開いて?」

「ん……」

 重ねられた唇から舌がうねるように口腔内へと攻め入れば…息継ぎの仕方も分からぬ有利はあっという間に息を荒くして、口角から流れ落ちる唾液でとろりと顎を濡らし、朧にかすむ瞳に欲情を浮かべて経験豊かな恋人の胸へと身を委ねてしまう。

『恋人…?』

 そう呼んでも良いのだろうか?…と、不意に有利は不安になる。

 もしかして…単に、眞魔国では絶世の美形と持て囃される双黒に、物珍しさで欲情されただけということはなかろうか?

 だが…それを確かめるためには、まず自分から告白しなくてはなるまい。

「コン…ラッド……」

「何です?」

 この上なく幸福そうな笑顔を浮かべてコンラートが応えるから、有利はつられて笑顔を浮かべると、首元まで真っ赤になってつっかえひっかえ言の葉を連ねるのだった。

「俺…あんたのこと…スキ…です」

 ぱちくりとコンラートの瞳が見開かれ、次いで…ふわりと柔らかく目元が和んだ。

「全く…あなたには、本当に敵わない…」

「あんたはさ…俺のこと…す、スキ?」

「好きという言葉では足りませんね。…愛していますから」

「愛〜?」

 思いがけない言葉だったのか、有利は変な具合に声を跳ね上げさせて叫ぶのだった。

「……なんだか嫌そうですね。いりませんか?俺の愛…」

「いや、いります。ハイ。すっごい嬉しいんだけど……」

 その言葉に嘘はない。

 《好き》以上の言葉的価値を持つ言葉を贈られて嬉しくないわけはない。

 だが…平均的日本人の感覚から言えば、《好き》はともかく《愛》という言葉はどうにも気恥ずかしくてならない。

「でも…あ、アイって…なんかこう…照れちゃって、俺は口にしにくいというか……」

「そうですか?俺はあなたへの想いをこれ以上の言葉で表現することは難しいですね…。それに、そんなに嫌がられると、意地でも言わせたくなってしまいます」

「え……?」

 嫌な予感…。

 名付け親は概ね有利に親切なのだが…時に、無慈悲なほど自分の拘りを通す所があるのだ。

 にこ…と微笑む邪気のない笑顔がなにやら恐ろしい…。

「《愛してる》って、言ってみて下さい」

「……やだ……」

「どうして?」

「だって…恥ずかしいもんっ!」

「おや…でも、俺はどうしても言って欲しいんです。困りましたねぇ…」

 困った…とはとても思えないほど楽しそうな笑顔を浮かべ、コンラートの指がそろりと有利の高ぶりに触れてきた。

「ゃ…っ!」

「言って頂けるよう、鋭意努力致します」   

「わ…わ、わわ……っ!」

 れる…と熱い舌が首筋に埋められ、急所にあたる場所に甘噛みされればびくりと顎をのけぞらせてしまう。

 舌が更に鎖骨、腋窩の前壁へと這わされる間にも巧みな手淫が花茎を煽り、ぬるつく先走りがコンラートの掌を汚していく。

 爆ぜる薪の音に絡み合いながら、粘性の音が有利の耳孔を犯す。

 いま、自分が何をされているのかを明確に感じさせながら、コンラートの《鋭意努力》が続き、物慣れない有利の息を乱していった。

「ん…も、出る…コンラ…ッド……手、離して……っ」

「出して良いですよ。遠慮無く…」

「遠慮…する、から…っ!」

 懸命に訴えるが、花茎を扱く手つきは明確に激しくなり、有利は無意識に下腹を突き上げるような姿勢でのけぞってしまう。

「駄目…だ、だめぇ……っ」

 荒い息の中での抵抗空しく、勢いよく放たれた白濁は闇夜の中で奇妙に鮮やかに焚火を反射し、煌めきながら有利の腹を濡らしたのだった。

 舞い散る桜が有利の肌を掠め、濡れた場所に貼り付けられてぴたりと密着すれば、淡紅色の花弁は意図的な装飾を越えて、有利のすべらかな肌を彩るのだった。

「綺麗ですよ…とても」

 ごくりと息を呑み、しどけなく四肢を投げ出して脱力する少年を愛でる。

 少年らしい肉付きの下腹を濡らす白濁と花弁…そして、まだ触れられていないにもかかわらず、他の場所に与えられた刺激によってか…こりっとした質感を示し始めた胸の尖りとが、コンラートを誘うように浅く早い息の中で揺れている。

 ちゅ…と軽いキスを尖りに与えれば、すっかり感じやすくなった身体はびくりと震え、ねっとりと舌で押し上げれば、明瞭な硬さと艶を帯びて果実のような風合いを呈する。

「美味しそうだね…ユーリ。食べてしまいたくなる…」

「ば…馬鹿……っ」

 舌嘗めずりしてにやりと微笑む男は獣のような野性味を発して、時折痛いほどに肌や尖りを囓り、吸い上げ…喰らうようにして明瞭な愛撫の痕を有利の身体に刻んでいく。

 この肉体が今夜誰のものになったのか…天に知らせるような行為だった。

「ユーリ…ところで、痛いのは嫌いですか?」

「嫌に決まってるだろっ!俺をどんなM子さんだと思ってんだよアンタ!?」

「そうですよね、俺もあなたの望みでない限り痛い思いをさせたくはありません。ですから…少しの間、恥ずかしいのは我慢して下さいね?」

「え…?」

 良いとも悪いとも言えないまま…有利はころんと身体を返されると、腰を高く上げられた状態で尻を掴まれてしまう。

「うひゃ…っ!」

 思いがけない場所…後宮の入り口へと舌が這わされれば、きゅっとはにかむように蕾が狭まり、殿筋に緊張が走る。

「ききききき汚いですからコンラッドさんっ!!」

「そうですか?こんなに可愛いのに…そんな言い方をしては可哀相ですよ?」

「なんでそんなにケツの孔の肩を持…い、いや…そんなことより、擽ったいしっ!」

「そう?それにしては…こちらは気持ちよさそうですけどね」

 嫌々をして腰を揺らせば自動的にぷるん…と花茎が揺れてしまう。これがまた力無く…というよりも、半ば勃ちに高ぶりつつあるものだから、どうにもこうにも羞恥に頬が染まってしまう。

 その先端を意地悪に擽られれば、ふるりと揺れる鈴口から透明な液体が滴り落ちてくる。

『うー……。さっきイったばっかりなのに…若いね俺!』

 大体、この余裕の差は何なのだろう?

 幾ら相手が百戦錬磨の獅子様だとて、これほどからかわれては男として立つ瀬がない。

 せめてコンラートにも自分と同じくらい切羽詰まって欲しいものだ。

「俺…さっきもうイったし…そんなトコ弄るより、そろそろあんたもイっといたほうが…」

「おや…大胆ですね。協力して下さるんですか?」

「う…うん、そりゃあ…」

 先程されたみたいに手で擦り上げるのであれば、技術の差こそあれ、自慰の時のようにやればそれなりにイかせることは出来るだろうと踏んでいたのだが…。

 甘かった。

「それでは、お言葉に甘えてよいでしょうか?」

「うん、下手かもしんないけど…俺なりに…」

 《頑張ってみるよ》まで言うことが出来なかった。    

 再びころんと転がされた有利は、あろうことか下肢を大きく広げられた状態でちゅぶりと指で蕾を弄られ…自分の顔の前には、堂々たる雄蕊を突きつけられてしまったのである。

 腹を打たんばかりに反り上がったそれは有利同様切羽詰まった状態にあり、よく涼しい顔をしていられるものだと感心するくらいに張りつめていた。

 皮が剥けきり、隆と盛り上がった先端部分からはとろりとした先走りが滴り、仰向けになった有利の頬へも雫が落ちてくる。

 少し前の有利なら、男のそんな場所を突きつけられれば悲鳴を上げて飛びすさったことだろう…。だが、それがコンラートのものなのだと思うと、どきりと脈打つ鼓動を押さえることが出来ず、なんとかして《気持ちよくしてあげたい》という使命感のようなものが沸き上がってくるから不思議だ。

「こ…れ……な、嘗めたらいいのかな?」

「指でも唇でも…あなたの望むように」

「……ん…ぅん……」

 おそるおそる両手で包み込めば、濡れて冷えた指には驚くほどの熱量が感じられる。

「ゴメン…冷たくない?」

「いいえ…気持ちいいですよ。あなたの細い指が俺のものに触れていると思うだけで…たまらない…」

 語尾が甘く…セクシーに掠れるものだから、有利は思い切って自分の唇へと雄蕊を誘ってしまった。

「んむ……」

 口内に含み込んだ先端部分からは塩っぱい液が滲んでくるが、有利の拙い愛撫でもそれが目に見えて容積を増し、心地よさそうに震えるから…ちゅぷちゅぷと乳飲み子のように吸い上げ、舐め上げていく。

『子猫に嘗められてるみたいだな…』

 後腐れのない、慣れた商売女を相手にすることが多いコンラートとしては、技術的には話にならないレベルの筈なのだが…おさない愛撫が懸命に施され、ちいさな唇が精一杯広げられて自分のものを包み込む様に目を遣れば、未だかつて感じたことが無いほどの悦楽に腰が蕩けていくようだ。

『好きな子を抱くというのは…こういうものなのか』

 言い寄られれば、面倒な出自であったり、処女であったりしない限りは一夜程度の相手はしてきたコンラートは、この年まで経験だけは豊富に積んできたつもりだった。

 だが…こんなにも抱く相手を愛おしいと思い、物慣れない愛撫に感じてしまったのは初めてのことだろう。

『可愛い…』

 指で蕾を弄りながら、コンラートも花茎を口に含み…追い立ててやれば、若い性はすぐに張りつめて二度目の解放を求めて震え始める。

 その先端をぺろりと舐め上げてやるが、最後を促すことはしなかった。

「コン…ラッド……?」

 身を離したコンラートを、不思議そうに有利が見上げてくる。

 ほっそりとした肢体は少年らしい清廉さと、咲き初めたばかりの蕾を思わせる可憐な艶を纏い、全身が淡く上気してふわりとした香気を漂わせている。

『俺が…咲かせてあげますよ』

 下肢を大きく開いても、もう抵抗らしい抵抗はない。

 ただ…恥ずかしげに瞼を閉じ、両手が口元を覆っただけだった。

 せめて声だけは防ごうと思っているのだろうか。

 勿論…そんなことをさせるつもりは毛頭無いのだけれど…。

『あなたの嬌声…聞かせて頂きますよ。たっぷりと…ね』

 十分に馴らした蕾にくぷりと先端を挿入していくと、慌てたように括約筋が収斂するが…巧みに浅突きに雄蕊を燻らせ、自分の手で竿部分を擦り上げれば…比較的浅い場所に白濁が放たれる。

「ぃ…は……あっ!?」

 まさかそんなタイミングで、思いも寄らぬ場所に吐き出されるとは思っていなかったのだろう…驚愕に目を見開く間にも、獲物を狙う蛇のような瞬発力を見せてぬめる雄蕊が最奥へと突き進まれる。

 潤滑油もない状態で、有利に負担を掛けないための方策であったのだが…経験不足の有利にとってはひたすら翻弄されて息をつく間もない。

「ァアああ……っ!!」

 痛みを感じさせることもなく…ただ、衝撃だけを与えて付け根近くまで雄蕊を突き込めば、押し込まれるようにして白濁が後宮を潤し、その後はコンラートの思うがままに肉壁を抉られ…あられもない嬌声を上げるしかなかった。

「ぁあん…ぁ…ゃあん……っ!!」

 二度三度と突き上げられる内に感じやすい場所で背筋が跳ねれば、的確にその場所ばかりを狙って執拗に雄蕊が責め立ててくる。

「ゃう…うぅ……らめ…ぁっ……っ!」

 泣き声混じりの声も、苦痛が殆どない状態で悦楽だけを与えられていることが丸わかりで…羞恥に啜り泣いているだけなのだとコンラートに教えてしまう。

「もっと聞かせて下さい…ユーリ。とても佳い声で啼きますね、あなたは…」

「にぁあ……っ!」

 右脚だけを高く抱えられ、松葉型に突き込まれればより深く結合がなされ、空いた方の手で花茎を容赦なく擦り上げられれば有利の嬌声はますます幼獣じみた甘さで大気を震わせてしまう。

「さあ…イっていいですよ…ユーリ……」

「んゃ…っ!!」

 コンラートの手の中で弾けた性が、勢いよく飛んで焚き火に振りまかれれば、じゅあっと蒸発する飛沫が饗宴を活気づけるように焔を上げた。

「ふふ…そんなに気持ちいい?ユーリ……」

「う…ん、き…もち……いい、よぉ……っ」

 口角から含みきれない唾液を零し、泣きながら叫ぶ声には普段は見られないような甘えた色が絡み…舌っ足らずで幼げな言い回しがコンラートの嗜虐心を刺激する。 

「すみませんユーリ…そんなに可愛らしいと、もっと苛めたくなる…」

「ぇ?…ゃうぅ…あく…っ!」

 俯せにして尻を突き上げさせた状態で腰を振るえば…コンラートの下腹と双丘の間で、ぱんっと景気の良い拍音が鳴る。

 《お仕置き》されているような体位と音ではあるが、有利の負担は小さく、その分快楽は強いはずだ。

 だが…弱い場所を抉るように突き上げ、双丘を鳴らすうち…有利の嬌声には切なげな泣き声が混じり始めた。

「ユーリ…?」

「ゃだ…ぅっ……やだよぉ……」

 しゃくりあげる声音は明らかに快楽以外のものを示していて、コンラートは嗜虐心を抑制する情愛の働きで、ぴたりと動きを止めた。

「すみませんユーリ…痛かったですか?」

「違…けど……こんな、ゃ……どーぶつみたいの…やだよぉ……」    

「ユーリ……」

 慌てて体位を切り替え繋がったまま向かい合う形で抱き寄せれば…兎のような目になってしまった愛し子が、少し拗ねたように睨み付けてきた。

「酷ぇよ…」

「すみません…ユーリ。そんなに嫌がるとは思いませんでした…」

「だって、あんたの顔も見ずに唯セックスするなんてやなんだもんっ!」

「………あの……」

 ぷう…と頬を膨らませて言われると、素直すぎる雄蕊がぎりりと硬度と反りかえりを増してしまう。

「ぅわ…ちょ…あんた……っ!デカイから…っ!!」

「……いまのはあなたのせいでしょう?あんな可愛いことを言われて、大きくならないはずがないじゃありませんか」

「だっ…て……っ」

 尚も減らず口をきこうとする唇を自分のそれで塞いでしまうと、コンラートはたっぷりと自分の顔を拝ませながら…有利の体内の、今度は最奥部分に…二度目の迸りを放ったのだった。 




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