「真冬のマーメイド」−4










 づぬ…っ

「く…っ!」
「痛い?」
「へい…き…」

 嘘だ。
 全身に汗が噴き出すくらいに痛いし、それ以前に凄まじい圧迫感と摩擦に苦鳴が上がる。けれど、それがコンラートと結ばれる為の痛みなら、全然大丈夫。
 
『コンラッド…熱くって、ドクン…ドクンって拍動してる』

 前進をいったん止めて、陰核部分を巧みに指で弄りながら水着から溢れ出た乳房を揉みしだかれると、また潤みを強めた蜜壺が雄を受け入れていく。

「も…来て!」

 《行ける》と思って腰を突き出したのだが、コンラートの動きに連動していなかったせいか、無理な軋轢に身体の中心部が《ビッ》と裂けたような感じがした。
 処女膜とやらが、とうとう悲鳴を上げたらしい。あけすけな物言いをする女子の話では、意外と処女膜が初体験時に切れる例は半数程度らしいのだが、運悪くその半数に当たってしまったようだ。

 そもそも、焦って無理をしたのが悪いわけだが。

「ひ…っ!」
「ユーリっ!」
「へ、いき…だから、このまま…あんたと繋がりたい…!」
「…分かった。行くよ?」

 自分もきつく締め付けられて苦しいだろうに、コンラートは有利を労るように双丘を撫でつけ、愛おしげにキスをしながら深々と貫いていく。
みっしりと存在感を植え込まれたとき、みしみし言うような圧迫と同時に、込みあげてくる幸福に有利は酔いしれた。

 繋がっている。
 誰よりも愛おしい人と。

「やっと…あんたと、結ばれた」

 満足そうに呟くと、コンラートも同じ気持ちを共有しているのか、瞳を潤ませて頬を擦り寄せてくる。彼もまた、苦しい半年を過ごしていたのだろう。

「いっぱい回り道させて、ゴメンねぇ…」
「もう良いよ。ね…今は、全部俺に委ねて?」
「ん…」
 
 繋がったまま、後は優しく有利が感じやすいようにと優しい愛撫を続けてくれた。おかげで、裂けてしまった場所からの痛みは殆ど感じないまま、じわじわと燻らされる動きだけで何度もエクスタシーを感じてしまった。

「ふふ…本当に感じやすいね、ユーリ」
「や…は、恥ずかし…俺、淫乱じゃないよぉ…」

 じわりと涙を滲ませながら訴えれば、眉根を寄せてコンラートが詫びる。

「ゴメンね。うん…ユーリは淫乱なんかじゃないよ?とっても敏感なだけ」
「ホント?」
「嘘なんかつかないよ」
「そ…だよね」

 ほっと安堵したように微笑んだ瞬間、感極まったコンラートの雄蕊からは、性の猛りが溢れるほどに迸った。

 ど…ぷ…
 びゅぐ…びゅ…!

「ぁ…あ…っ…あぁっ!」

 《中に、いっぱい出てる》…子どもを産むなんてことは想像したこともないのだが、流れに任せて避妊もしていない有利は、子種をたっぷりと受けて言いしれない幸福感を覚えていた。

『コンラッドの、赤ちゃんのもと…!』

 偽りの肉体による結びつきは、元の姿に戻るなりリセットされてしまう仮初めの行為だとは分かっている。それでもごぷりと雄蕊が引き抜かれたとき、溢れ出ていこうとする精液を反射的に両手で止めてしまった。

「コンラッドの…出ちゃう」
「俺の子、産んでくれる?」
「産めたらイイのにな…」

 ちゃんと育てられるかどうかなんて分からないけれど、万が一そんなことがあったら…大切に育てたい。
 そんな有利を愛おしげに抱き寄せてから、コンラートは乱れきっていた水着を戻してくれた。無理に精液を掻き出す事なんてしない彼が、同じ夢を共有してくれるのだと思ったらえらく嬉しかった。

「すぐにホテルに行こう。仕事は頼み込んで、切り上げてしまうから」
「ううん。仕事の邪魔になるのは嫌だよ!良い子でまっとくから、ちゃんと行って?」
「でも…」
「大丈夫。村田を見つけてくれたら、面倒見てくれると思うよ。あいつ、俺の恋を応援してくれるって言ってたし!」
「ムラタ…あの陰険そうな眼鏡君か」
「村田は陰険じゃないよ〜。ちょっぴり腹黒いだけだよ」

 陰険と何が違うのか自分でもよく分からないが、友人として一応フォローはしておく。

「じゃあしょうがないな。お勤めを終えたら、時間も忘れて抱かせてくれる?」
「うんうん、いっぱいしよう?」

 こっくりと頷いた有利を抱えるように支えてコンラートが用具室の鍵を開けると、探すまでもなく村田はそこにいた。

「おやおや、渋谷。願いは成就できたみたいだね?」
「村田!お前のおかげだよ〜!」
「ま、気にしないでよ」

 陰険とか腹黒と形容される友人は、プールだというのに眼鏡を外さないまま、照明の反射光をその硝子にはねかしていた。

 

*  *  * 




『やっぱり胡散臭いんだが…』

 有利は友人だと言うが、コンラートとしては情交を終えたばかりでしどけない雰囲気の恋人を、とても他の男の手に渡すことなど出来ないという心地がした。今日の仕事などサービス営業に近いのだから、やはり断った方が良いのではないか。

 そう思うのだが、すっかり新妻として夫を支える気満々の有利は、背中をばしんと叩いて送り出そうとする。

「じゃあ頑張ってね。客席で応援しとくよ」
「俺が水着美人コンテストに参加する訳じゃないんだけどね」
「俺的には、十分水着美人に感じるんだけどね」
「ふふ、俺だって…」

 言いかけて、コンラートはふとあることを思いついた。

「ユーリも参加してみるかい?」
「えー、俺?」
「あんなことした直後だから、身体は辛いかも知れないけど…こんなに可愛いユーリが世間からどう評価されるのか、ちょっと気になるな」
「そ…そう?」

 実のところこれ以上ライバルは増やしたくないのだが、同じイベントに参加していれば監視しやすいので、コンラートは言葉を尽くして有利に参加を承諾させた。



*  *  * 




『引き受けてはみたものの…俺、そういえば一芸とかないんですけど!?』

 順番を待っている間、舞台の裾野で他の出場者を見ていると、みんな何かしら特技を披露したり、華麗なポーズを決めたりしている。試しに鏡を見て笑ってみたが、緊張のせいか引きつってしまった。
 そもそも、他の出場者に比べると格段に身体のボリュームが貧相な気がするのだが…。

『コンラッドに良いトコ見せたいんだけどな〜』

 そうこうしているうちに有利の番号である《27番》がコールされ、きょどきょどしい足取りで舞台に上がっていく。

 ひゅーひゅー!

 観客席がどっと沸き、意外と大きな声で口笛など吹かれている。《今回の出場者の中では最年少》と紹介されたせいで、同情票が集まっているのかも知れない。

「あ、どーもどーも」

 照れ照れしながらぺこりとお辞儀をすると、途端に《とぷり…》と蜜壺の中から溢れ出してくるものがある。

『ヤバ…!』

 コンラートの、精液だ。
 周囲からは距離があるから雄の匂いを嗅ぎつけられることは無いだろうし、流石に水着の外まで溢れ出すことは無い…筈。

 でも、これだけの視線を浴びながら雄の体液を淫部から滴らせていることに、背徳的なまでの興奮を覚えてしまう。

『うわ…まるで、観衆の前でコンラートに犯されてるみたい…』

 そう、審査員席から熱い視線を送ってくるのは、散々有利を啼かせてくれた愛おしい恋人なのである。彼の前で淫らな興奮を覚えていることに堪らない羞恥もあるから、頬を真っ赤に染めて瞳を潤ませてしまった。

 実態としてはこの上なく変態臭い(ついでに烏賊臭い)状況だったわけだが、見つめている観客達にとっては別の受け止め方をされていた。



*  *  * 




『めっさ清純そうじゃね?』
『いやいや、こういう企画に応募するんだから、結構自分に自信はあるんじゃない?』
『いや!きっと引っ込み思案な自分を変えようと、思い切ったとかだよ!』

 大井田の周りでさわさわと有利の噂話が広がっていく。何とも言えない危うげな色香を漂わせる少女(…)に、誰も彼もが異様に興奮していた。

『すっげぇ…可愛いぜ、畜生…!』

 コンラートも機嫌を回復させているから、きっと有利が心を尽くして説得して、分かった貰えたのだろう。交わす目線の熱さからもそれは伺えた。

 初々しい恋のときめきに満ちた有利は、全ての男を否応なしに虜にしているらしい。

『…幸せになれよ、こんちくしょう…』

 頼まれなくてもそうなりそうな有利に毒づくと、大井田は瞼を伏せて眩しすぎる思い人から視線を外した。




*  *  * 




「俺のマーメイドさん、もう濡れた水着を脱いで良いよ?」
「う、うん…」

 やたらと大きな金色(勿論メッキだが)の人魚像は、本日水着美人として有利が最高の栄誉を与えられた証だ。やはり材料は安いのだろうが、意外と細かい造りのティアラを被っているのもこの上なく可愛らしい。

 漸くのことホテルの寝室に引き込めた恋人は、コンラートの言葉にもじもじしていた。 有利は水着姿でありながら、実は一度も水には入っていない。
 それでも水着は濡れている。

 《何》で濡れているのか知っているのはコンラートと有利本人、そして、忌々しいが友人の村田とやらも感づいていることだろう。
 ただ、彼を無為に警戒する気持ちは今は少し薄れている。

 去り際に、一瞬だけ神妙な表情を浮かべた彼に《渋谷を幸せにしなかったら、許さない》と、意外にドスの利いた声で警告されたからである。

『あの子はあの子で、ユーリを愛しているんだ』

 頭が良くて、何事も計算づくだというあの少年にとっても、有利は特別な存在だったのだろう。
 コンラートが救い出したとはいえ、便所に顔を突っ込もうとするような危険な輩の前に飛び出して、守ってくれた事を本当に感謝しているのだろうし、計算の立たないその人格を愛してもいるのだろう。

 だからこそ、身を切り裂かれるような痛みを含んだ瞳で、幸せそうにしている有利をコンラートのもとに送り出したのだ。

『ありがとう』

 今なら深く感謝できる。
 コンラートの精液を滴らせてもじもじしている有利を前にすれば、その要因となった少年に感謝しないわけもないか。

「さ、ドロドロして気持ち悪いだろう?脱いで御覧。それとも…脱がせて欲しい?」
「…っ!」

 胸元にトロフィーを抱き寄せると、有利は上目遣いに睨み付けてきたが、脱がされるというのは微妙に心理的な引っかかりがあるのか、コトリと脇にあったテーブルの上にトロフィーを置くと、ゆっくりと穿いていた水着を引き下ろしていく。

「…!」

 目の前の光景にコンラートが息を呑むと、有利の頬も真っ赤に染まった。
 蒼い水着から有利の蜜壺に掛けて、とろりと溢れ出す淫らな白い糸が見えたのだ。

「俺が出したの、零してしまったの?」
「お仕置きする?」
「ううん。もっとたっぷり注いであげる」

 そう宣言したコンラートだったが、がくりと脚が崩れた有利は、急にふるふると震えて身を横倒しにしてしまった。

「ユーリ!?」
「大…丈夫…きっと、時間が来たんだ」
「ああ…!」

 それでは、有利はこの仮初めの肉体から元の姿に戻るのだろう。いっときの事ではあったが、多少の名残惜しさはある。ぷっくらと膨れた乳房はともかくとして、負担が少なく繋がることの出来る性器は、確かに有り難い存在だったのだ。それでも処女喪失の痛みを味合わせてはしまったわけだが、後孔を使ったセックスは更に負担が大きいだろう。
 とはいえ、ユーリにとって全ての処女性を奪うのがコンラートだというのは、例えようもない歓喜をもたらしもする。

「ん…んっ!」
「しっかりして、ユーリ。元の姿に戻ったら、今度は男の子としてのお初を頂くからね」
「え?それって…」
「ここを使うんだよ」

 トンっと中指で菊花を叩くと、有利は吃驚したように目を見開いた。

「こ、ここって…汚くない?」
「大丈夫。俺はこっちの方で満足させてあげられるように、ちゃんと研究してるからね。勿論、他の子で練習したわけじゃないよ?」

 実は、女の子に関しては《男についてはユーリ一筋だから、性欲処理は女と》というスタンスでこなしていたのは永遠に秘密だ。

「ね…俺に、ユーリの全部の処女を頂戴?」
「うん…っ!」

 気丈にも微笑みながら、ユーリは胸を覆っていた水着を脱いだ。
 逸らした胸はあえやかな微乳の大きさになっていたが、やや小粒になっても桜色の粒はコンラートの欲を擽る。

「ぁん…囓っちゃ、駄目ぇ…!」
「ごめん。美味しそうなんで、つい…」

 カリリ…と胸の桜粒を甘噛みすれば、どんなに否定しても有利の肉体は呼応してしまう。露わになった淫部からゆっくりと伸びてくる花茎を銜え込めば、変身途中の肉体が跳ねた。

「やぁあ!」
「うん。男の子になっても感じやすいのは相変わらずだ」
「ぁ…あ、凄い…。びりびりするよぉ…っ!」
「ん…ここも変わっていくところなのかな?俺の注いだのが溢れてきてる…」
 
 ちゅぐ…と花茎の根本にある陰裂に指を挿入されれば、男と女の快楽を同時に味合わされて悲鳴が上がる。

「ゃあ…やっ!お、おかしくなっちゃうから…それ、駄目ぇ…っ!」
「そんなに感じちゃう?」
「うん…うんっ!」
「俺のを挿入なんかした日には、気絶しちゃうかな?」
「ひ…っ!」

 好奇心に駆られただけではなく、注いだ赤ちゃんの素が押し出されていくのが切なくて、コンラートは再び高ぶり始めていた雄蕊をぬるぬると濡れた肉襞に擦りつける。挿入までする気ではなかったのだが、有利のあえやかな嬌態を見ていると、ずくずくと下半身に血が凝っていくのが分かった。

「入れて良い?」
「そ…な、あ…っ!」

 ずぷぷ…

 半ば無理矢理ではあったが、それでも閉じかけていく場所をこじ開けるような拷問をしたいわけではない。様子を見ながら挿入していくと、意外にそこは以前通りの容積を保っていた。

「大丈夫みたい。寧ろ、さっきより馴染んでるかな?」
「ほ、んと?」

 荒い息を吐きながらも、有利の方もそれほど辛いわけではないらしい。花茎の先端をにゅぐにゅぐと指で弄りながら腰を使えば、《きゃうっ!》と可愛い声を上げて肉筒を締め付ける。

「凄い…うねうねと蠢いて、ユーリのおまんこ…気持ちいい…。それに、おちんちんも綺麗なピンク色で可愛いな。ああ…最高だよ、ユーリ」
「こんなの、変じゃない?」
「ユーリならどんなユーリでも最高だよ」
「親馬鹿…」
「何とでも言って?変態だっていう自覚はあるから」

 何しろ、5歳の少年と取り交わした結婚の約束を本気で守ろうとする位だ。自分でも同化しているという自覚はある。

「ユーリが軽蔑したりしないでくれれば、俺はそれで良い」
「軽蔑なんか、するわけない…っ!」

 精一杯の声を上げて両腕を伸ばしてきた愛し子を抱き寄せて、コンラートは最奥に熱い迸りを放った。すると、有利の花茎からも少年らしい勢いでびゅるっ!と白濁が放出され、二人の胸や顔にまで飛沫が散る。
 いやらしいミルクに彩られた少年とも少女ともつかぬ生き物は、あまりにも麗しく淫らだった。

「あ…ぁあ…っ…」
「はぁ…ぁん……っ」

 堪らない感覚が脳髄をとろかし、有利にとって初めての性交でこんなに求められては負担だと分かっていても、もっともっとと欲しくなってしまう。

「ユーリ、まだ繋がっていても良い?少し…こう、体位を変えて」
「ゃん…これ、動物みたい…」

 有利を四つん這いにさせて小振りな双丘をがっしりと掴めば、獣の肢位を取らされたことに不平を鳴らすが、すぐに腰を揺らめかせれば、その声もまた甘い嬌声に変わる。

 ぱぁん…っ
 ぱぁん……っ!

 滑らかな双丘に激しく下腹が打ち当てられ、弾くような打撃音が寝室に響く。

「ぁ…な、んか…お仕置きされてるみたい…」
「可愛すぎるのが悪い子に、おちんちんでお仕置きしてあげる。俺の出す精液を、下のお口で全部飲み干すんだよ?」
「きゅぅう…っ!」

 客観的に考えると相当恥ずかしい会話を交わしながら、出来たてのカップルは延々セックスに溺れていた。

「さあ…行くよ」
「はぁ…ぁ…ぁあんっ!!おまんこ、熱いよぉ…っ!」

 どくん…っと放出された精液が、先に注がれた分を押し出してびゅぐりと継ぎ目から溢れ出すと、コンラートは咎めるように腰を燻らせた。

「おや、下のお口は小さすぎて飲み込めなかったのかい?」
「ぁん…ゴメン、なさいぃ…」
「じゃあもう一つのお口に呑ませてあげる」
「ひぅ…っ!」

 ぬるぬると弄られる場所は、男の子としての処女性を保つ後孔だ。セックスに用いるような場所ではないのは重々承知だが、ベッドサイドに用意したコンドームを手早く指に装着すると、人肌程度に暖めたローションをたっぷりと塗り込めてから、まずはぬちぬちともどかしさを感じるほどに菊花を責めていく。

 ヒダを押し広げ、粘膜が男の指に馴染むまで、ぬるり…ぬちぬちと責め、ゆっくりと這いずり込むように奥へと入り込んでいく。その間、蜜壺から精液が押し出されるのが勿体なくて、好奇心で買っておいた小さめのバイブを挿入させてみた。

「や…な、なに…っ!?」
「大丈夫。スイッチを入れたりはしないから」
「でも、それ…ゃあ…っ」
「気にならなるなるくらい、お尻を可愛がってあげる」
「ひぁああ…っ!!」

 中性体の身体がどうなっているのか半信半疑だったが、ちゃんと予測通りの位置に肉粒があって、今の有利が完全な半陰陽であることが知れる。指先で巧みに転がしていけば、人体では初の刺激だったのだが、この上なく感じさせてあげられているのだと知れた。有利はすぐに腰を揺らめかせて、《もっと欲しい》と言いたげに双丘を擦り寄せてきたのである。

「そろそろ良いかな?」

 息も絶え絶えで返事をする余裕もない有利に、高ぶりきっていた雄蕊を押し当てると、菊花を越えて以降は断固たる前進でずぬぬぬぬ…っと肉筒の中を犯していった。

「は…凄い。食いちぎられそうだ」
「ひ、う…ぁああん…っ!!や、アタマ…おかしくなっちゃうよぉ…っ!おまんことお尻、ぐしゃぐしゃになるぅ…っ!」
「溶けてしまうそう?」
「溶ける…溶けちゃうぅ…っ!!」

 二人を結びつけたアミューズメントパーク《メルト》にちなむように、溶けてしまおうか。継ぎ目のない一つのものとなって彼と解け合うのは、堪らない誘惑だ。

「溶けて…ユーリ。俺のおちんちんでとろけてしまって?」
「あぁああ……っ!!」

 激しく腰を使って責め立てていけば、うっかり蜜壺を塞いでいたバイブにスイッチが入り、人智を越えた快楽を有利に与えてしまう。薄い肉壁越しに人工物の律動を感じながら、コンラートもまた脳髄がとろけそうな快楽に酔った。

「ひぃい…っ!!」
「あ…ユーリ。凄い…っ!」

 文字通り食いちぎられそうな締め付けを受けて、コンラートの雄蕊からは再び性の迸りが溢れる。本日幾度目かというような放出だというのに、相変わらず腸壁の一部が瞬間的に膨らむほどの勢いであった。

「あーーーっ!!!」

 溶ける。
 溶けてしまう。

 二人は半ば意識を遠のかせながら、性欲に溺れた。

 他の部分がすっかり少年体に戻ったにもかかわらず、二人を繋げる蜜壺が以前通りであることに違和感を感じる余裕もないまま。

  




→次へ