「リバーシブルで愛して」4








 手早く全裸になったコンラートは、わくわくしながらユーリのサンタ服を脱がせていく。まだまだヤリ足りない自分の精力に呆れないではないが、愛撫の痕も色濃く残る美少女を前にしては無理からぬ所だ。
 ただ…どうしても最上の興奮とならないのは、これが結局のところは夢に過ぎないと認識しているからだろう。お相手が《渋谷有利》では無いと知っている為の空しさが、この幸福感に一抹の寂寥感を与えてしまう。
 
『あれ…?』

 シャワーコックを捻ろうとしたら、ユーリが手を伸ばして温度設定を低めにしてした。お湯と呼ぶには低すぎる温度は、翳したコンラートの手も冷やす位なのだが、ユーリは思いがけないほどの力でそれを自分に掛けようとする。

「ユーリ、それでは寒いよ?」
「これで良いんだよ。貸して?」
「いや…しかし」

 シャワーコックを握って押し問答するような形になった二人だが、力の差は歴然としている。半ば残っていた酔いのせいもあって、意地になって引っ張ったコンラートは、反動でしたたか冷たい水を被ってしまう。

「ぅわ…っぷ…」

 顔から上体にかけて浴びた飛沫は、淀むような酔いを吹き飛ばすに十分な刺激であった。鮮烈な冷たさを知覚すると同時に、コンラートはようやっとのことこれが夢などではない…現実なのだと気付いた。

 ただ、すぐには意識の方が現実に立ち戻れない。

 では…コンラートが抱いたのは、一体…誰なのだ?

「え……?」

 驚きにぱちぱちと目をしばたいている隙をついて、ユーリがシャワーコックを奪い返すと勢いよく全身に浴びせかける。

「……えっ!?……っ…」

 我が目を疑った。
 酔いが醒めたと思ったのだが、実は更なる酔いのなかに落ち込んだのだろうか?
 幾ら何でも今目にしていることが現実だとは信じられない。

 ただ、どこかで安心している自分もいる。

「ああ…良かった。やっぱり俺は男の子のユーリを愛していたんだ」

 そう、冷水を浴びたユーリは、見る間に男の子の有利へと変貌を遂げたのである。
 内腿に滴るほど注いだ白濁は、冷水に流されたのかどうしたのか綺麗に消えてしまっているけれど、それは今からまた注いであげれば良いことだ。全身にくまなく刻んだ朱華もまた同様。

「……本当に、こっちの身体でも愛…アイアイ……」

 顔を真っ赤にして吃音に悩まされている有利に、再びほわりとした笑みを向ける。
 夢なら深く追求しなくても良いからだ。

「南国に住むお猿さん?」
「猿であることを主張する為だけの歌じゃなくて…そのぅ…。す、好きかってことっ!ほら…おっぱいとか、めちゃくちゃ小さくなっちゃったし…その……とろとろに濡れちゃうエッチな股間じゃなくなったよ?」

 恥ずかしそうに両手を脇に当てて押し上げると、形良い微乳がぞくぞくするほどの艶やかさでコンラートの瞳に映し出される。乳首に填めさせていたニップルリングはぽろりと落ちて、女の子の時よりも小粒だが、やはりこりっとした質感の桜粒がなんとも美味しそうだ。勿論、軽く勃っている可憐な花茎だって、思うさま舐めしゃぶってやりたい衝動を抑えることが出来ない。

「どちらも最高に素敵だ」
「…っ!」

 なんて可愛らしいことを言いながら上目遣いに見上げてくれるのだろう?気が強いのに気が小さい、そんな有利らしい物言いと態度に、コンラートは己の再現性の素晴らしさを再認識していた。

「嬉しいな。やっぱり俺はちゃんとそのままのユーリを愛していたんだ!ずっと俺が愛して、舐めしゃぶりたいと思ってたのはこのユーリだもの!」

 ふくふくとした幸せに浸りながらぺろりと胸の尖りを舐めあげれば、ぴくんと感じやすい躰が跳ねて甘い声が上がる。

「ぁ…っ!」

 しかし、有利は慌てて口元を覆うと哀しそうに呻くのだった。

「ぅ…。み、みっともない声出た…」
「どうして?」
「だって、女の子の時みたいに可愛い声じゃないだろ?」
「可愛いさ…。俺が大好きなユーリらしい、少年らしい瑞々しさと甘さが絶妙なバランスを醸し出してる…。ほら、俺のおちんちんは、男の子のユーリを喜ばせてあげたいって言ってるよ?」
「…っ!」

 自分でも少々恥ずかしくなるくらいに回復力の早い雄蕊は、持ち主の意向を反映して腹を打たんばかりにそそり立っている。

 ブラボーまっぱ。
 大変な説得力だ。

 怯えたように見えていた有利の瞳にはちろりと淫火が揺らぎ、そっと跪くと裏筋を露出しながら先走りを垂らしている雄の器官に、ちろりとちいさな舌を這わせた。

「……っ!」

 気持ちいい…!
 稚拙な愛撫なのに、視覚情報による影響とは絶大なものである。歓喜が下腹から放散していくようで、危うくそのまま有利の顔にぶちまけて《早漏》の汚名を着るところであったが、どうにか堪えて小振りな頭を両手で抱え込む。
 気持ちよすぎて喉奥まで銜え込ませそうになるが、掌に触れる冷たさにはっと気が付いた。

 そうだ、有利は先程水を被ったばかりなのだ。
 よく見ればふるふると肩が震えており、鳥肌も浮いているではないか。

「ゴメンね、ユーリ…寒かったろう?」

 ふと見れば、湯船に張ったお湯もそこそこの量に達している。ここはひとつ、水面下で繋がりながら《や…お湯が入っちゃう…っ!》等と噎び泣いて貰おうか。

 しかし、有利はがっしりと両腕をコンラートの腰に回して、頑是無い子どものように嫌々をすると、ぬるつく口腔内で懸命に舌を使った。愛するおちんちんを離すまいという風に喉奥まで突き込ませると、涙を浮かべながら嘔吐感を堪えている。

「無茶しないで良いよ、ユーリ…身体を温めてから、後でゆっくり…」
「ヤダ…もう、お湯なんか漬からないっ!女の子の身体じゃなくて、ホントの身体であんたに抱かれたいんだもんっ!!」

 一体何を言っているのだろう?ぼろぼろと涙を流しながら、有利はまた成熟した性器をちいさな口の中に無理矢理収めていく。その様子は痛々しくさえあった。

「お湯につかると…なんだって?」
「女になっちゃうんだよっ!勝利が、そういう薬を手に入れて…俺を騙して、お風呂に入れたんだ。そしたら…お湯につかると女になる身体になっちゃったんだ」
「え…?」

 はむ…
 れぢゅ……

 懸命に舌と頬肉を使いながらコンラートを高めていく有利は、口から取り出した雄蕊の竿を舐めあげ、鈴口をぐちぐちと指先で弄りながら訴える。

「お願い…これで、俺を抱いて?ホントに俺のこと…男でも良いって言うんなら、抱いて?」

 そういうと、冷え切った身体を四つん這いにさせて双丘を晒すと、自ら蕾を露出させて内壁のサーモンピンクを見せつける。それはくらくらするくらいに愛欲を高めさせられる光景ではあったが、先程から澄み始めた意識はこのまま有利を抱くことに危険信号を発していた。

 本来の注意力を取り戻したコンラートの瞳には、有利の唇が紫ががっていることも、冷えたタイルに押しつけている指先が悴んでいることもはっきりと見て取れたのだ。何より…不安に苛まされて青ざめた顔が切なかった。こんな不安を抱かせてしまっていたのだ…。

 だから、浴室の扉を開けると大判のタオルを手にしてふわりと有利の身体に掛け、濡れた身体を拭き始めた。だが…それは有利の気にそぐわなかったらしい。

「嘘つき…っ!コンラッドの嘘つきぃい…っ!!やっぱり俺のこと抱けないじゃんかっ!!」

 可哀想なくらい叫びながら啜り泣く有利は、四肢をばたつかせて抵抗するけれども、断固とした頑なさでコンラートは水気を拭っていく。

「このままじゃあ、抱けない」
「…やっぱあんたも、勝利みたくコスプレとかした俺じゃないと可愛いって思わないの?猫耳メイドとかサンタとか…」
「それはそれで素敵だけど、そう言う事じゃないんだよ…」

 コンラートは泣きじゃくる有利の身体をすっぽりと腕の中に閉じこめると、冷え切った身体に何とか熱を取り戻させようと擦り、キスの雨を降らせていく。

 どうして気付かなかったのだろう?
 こんなにも愛おしい少年がコンラートの妄想じみた性欲を、切ないくらいの頑張りで受け止めていたことに…。

「今まで…何度も妄想してきた。君を万が一抱けるなんてことがあったら、必ず大切に抱こうと。とろとろに濡らして、気持ちの良いことだけを教えて、優しく優しく…生クリームの中で泳がせるみたいにして、全力で愛してあげようって…。なのに…」

 ぽろ…と、涙が頬を伝うのを見て有利がはっと目を見開く。
 その涙は、情けなさに流した涙だった。

「性別が変わっていただけで…少し、酔っていただけで…俺が君に気付かないなんて…」
「コン…ラッド…?」
「夢だと思って…あんな、SM紛いの酷い抱き方を…。君は、初めてだったのに…っ!」
「泣かないで?コンラッド…あ、あれは…俺がちゃんと言わなくて、あんたが酔ってるのにつけ込んだんだもん…」
「仕切治しを…させてくれる?」
「うん…」

 こくっと頷く有利の唇にキスをした。女の子の時よりも薄くて、その分引き締まった感触が爽やかな感動をもたらす。
 今度こそ…大切に抱きたい。

 たった一人愛したこの少年を、渋谷有利だと認識しながら抱きたいのだ。



*  *  * 




 コンラートの愛撫は、信じられないくらい甘いものになっていた。

 激しい嵐のように、何もかも奪い尽くすようだった初めてのセックスとは違って、丁寧に性感帯を探し出していく愛撫は、ゆっくりと潮が満ちるようにして快楽の水位を上げていく。

 重なり合ってお互いの性器を舐めしゃぶりながら、高まっていく欲情に有利は身悶えた。

 もう触れ合っているのはコンラートと有利の身体だけで、身を包むセクシャルな衣装も性具も、舐めるような視点から撮影していくカメラもない。
 それでも十分以上に興奮した。

「もう…挿れて…ぇ…」
「そんなはしたないことを教えてしまったのは、俺?」
「そうだよ。あんたがこういうの、気持ちいいって教えてくれたの。だから…ぁ…お願いぃ……。この硬くて太いので、ごりごり抉ってぇ…っ!」

 女の子の時のように、コンラートを思うだけでとろとろに性器が溶けてしまうと言うことはなかったが、その代わり、新たなGスポットを発見されてしまった。コンラートの長い指はたっぷりとオイルを絡めて蕾の中へと挿入され、肉壁の中から感じやすい粒を見つけ出してこりこりとまさぐられている。

 その度にイきたくてぴちぴちとベッドの上で跳ねてしまうのだが、花茎を丁寧に…でも、容赦なく感じさせていく唇は少しずつ頂点を逸らして行く。

「俺と繋がっている時に一番感じさせてあげたいんだ。お願い…もう少し、我慢して?その代わり…最高に感じさせてあげる」
「ぅ…うん……」
「良い子だ、ユーリ…愛してるよ?」
「お、俺も…っ!」

 ちぅ…っと雄蕊の先を啜れば、コンラートだって限界なのだと分かる。とろりとした先走りの中には白いものが滲み、ぽたぽたと舌に滴るものには苦みが増していく。
 教え込まれた、雄の匂いだ。  

『さっきはコレが、俺の顔とか胸とかにぶちまけられたんだよね?』

 雌芯の内腔にも妊娠しそうなほど注がれたのだが、あれは男性体になった今は一体どうなっているのだろう?吸収されて、自分の一部になっているのだろうか?

『コンラッドの赤ちゃんの素が、俺の一部に…』

 そんな風に考えると、胸がぽわっとするほど嬉しい。乙女的な発想なのかも知れないが、恋する心とはそういうものだろう。

『今度は…本当の身体で抱いて貰うんだ』

 女性体の時にもお尻には挿れられたけど、あれはコンラート自身も反省しているとおりあまりにも暴虐な抱き方だった。初体験で道具を使った二輪差しをされてしまうなど、AVと青少年の妄想の中にしかあるまい。

「ん…っ!」

 ぐぷ…っと三本挿入されていた指が、ゆっくりと引き抜かれてひくひくと蕾が蠢いてしまう。この身体では抱かれていない筈なのに、もう雄による陵辱を期待しているかのようだ。

「可愛い孔…。たっぷり注いであげたい」
「頂戴…いっぱい、俺のこと…染めちゃうくらい……」

 高揚した精神は、普段なら真っ赤になって照れてしまいそうな言葉も容易く口にさせてしまう。体勢を変えたコンラートに下肢を開かれても恥ずかしがって閉じることはなく、寧ろ積極的に蕾へと指を掛けてしまう。

「ここに…いっぱい…っ!」
「あげるよ。ユーリが大好きって気持ちを全部のせて…」

 正面からコンラートの雄蕊が迫ってくる。
 熱い先端が触れて、試すがめすぬるぬると蕾の入り口を掠めていくのは、いっそ残酷なくらいにもどかしい感触だった。
 
 有利の身体はもう、その猛り狂った肉棒が自分にどんな悦楽をもたらすかを知っている。

「もう焦らさないで…お願いぃ…っ!」
「ああ…」

 ず…ぷ…っ……。

 くぷりと先端を含まされただけで、圧迫感に腸が迫り上がる。けれど、苦鳴を噛み殺すと有利は下肢をコンラートの腰に絡みつかせた。もう逃がさないとでも言うように。

「コンラッド…コンラッド……っ」
「ユーリ…今度こそ、君を抱くよ…」

 ずぷぷ……と埋め込まれていく熱い楔が、有利の内腔をコンラートの形に変えてしまう。粘膜を直接擦られる感触は、まるでコンラートと一つのものに癒合していくようだ。

「ぁ…く……っ」
「息を詰めないで、吐いて…ほら、ユーリのおちんちん…今度こそ開放してあげるから」
「ひぅ…っ!」
   
 花茎に絡みついてくる指遣いはあまりにも巧みで、しかも燻らすように突き上げてくる刺激とも連動して有利を高めていく。

 ぐぷ…ぬぷぷ…。
 ずぷ…っ!ず…ぷぷ…っ!!

「あっ…ゃあ…っ!…ゃん……っ!」
「ユーリ…良いよ、イって?」
「はぁああん……っ!!」

 どぷ…っと二人の継ぎ目で開放された白濁が腹から胸にかけてビュル…っと溢れ出せば、眼窩に白い光が放散する。全身が甘い電流に浸されてびくびくと震えている最中、コンラートの突き上げを受けた身体は激しく反り返った。

「ぃや…っ!いま…そんな、しないでぇ…っ!」
「痛い?」
「ちが…こんな、気持ち…良すぎ……っ…」
「だったら…もっと感じて良いよ?」
「ゃ…だめぇ…っ!お、おかしくなっちゃうよ…っ!」
「なったりしたら、一生面倒見てあげる…。ううん、見せて?」

 甘く耳朶に囁かれて、また背筋がびくびくと跳ねる。
 それに、言われている内容にも引っかかるものがあった。

「おかしくならないと、俺のこと…貰ってくれないの?」
「…っ!」

 拗ねたような鼻声で囁けば、コンラートは喜悦に満ちた表情を浮かべ…含まされた楔が容積を増すのが分かった。

「ゃあ…っ!お尻の中で、大きく…っ!」
「そんな可愛いことをいわれては、俺のおちんちんだって我慢できないよ?ほら…ユーリが欲しい欲しいって言ってる」

 ずぷっ
 ずぷっ!!

 叩きつけるような音を立てて内腿に下腹が当たり、滑りの高まった雄蕊が容赦なく少年の肉筒を性器へと変えていく。
 そして…どぷりと到達の時を迎えた時には、大きすぎる快感に有利が噎び泣いてしまった。

「出てる…俺の中、あんたの…いっぱい…」
「たくさん呑んでね?」
「ぅん…」

 きゅうぅ…と搾り取るように収斂する肉壁にくすりと笑みを零しながら、コンラートは身を重ねていって深いキスをした。まるで上と下とで結びつこうというように舌を濃厚に絡みつかせれば、溢れる唾液が華奢な顎を伝う。
 涙を零しながらとろりと濡れた瞳は、すっかりコンラートの愛撫に溺れているようだった。

「一生…君を抱いていたい」
「俺…も……」

 伸ばされた指を捕らえて口腔内に導き入れ、唾液が滴るほどに舌を絡めて爪の甘皮に牙を立てる。ぞく…っと震える左手の薬指を根本まで含み込むと、少し強めに噛み痕を付けていった。少しずつ…角度と位置を変えてくるりと一蹴させれば、濡れた指の付け根には紅色の輪ができていた。

「今はこれが精一杯だけど…正式に申し込む時には素敵な指輪を用意するよ」
「え…?」
「ユーリ…どうか、俺の妻になって?」
「それって…マジで?」
「ああ、ご両親の怒りは甘んじて受けるけど、もう…こうなったら君を一日だって離してはいられない。明日、すぐにでもお家に訪問させて頂いて、ご両親を説得するよ。その…君がよければ、だけど」

 少し先走ってしまったのが恥ずかしいのか、ぽりぽりと頬を掻いて照れている。確かに、有利側に覚悟が無ければ通らぬ話だ。

 さて、有利側覚悟はと言えば…。

「当たり前だろ…っ!そんなの…俺、嫌なはずない…っ!!」

 ぽろぽろと瞳から涙を溢れさせてコンラートに抱きついていた。またしても、繋がってることを失念しての行為ではあったが…。

「ユーリ…っ!」

 叫ぶが早いか…先程放ったばかりだというのに、コンラートの雄蕊が目に見えて角度と硬度を高めて有利の内腔を圧迫してくる。すっかり感じやすくなっている身体は、反応するようにして花茎を半ば勃ちにさせた。

「ぁ…っあ、コンラッド…っ!おっきぃ……ん…っ」

 《止められぬ》とでも言いたげに、ずぷずぷと抜き差しされる繋ぎ目から淫らな水音と雄の香りが充満し、瞬く間に体勢が入れ替えられる。高ぶる気持ちを抑えきれないのか、コンラートが有利を後背位にして抱え上げたのだ。いわゆる、駅弁の体勢である。

「やぁあ…っ!深…いぃい〜っ!!」

 自重で含み込まされた肉棒は深く肉筒を抉り、誰も知らない最奥の秘密を暴いていく。清廉な少年の身体がどこまで貪欲にこの男を求めているのか知られてしまう…。

「ユーリ…ああ、気持ちいいよ…ユーリぃ…っ!」
「ぁんっ…ぁん…っ!」

 律動的に上下されるたびにぷるんと花茎が揺れ、触れられてもいないのに先端から先走りを迸らせる。
 ちらりと視線を向けた先では…壁付けにされた姿見に、大きく下肢を開いて貫かれる生々しい姿があった。

『ぅわ…っ!』

 思わず顔が真っ赤になるが、もう行為を止めさせることは出来ない。
 視覚的な刺激さえ快感に変えてしまった身体はびくびくと震え、最奥に熱い白濁をぶちまけられた瞬間…有利の花茎も頂点を迎えた。

 びゅる……っ!
 び…びぅ…っ!!

 紅色の花茎先端から勢いよく放たれる白濁は、見事な弧を描いて虚空を舞った。
 






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