「筋肉天使★グリ江ちゃん」番外編

〜「突撃★コンラッド隊長」@〜









 今朝方から、ウェラー卿コンラートは妙な気配を感じていた。
 おそらくは手練れの間諜だろう。刺客にしては殺気は感じられないので、何らかの《情報》を得ようとしているのだと思われる。
 
『燻し出すか』

 監視の目的は分からないが、可能な限り動揺を誘ってあぶり出すことが望ましい。
 
 そう判断したコンラートは、趣味と実益を兼ねた変態行為を繰り広げていくうち、気配の主に気付いた。

『…………ヨザか』

 危険な者ではないので安堵はしたものの…一体何を考えているのかと呆れる反面、どうせなら見せつけるように…行けるところまで艶っぽい展開にしてみたくなった。

 お子ちゃまな有利はいつまでたってもコンラートの想いに気付くことはなく、分かっていない有利にギリギリの悪戯を繰り返すという距離感は楽しくもあり…少々もどかしくもある。

 ヨザックを引きずり出し、しかも有利にそうと気付かせぬまま悪戯を仕掛けることが出来るか…思いがけぬ遊技に、コンラートの黒っぽいハートは淫靡な震えを呈するのだった。

 

*  *  * 




「あ…ユーリ、ここかな?」
「え…えっ!?」

 天井の騒ぎに気を取られていた有利は、不意にスカートの間に頭を突っ込んできた護衛にびくりと震えた。

 自分で引き上げていたスカートの裾野から、跪いた男の肩が覗いている。

『嘘…っ!?』

 虫が下着に入っているらしいと知って恐慌状態になっていた有利は、忠実な臣下に下着をまさぐられて喉を引きつらせた。

 武人らしい大ぶりな手…けれど、その骨格に高貴さを滲ませる指が、女物の下着の上から…よりにもよって、有利の花茎を弄っているのだ。

 かぁぁぁああ………っ!

 頭の天辺まで駆け上がっていく血流に、目の奥が真っ赤に染まりそうだ。

「うそ…ゃ……そ、そんなトコ……っ」
「動かないで、ユーリ…刺すと毒がある虫ですから…」
「ゃ…や……っ」

 そんな事を言いながら花茎をまさぐられれば、もともと小さすぎる下着の中でむくむくと若い性器は硬度を増し、次第に薄い布地を突き上げて、びぃん…っとそそりたち始めた。

『う…ぅぅうう……恥ずかしいよう……っ』

 至近距離で虫を捜しているコンラートの息が掛かり、有利に比べると少し冷たい指が滑らかな内腿を掠めていく…。

 じゅん…っと濡れだした先端が、下着に布地に染み込んで行くのが分かる。
 きっと、コンラートの目にもはっきりと見て取れるくらいの痴態であろうに…優しい名付け親は気付かぬ素振りで淡々と虫を捜してくれた。

 その時…有利は花茎の付け根…マシュマロのような小袋との境目辺りに刺すような痛みを感じて悲鳴を上げた。

「やっ!」
「く…しまった!」

 コンラートはその場所から何かを掴み出すと床に叩きつけ、軍靴の下でぐしゃりと押しつぶしてくれたのだが…有利は毒虫に刺された場所からじんじんと広がっていく奇妙な感覚に喘いだ。

「ゃ…毒…が……」

 身体に力が入らない。
 甘く痺れたような身体を立たせ続けることも出来なくなって、有利はがくがくと膝を震わせる。

「すみません…ユーリ。すぐに吸い出します!」
「吸い…え?」

 有利の身体はぽぅんと寝台に横たえられると、信じられないくらい大きく開かれた下肢の間にコンラートが顔を埋めて、薄く形良い唇を下着の横から添えてきたかと思うと…刺されたと思しきその場所を、痛いほどに吸い上げてきた。

「ゃあ…痛ぁい……っ」
「ゴメンね…痛かったら泣いてもいいよ?でも、この虫の毒は抜いておかないと…ユーリが淫乱になってしまうからね」

 涙交じりの声に、詫びるように声が重なる。
 
「イン…ラン……?」

 恥ずかしさと痛みでひっくひっくとしゃくり上げる有利は、告げられた言葉の意味を捉えた途端に別の熱さに身体を支配されてしまう。

『インラン…って……俺、エロくなっちゃうの?』

 それに…コンラートは毒を吸い出すと言うが、それも危険を伴うのではないだろうか?
 メイド服フェチとはいえど、それ以外では優しくて…軍人としても優秀なコンラートが淫獣と化してしまうなんて、そんな申し訳ないことをさせるわけにはいかない。

「や…止め……コンラッドに…毒……うつっちゃ……」
「心配してくれるの?大丈夫。ユーリと違って鍛えていますからね。それより…ユーリは女性とやったこともないでしょう?淫乱になったからといって、手当たり次第に好きでもない女性を床に引き込むような悪行も出来ないでしょうから、可能な限り毒を吸い出しておかないと…」
「あんたは…引き込むの?」

 途端に、状況も忘れてむっとしてしまう。
 何やら腰の奥で煽り立ててくるような熱とは別に、どろどろとした感情が蜷局を巻いていくのが分かる…。

「ユーリ?」
「俺の毒…あんたが代わりに受けたら、誰かすぐにエッチしてくれる人がいるの?」
「いませんよ。俺の好きな人は…簡単に床へと引き込めるような方ではありませんから…」
「嘘…あんたがひとこと《好きだよ》…なんて囁いたらイチコロなんじゃないの?」
「そうでしょうか?」
「そうだよ…」

 少しコンラートがその気になったのを察して、涙が込み上げてきた。
 
『なんだよ…誰かに、言うのかよ?《好きだよ》…て。《今すぐ寝てくれ》って…』

 柔らかくて細くて良い匂いがする誰かが、悦びの歓声を上げるのが想像できて…悔しさに涙が溢れてくる。

「ユーリ…どうして泣いているの?」
「俺…独りでなんとかするから…も、行ってよ…好きな人のトコに……。幾ら名付け親で護衛だからってさ、エッチになる虫に刺された奴の看病までしなくて良いよ。好きな人に悪いだろ?」
「好きな人に、告白をしても良いの?」
「良いよ…良いから…行って!」
「では……言わせて頂きますね?」

 コンラートの大きな掌が有利の頬を捉え…煌めく銀の光彩を載せた瞳が熱い視線を送ってくる。


「好きです…あなたを、誰よりも愛しています…」
「嘘…」

 ぽかんと口を開けて頬を染めたものの、有利はぐぐっと眦を上げて顔を震った。

「嘘…嘘だ!そんな嘘ついちゃ駄目だよ!」
「何故嘘だと?勇気を出して告白したのに…信じては下さらないのですか?」
「だって…俺が勃起してんの見て、《あーこりゃもう助からない、インランになっちゃった》と思って、助けなくちゃっと思ったんだろ?同情で愛の告白まですんなよ!」
「困ったな…どうやったら信じてくれますか?」
「あんたが俺に勃ったら信じるよ!」
「そう?」

 コンラートはきしりと音を立てて寝台に乗り上げてくると、仰向けになった有利の顔の上で…あろうことか、前立てをくつろげて…腹を打たんばかりに成育した雄蕊を取りだして見せたのだった。

「う…そ……」
「ほら…あなたを思って、こんなに濡れていますよ?」
「毒が……」
「そんなに量を吸い出したわけではありません。俺を煽ったのは…あなたの痴態ですよ?」
「そう…なの……?」

 コンラートはそんなとんでもない恰好をしているくせに、やけに綺麗な笑顔を浮かべると…逆に有利へと尋ねてきた。

「ね…ユーリは、俺のこと…嫌ですか?」
「え?」
「好きでもない女性を引き込むくらいなら、俺を引き込んでみませんか?あなたへの愛なら、そこらの女性に負けるつもりはありませんよ?」
「そ…れは……」

 有利は真っ赤に染まった頬を自分の手で包み込み…恥じらいきった眼差しを天井側の男に送った。

「俺と…寝てくれる?」
「はい、喜んで」

 

*  *  *




 えらい展開になったものだ。

 コンラートは現在、寝台の上で仰向けになった有利の上に、互い違いに乗り上げる形で俯いている。
 いわゆる、シックスナインの体位だ。

 コンラートは自分で仕掛けた罠が予想以上の効果を上げたことに狂喜しながら、高貴な主の口元へと、己の屹立を突きつけた。

「これ…く、口に入れたら良い?」
「もう濡れているからしょっぱいと思いますよ?それに…生々しくて気持ちが悪いようなら、竿の部分に手を添えているだけで良いです」

 優しく声を掛けながら、コンラートの方は一切の躊躇いも交えずに、下着からぷるりと抜き出した花茎を愛おしげに唇の中に招き入れた。

「くぅん……っ」

 仔犬のような声を上げて、びくりと有利の腰が跳ね上がる。
 コンラート拘りの品々…美しいレースで作られたガーターベルトや、絹の下着の間に映えるピンク色の肉は、ほわほわとした兎毛の間にぴょこりと立ち上がって、先端に透明な雫を浮かべている。

『舐めて?』

 …そうおねだりしているような花茎へと舌を這わせれば、ぷるんとした若々しい果実がコンラートの口内に楽しい感触を与える。

 むにむに…ぐにぐにと初めて味わう感触を味わっていれば、有利の方も意を決したようにコンラートのそれを口に含んだのが分かった。
 
「大丈夫?」
「ん…平気……思ったより、先っちょはむにってして可愛いかも…」
「おや…毒が効いてしまったんですかね?俺のが可愛いと表現出来てしまうなんて…。ここで受け止めるのも、案外平気かも知れませんね?」
「ひぁっ!」

 ちいさな下着を強引に引っ張り上げて、双丘の谷間へと布地を食い込ませれば…きゅっと窄む蕾にコンラートの意図が嫌と言うほど伝わってくる。

「お…お尻に入れんの?」
「気持ちよくしてあげますから…良い子で我慢してね?」
「んー…っ!」

 既に先走りで濡れそぼる下着は透き通って蕾の襞まで見て取れる。つぷつぷと入り口を布越しに弄ってやれば、きゅ…っと恥ずかしげに窄むそこが如何にも艶かしい…。

 下着の隙間からつぷ…っと先端だけ含ませてやるが、流石に狭いそこはいやいやをするようにきつく締めあげてきた。

『少し…緩ませてあげないといけないな?』

 虫型の人形に仕込んだ媚薬はごくごく効果の薄いもので、多少高揚感を感じる程度のものだ。
 有利が激しく嫌悪を示すようなら途中で悪戯を止めようと思っていたからなのだが…こうなると、自然に蕾を綻ばせるような系統を使っても良かったかもしれない。

「ん…くぅ……ん……っ!」

『おっと…』

 有利は自分の花茎が限界に近いせいか、先を強請るようにコンラートの雄蕊を銜え込んでいく。
 お世辞にも上手とはいえないながらも、一生懸命な感じがなんとも愛らしい。

 ちらりと視線を送れば、あぐあぐと精一杯口を開けて男のモノを銜え込む姿に、征服欲を充足されてコンラートはほくそ笑んだ。

『困ったな…あんまり可愛いものだから、どんどん苛めてあげたくなってしまう…』

 つんっと花茎の先を突けば、とろみを帯びた雫が堪えきれないように溢れ出していく。ふるりと震える茎も辛そうで、《毒》という名の媚薬に煽られた幼い肢体が、限界に近いのだと知らせていた。
 
「ユーリ、お願いしても良いかな?」
「な…に……?」

 銀色の粘液が雄蕊と唇とで繋がってしまうのを恥ずかしげに指で切ると、有利は不安げに瞳を潤ませた。
 有利としては最早限界で、何かお願いがあるのなら一発抜いてからにしてくれ!…と言いたいのだろう。

「折角メイド服を着てくれているので…それらしい演技をして貰えると、俺の愛撫にも力が入ると思うんです」
「……っ!」

 怒るかな…?とも思ったが、有利はふるる…っと迷うように頚を振ったものの、小さく囁いた。

「うん…。どうしたら…良い?」
「では…」

 飛び上がって喜びたいのをぐっと押さえ、コンラートは平静な顔をして仕込みを始めた。



*  *  *




「ご主人様…紅茶のお味は如何ですか?」
「うん、美味しいよ」

 椅子に腰掛けたコンラートは優雅にティーカップを持ち、その横でトレイを両手持ちしている有利は、頬を薔薇色に染めている他は(素晴らしく愛らしいという点を除けば)ごく普通のメイドさんのように見える。
 
 けれど、これはメイドプレイの内…。
 このまま進むはずもない。

「だけど…俺はミルクをお願いしたんだけどな。忘れてしまった?」
「あ…申し訳ございません…っ!」
「では、すぐに出してくれる?君の絞りたてのミルクを呑ませて欲しいな」
「はい……」

 ことん…とテーブルの上にトレイを置くと、有利はおずおずとスカートの裾を捲し上げ…下着を押し上げて到達寸前となった花茎を《主》の前に捧げて見せた。

「ご主人様…どうぞユーリのミルクを…お召し上がり下さい……」

 つっかえつっかえ囁くが…それも恥ずかしさのためというよりは、到達を防がれている苦しさのせいかもしれない。
 有利の花茎の付け根には、細いリボンが絡みついて残酷に尿道を締めあげているのだ。

 ぱんぱんに膨れあがったピンク色の肉は、少し押しただけでぱちんと弾けてしまいそうな膨らみを帯びている。

「ああ、美味しそうだ。でも…そのままでは、俺が屈まなくてはならないな。テーブルに、載ってくれる?」
「はい…ご主人様」

 ひくりと喉を奮わせながら、目尻に涙を浮かべて有利はテーブルに手を突く。
 けれど、甘い痺れに襲われて動けない身体を、そこは流石にコンラートが抱え上げてテーブルに載せてしまう。

「うん…良い高さだ」
「ご主人様…あ……溢れそうです。早く…俺の、絞ってください……」

 涙混じりの哀願に合わせて花茎までが震えるから、コンラートはくすりと苦笑して下着の紐を引っ張ると…するりと濡れそぼった下着を脱がせた。

「おや…びしょびしょだ。随分と零してしまったみたいだね?」
「申し訳ありません…ご主人様…」
「ユーリはこんなに可愛いのにね。随分とはしたないんだな…」
「いやらしいメイドは…嫌い?」
「いいや、大好きだよ…」

 純白のテーブルクロスの上に下着を置くと、コンラートはやっと膨れあがった花茎を口の中に納め、ぬるぬると濡れた口内で思うさま感じやすい肉を嬲り、マシュマロのような袋をふにふにと掌の中で転がしながら弄り続ける。

「ご主人様…ご主人様ぁ……っ。いやらしいユーリのチンコから…ミルクしぼってぇ…っ!」

 羞恥を越える甘い苦痛に、有利はとうとうぼろぼろと大粒の涙を零して泣きじゃくった。 

「本当に淫乱になったね…ユーリ。なんて可愛いんだろう?」

 強く亀頭部分を吸い上げながら、潰してしまう手前までマシュマロを握り込んだ瞬間…勢いよくリボンを引き抜けば、どぅ…っどぅ…と勢いよく迸る白濁が、数回に分けてコンラートの口内を打った。

「ゃあんっ!」

 過ぎた快感に有利の腰が跳ねた瞬間…まだ放出を続けていた花茎がぱぅん…っとコンラートの口内から躍り出てしまった。

 びしゅ…びゅ……っっ

「はぁ…あ……」

 びくびくと震えながら到達した有利は当分の間茫洋と瞳の焦点を失っていたが…漸く快感の頂点から引き戻されると、白濁に端正な顔を汚した《主》に蒼白になってしまう。

「あ…お、俺……っ」
「躾がなってないメイドさんだね…」

 とろりと頬を汚す白濁を拭いながら…凄絶な艶笑を浮かべるコンラートに、有利は恐怖と愛情の入り交じった声音をあげる。

「ご、ゴメ…あ…申し訳ありません、ご主人様…っ!」
「駄目…お仕置きだよ?」
「え……?」
「俺に向けてお尻を出して、四つん這いになってごらん?」
「……っ!」

 有利は真っ赤になったものの…白濁を手の甲で拭いながら、悪魔のように艶かしく微笑する男に逆らえない。
 取り憑かれたように身を震わせると、ゆっくりとテーブルの上で回ってお尻を突き出した。

 する…っと上げられていくスカートの影から、まろやかなラインを描く双丘が出てくると、水蜜桃を思わせるその膨らみが、コンラートの手によってぱかりと押し広げられる…。

「ユーリはまだ、ここで俺のを飲んだ事がないから、馴染んでないんだよね?」
「はい…まだ、頂いてません……」

 つぷ…っと指先を入れれば、先程到達したせいか多少は解れた感があるものの…やはりきつく締めあげてくる。

 一度指を抜くと、ほっとしたように有利の声が漏れるが、コンラートがポケットから取りだしたものを押し当てればびくりと背筋が震える。

「な…なに!?」
「傷薬の一種だよ。少し、ここが緩むから力を抜いていて?」
「は……い……」

 力を抜いて…とは言われても、無理なのはコンラートも分かっている。
 有利の蕾に押し当てられたのはちいさな卵形の固まりで、くぷ…っと含まされた途端に粘膜の熱さに触れたせいか、とろりと蕩けて谷間を伝い、ふにりとしたマシュマロにピンク色の滴りを零していく…。

 これは比較的強い媚薬効果を持つ《ラブエッグ》…。体腔内の熱で溶けていき、有利の身体を一層淫猥に変えてくれるはずだ。

 さあ…効果がどう有利を変えていくのか…。

 コンラートは魔王を犯す悪魔として、この上なく美しい微笑を浮かべるのだった。



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