「大賢者様救急救命措置」−1

※お正月特別企画…ということで、深く考えないで下さい。
傍迷惑ながら、「蒼いきりん」の圭様に捧げます★
村田が相変わらず酷い人です。





   
 
 
 新春を言祝ぐ眞魔国を、突然の悲報が劈(つんざ)いた。

『双黒の大賢者危篤』

 その報に、大賢者の親友である魔王陛下はいち早く眞王廟に駆けつけた。

「ウルリーケ…!村田が倒れたって本当!?」
「おお…陛下、宰相閣下、ウェラー卿…っ!」

 ウルリーケはおろおろと涙を零さんばかりにして狼狽えている。
 有利が少女(余裕で800歳越えらしいが)の肩を宥めるように撫でさすると、そこにヨザックも駆けつけてきた。

「猊下の御容態はどうなってるんです!?」

 任務先で知らせを聞いたのか、珍しく肩で息をしていた。ここまで駆け通しに駆けてきたらしい。

「それが…大変申し上げ難い事なのですが……」
「そ…そんなに具合が悪いの!?」
「どのようなご病気なのかも分からないのか?」

 一気に捲し立てるヨザックとグウェンダルに、ウルリーケはますます狼狽えてしまう。

「いえ…御病態も治療法も分かってはいるのです。ですが…」
「治療法が分かってんのか。じゃあ問題ないじゃん」

 ほぅ〜っと有利は胸を撫で下ろすが、ウルリーケの表情は相変わらず晴れない。

「それが…その治療法が問題なのです。私…猊下に伺ったのですけれど、とても実施できるとは思えず…」
「そんなに難しいの?火鼠の衣とか蓬莱山の至宝とか持って来なきゃいけないの?」
「いえ…今、ここにおられるご一同で全て賄えます。実は猊下は性質の悪い淫魔に取り憑かれているのですが、その淫魔の欲望を充足させる事が出来れば《たちどころに容態は回復する》と仰るのです。ご…ご協力頂けますでしょうか?」

 頬を真っ赤に染めたウルリーケに対して、有利はザザーっと血の気を引かせていた。
 有利は村田の親友だが、この親友がとんでもない《エロ気質》である事も重々承知しているのだ。

「大変申し訳ないのだが、ウルリーケ…それは、仮病という可能性はないのか?」

 コンラートが疑うのも仕方のないところだろう。今までの経験が経験なのだから…。
 だが、ウルリーケは《それはありません》と言い切った。仮病で40度の高熱は出ないし、魔力の強いウルリーケがはっきりと淫魔の存在を認めているのだから間違いないのだそうだ。

「私も…猊下にお言葉を賜ったときには絶望の地平線が見えましたわ!こ…こんな治療…《とても純情可憐な陛下には無理ですっ!》と申し上げたのですが…そのせいで、余計に容態が悪くなってしまわれたのです。無理を承知でお願いです、陛下…っ!猊下をお救い下さい…っ!」
「ウルリーケ…具体的には何をしろというのだ?淫魔の欲望を満たすなど…想像もつかぬ」

 この面子の中で、実は一番肉体的には《純情可憐》なのではないかと思われるグウェンダルが、困れ果てたように愁眉を深めている。

 そう…これまで罠に掛かったとはいえ4Pを実体験済みの有利とは異なり、グウェンダルはこれまで極真っ当なセックスしか体験した事がないはずである。

「ま…待ってウルリーケ!グウェンだけは無事に帰してあげてっ!可哀想だよっ!!」
「何を言っているのだユーリ。眞魔国の要衝であられる猊下をお救いするのに、この私が臆するとでも思っているのか?」
「ええ、猊下も《僕がこれまで見た事のない光景でないと、淫魔も退散しないと思うんだ…》と仰いますので、是非とも宰相閣下のご協力は仰ぎたく…」
「…ということだ、覚悟を決めろ」

 《いや、あんたが気の毒だから言ってるのにっ!》…と、流石の有利も少々むっとしてしまう。

「ぐ…グウェン…後で後悔したって知らないからなっ!」
「ふ…馬鹿を言うな。事務畑が長く続いているとはいえ、この私も武人…。一度した約束は違えぬ。なに…淫魔などすぐに満足させてくれよう」

 グウェンダルは大きく出た。
 自分で自分の言葉を後悔するのは、すぐ後の事である…。



*  *  *

 


「良く来たね…みんな」

 《はぁ…はぁ…》と、荒い息を吐いて紅い顔をした村田は…既に大変な事になっていた。
 あどけなさを残した少年の肢体は淫靡な漆黒のボンテージに包まれており、股間には魔動で動く大きな張り型が埋め込まれて蠢き続けている。

 ビスチェによって寄せてあげられた胸は淡く隆起している。その先端と花茎とは自分の指で弄り続けたのか既に真っ赤に腫れ上がっていて、少し触れただけで《ぁあんっ!》という鋭い嬌声が響く。
 
「げ…猊下…っ!?」

 グウェンダルは早速、顔を青ざめさせているが…今更逃げられようはずもない。

「良く来たね、フォンヴォルテール卿…君の忠誠心に感謝するよ」
「…っ!」

 しどけなく立ち上がった村田はグウェンダルに凭れ掛かると、すかさずその太く逞しい頚を甘噛みし、紅く染まった耳朶を舌先で弄る。耳孔の中にちいさな舌がつるりと入ってきたときには、グウェンダルは完全な涙目になっていた。
 しかも、するる…っと体幹に添わせて身体を下げると、素早く前立てをくつろげて立派な雄蕊を取り出すと、既に半ば勃ちになっていたものを口腔内に含み込もうとする。

 その動作に、グウェンダルは小娘のように悲鳴を上げるとしゃがみ込んで村田の行為を阻止しようとする。
 股間を上着で押さえて顔を真っ赤にしたグウェンダルというのは…結構目に痛い代物だ。

「げ…猊下…こ、これは如何に言っても破廉恥なぁあ…っ!」
「破廉恥かぁ…良いねぇ。そういう純情なタイプを弄るのが一番楽しいんだよね。味見させて貰った君の蜜も…随分と美味しかったしね。ふふ…お口いっぱいに注いで欲しいな。出来れば、上の口にも下の口にも…」

 くすくすと淫蕩な嗤いを見せつけながら、村田は紅い舌をねっとりと形良い唇に這わせていく。

「村田ーっ!や、止めてあげてぇえっ!…つか、お前マジで死にかけてんの!?」

 追い詰められた仔犬のような目をしてグウェンダルが助けを請うから、有利は間に割り込むようにして救いの手を差し伸べようとする。
 だが…村田がにやりと嗤って細い指を股間に絡めてくると、ヅクン…っと痛みすら感じさせる悦楽が奔るのに慄然とした。

「え…っ!?ゃ…何か…」
「そろそろ感じやすくなってるんじゃない?ウルリーケに頼んで、強力な媚薬を全員に飲んで貰ってるからねぇ…」
「えーっっ!?」
「頼むよ、渋谷…。ほら、僕の熱…分かるだろう?」

 確かに、こつんと当てられた額は火を噴くようであり、火照った頬を押し当てられれば熱さと苦しそうな息づかいに胸が塞がれた。そんな事をされると、やはり人の良い有利の事…村田がどうしても心配になってしまう。

「村田…苦しい?」
「うん…苦しいよぅ…渋谷。たすけて?」
「ん…っ」

 甘えるようにしなだれ掛かる村田は、飢えた人のように有利の唇を渇望すると、口腔内に攻め入った舌を縦横無尽に蠢かせる。巧みな舌遣いはコンラートのそれとはまた違った、小悪魔的な快楽を与えてくれた。見る間に有利の息は上がり、漆黒の瞳はとろんとして快感を追いかけそうになってしまう。

「んん…っん…っ」
「んー…ヨザックは良い子だねぇ…」

 有利へと熱情的なキスをする間にも、ヨザックは素早く村田の股間に陣取り、膝立ちの姿勢で美味しそうに花茎を舐めあげ、ちゅぶちゅぶと淫らな水音を立てて高めていく。既に幾度も放出した痕があるから到達は至難の業のようだが、それでも村田は心地よさそうに啼き声を上げた。

「ぁん…良いよ…ヨザックぅ〜…っ」

 びくびくと震える一方で、村田はグウェンダルとコンラートには不満げに横目を投げかけた。

「ちょっと…折角僕を助けに来てくれたんなら、やる事があるでしょ?」
「は…っ!そ、それは…」

 少々ハードルの高過ぎる試練に、兄弟はどちらからともなく目線を交わした。
 ここに来た事を心底後悔しているに違いない。
 
「ああ…もう死んじゃう〜…こんな淫火に燃やされ続けたら、幾ら僕でも身体の方が参っちゃうよ…」

 それは確かにそうかも知れない。
 有利は危機感を高めると、泣きそうな声で村田に問いかけた。

「お…俺、どうしたら良いかな?」
「うん…ありがとう、渋谷…じゃあ…フォンヴォルテール卿にフェラチオしてよ」
「う…ご、ゴメンね…グウェン…」
「……致し方ない……」

 苦い物を飲み下すようにしてグウェンダルが喉を上下させると、容赦ない村田のおねだりは続いた。
 饗宴の幕が今、眞王廟の一室で開こうとしている…。

 

*  *  * 




「ん…む……っ」
「渋谷、お口がお留守だよ?」
「ん…んんっ…だってぇ…っ」

 有利は四つん這いになって、寝台に横たわるヨザックには花茎をしゃぶられ、寝台の横に位置したコンラートには蕾の入り口をたっぷりとシロップのようなもので濡らされて、ぐちゅぐちゅと音を立てて嬲られている。そして村田に叱られた口はと言うと、グウェンダルの巨根を銜えさせられているのだ。

『何という事だ…』

 可愛らしい口が、信じられないくらいの技巧をみせてグウェンダルの男根を高めていく。グウェンダルは今日まで知らなかったのだが、この色事など何も知らなさそうな魔王陛下は次男とこういう意味でも愛し合っているそうで、毎夜のように抱かれているらしい。

 色事に長けた次男に手解きを受けたせいか、幼いながらもその愛撫はなかなかのものだ。《こんな子どもに…》と思うのに、堪えきれずに声が上擦ってしまう。

「グウェンの…おっきぃ…」

 あどけない声にズクンと下腹の奥に快感が奔り、危うく有利の顔に白濁をぶちまけるところであった。

 グウェンダルはいつもの軍服を脱ぎ、半裸の状態で雄蕊をしゃぶられ続けている。更には村田が小袋を弄ったり、暖めたシロップを逞しい胸板全体に塗りつけてマッサージしたり、尖りを甘噛みするものだから堪らない。
 
「もっと奥まで銜えてあげなよ…ほら、フォンヴォルテール卿ももっと佳い声を聞かせて?渋谷のちっちゃなお口に含み込まれて、臣下としては恐悦至極だろう?」
「く…っ」

 有利が思い切って喉奥まで雄蕊迎えると、ぬる…ぬるっと滑る粘膜に甘い悲鳴が上がり、村田に陰嚢を甘噛みされると…グウェンダルは堪えきれずに白濁を放ってしまった。
 ごぶ…っと溢れる液体は有利の口には収まりきらず、華奢な顎を辿って垂れていく…。

『う…っ』

 申し訳ない事をしてしまったと思うのに、涙を滲ませた美貌に散る白濁は、グウェンダル自身自覚していなかった淫欲の存在を浮き出す事になる。

『何という、艶めいた貌をするのだ…っ!』

 コンラートと肉体関係をも持つ恋人同士だと聞いたときには半信半疑であったが、この様子ではさぞかし匂い立つような夜を過ごしている事だろう。そのような想像が頭蓋内を満たすと、グウェンダルの顔にも母譲りの淫蕩な表情が浮かんでしまう。 

「うん、色っぽくて佳いお顔だよ、フォンヴォルテール卿…。渋谷もよく頑張って、宰相殿のおちんちん慰められたね?」

 村田は満足そうに微笑むが、その視線がある一角を掠めると少々不満げな顔になる。

「あ…そうだ。ウェラー卿はちょっと非協力的過ぎやしない?」
「え…?」

 ぎくりとコンラートが肩をふるわせる。
 珍しく琥珀色の瞳が潤んでいるのは、さしもの彼にも媚薬が効いている証拠だろう。だが、恋人を交えた乱交である為に、理性を手放したらどんな事になるのか分からないという恐怖感で、強く自制心を発揮しているに違いない。

「ね…おちんちん見せてよ?随分涼しい顔してるけど…そっちは平静で居るのか気になるなぁ…」
「……失礼します」

 《はぁ…》と熱い息を吐いてコンラートがかちゃりと留め金を外すと、下着の中から引き出した雄蕊は既に限界近くまで高ぶっており、腹を打つばかりに隆起していた。きっちりと着こんだ軍服の中で、淫部だけが露わになっているというのも

「ふふん…大した自制心だよね。そこまでなってても平気な顔してるんだもん…。でも、その顔が何処まで保つのか気になるなぁ…」
「村田…お願いっ!俺…頑張るからコンラッドをあんまり苛めないで?」
「苛めたりはしないよ…。こんなに限界近いおちんちんを放置する方が可哀想だろう?」
「…っ!」

 ぐりゅ…っと鈴口を指先で押しつぶせば、限界近くまで膨れあがった紅色の鬼頭が震え、声にならない悲鳴が上がる。

「ゃ…駄目…止めて、村田っ!」
「ねぇ…優しい兄君、弟君のおちんちんをしゃぶって、性欲処理のお手伝いをしてみてくれない?」
「…っ!そ、そのように背徳的な…っ!」

 ぎくりとグウェンダルが震えると、有利も血相を変える。そうだ…幾ら村田を救う為とはいえ、目の前で近親相姦など見せつけられては心が壊れてしまうだろう。

「猊下…どうか、それだけはお許し願いたい…っ!」

 コンラートも蒼白になってしまう。
 幾ら大賢者の命に関わると言われても出来る事と出来ない事がある。

「ふぅん…どうしても駄目?」
「う…うんっ!駄目っ!それだけは王様命令で駄目っ!」
「それじゃあ、代わりに渋谷が頑張ってくれる?」
「うんっ!」

 勢いで頷くと、村田はくすりと微笑んで寝台の脇に置かれた小さな箪笥から、カタン…っと乾いた音を立てて不思議な形状をした張り型を出した。それは、男根が二つ繋がったような形状をしているのである。

「これで、ウェラー卿と繋がって見せてよ」
「……っ!でも、コンラッドは後ろ…開発したことないよね?」
「だったら、君が初めての男になればいいじゃない?」
「えーっ!?」
「嫌ならヨザックにやらせるよ?ただねぇ…ヨザックの場合、嬉しすぎておちんちんの方を入れないとは限らないけどね」
「やらせて頂きます…」

 平身低頭して、有利はお願いする事になってしまった。

 

*  *  * 




「コンラッド…痛くない?」
「ん、平…気っ」

 あえやかな声が漏れると、大きく開かれた下肢の間でびくりと雄蕊が震える。だが、有利が愛撫を加えているのはそちらではない。もっと下の…未踏の地である菊華を散らしているのである。とろりとしたシロップを纏わせた指で念入りに解されたそこはしっとりと潤み、細い指に肉粒を弄られる事で今までにない悦楽を感じるようになっていた。

『しまった…気持ちが良いとか思ってしまっている…』

 有利が相手だからまだ耐えられるが、横合いから虎視眈々と隙を狙っているヨザック辺りが突っ込んできた日には、翌日の追跡劇が大変な事になってしまう。
 あの男に喘がされた日には、自分で自分が許せない。

「ん…コンラッド…」

 有利も普段とは違う表情で仰け反るコンラートに興奮しているのだろうか?とろりと潤んだ瞳で見上げると、様子を伺うように雄蕊を唇に含んできた。
 
「んむ…ん…っ」

 大胆に喉奥まで含みこむと、懸命に舌を使って大きすぎる雄蕊を高める有利は、菊華の奥を指で犯しながら盛んに頭を上下させる。自然と上がってしまう尻を村田に捕まれても、集中していた有利はすぐには逃げられない。

「んーっっ!!」
「猊下っ!」

 先程までに指でしっかりと解していたとはいえ、油断していたところにいきなり張り型を突き込まれては堪らない。雄蕊を口腔内に含んだまま悲鳴を上げると、激しく双丘を振り乱して藻掻くが、それが余計な快感となって有利を犯していく。

「ん…っ…んっっ!!」

 ぐぷ…ずぷぷぷっ!

 長い砲身は全てを含み込めるような長さではない。よく見ると、それは先程見せつけられた双刃の張り型であった。

「さあ…ウェラー卿。渋谷にしっかり解して貰ったんだから、今度は自分で乗って御覧よ?渋谷に犯して貰うんだ…光栄だろう?」
「…っ!」

 ヨザックと村田が半ば強引に有利を仰向けにすれば、左右から大きく開かれた下肢の間に可愛らしい花茎と、隆とそびえ立つ張り型とが二本の陰茎のように《勃起》している。腰を大きく持ち上げられているために、下の口で銜えた張り型部分が天井を向いているのだ。
 信じられないほど淫らな姿に、コンラートの思考はくらりと熔けそうになってしまう。

「コンラッド…来てぇ…」

 村田に巧みな手淫で張り型を操作されながら、理性を手放し始めた有利は淫靡にとろけた表情でコンラートを誘った。
 断る事など…出来ようはずがない。

「ユーリ……んっ…」

 自ら、後ろを犯されるために腰を降ろしていく…。
 それも、複数の目に視姦されながら…だ。

「ふふ…良い格好、ウェラー卿…」
「隊長、色っぽいですよぅ」

 《煩い!》と言ってやりたいが、迂闊に口を開くと嬌声が上がってしまいそうで出来ない。
 これまで、抱いた相手がいつも《死んじゃう》なんて言いながら悶えているのを漠然と《気持ちよさそうだな…》とは思っていたが、コンラート自身も肉筒でこんな快感を得られるタイプだとは思わなかった。

『ぅ…くぅん…っ』

 幼獣じみた声を必死で食い止めながら腰を降ろせば、自重で飲み込む張り型が感じやすい肉粒を掠めていく。

『繋がっている…こんな形で、ユーリと…』

 見下ろせば…コンラートの動きに刺激されて快楽に酔う有利が、自ら胸の桜粒を慰めながら啜り泣いている。

「ユーリ…っ!」

 ずっぷりと最奥まで銜え込めば、つん…っと硬く凝った胸の粒をヨザックに囓られてしまった。

「ヨザ…貴様…っ!」
「当初の趣旨を忘れちゃ駄目でしょう…?猊下をお救いするのが俺たちの目的なんだからぁ…」
「それは…そうだが…っ!…ぁんっ」

 注意が逸れていた雄蕊に鋭い快感を感じて目線を降ろせば…なんと言う事だろう?村田は見慣れない道具をコンラートの鈴口に押しつけている。柔らかな樹脂でできた…細い棒の様な物だ。少し凸凹があるそれをゆっくりと尿道に埋め込まれれれば、巧みに蠢かされる感覚がえも言えぬ悦楽を奔らせる。

 だが…生理的な恐怖は拭いようもない。

「ああ…っ!猊下…お、許し下さい…っ!」
「ふぅん…流石のウェラー卿も尿道責めは苦手?気持ちいいのになぁ…」
「ふぅ…っ!あ…だからって…ゆ、ユーリにも…しないで下さい…っ!!」
「やーっ!!」

 コンラートから抜いた物がゆっくりと有利に埋め込まれていくと、こちらも啜り泣くような声を上げて身を捩り、それがコンラートと繋がった張り型を蠢かせて互いの快感を高めてしまう。

「あ…ぁ…っ…ゃあっ!ゃああ…っ!イきたいよぉ…村…やめぇ…お願、やめてぇえ…っ!」

 ひっくひっくと泣きじゃっくりが止まらない有利をずぶずぶと棒で犯す村田を、コンラートは堪えきれずに掴んでしまう。過ぎた快感は苦痛に等しい。有利を開放してくれと懇願するしかなかった。

「お願いです…猊下!どうか…もう、ユーリをいかせてあげてください…っ!」
「じゃあ、おちんちんしゃぶるの…お兄さんに頼んでも良い?」
「それで構いませんから…お願いです!」
「…だそうだよ、フォンヴォルテール卿。自分のを高めるより、陛下のおちんちんを慰めてあげて?ウェラー卿との近親相姦ってのが一番萌えるんだけど…流石に渋谷が可哀想だもんね」

 グウェンダルは隠れて自分の雄蕊を弄り続けていたのを見咎められると、カ…っと頬に朱を散らせてからのっそりと獣のように動いた。
 


*  *  *

 


『これを…舐めるのか、私が?』

 自分の股間についている物と同じ生殖器の筈だが、愛らしいユーリのそれは慎ましやかで綺麗なピンク色をしている。陰毛もふわふわとした兎のような毛が恥骨の上縁に淡く生えている程度だから、陰嚢やぐっぷりと張り型を銜えた蕾までが同系色のグラデーションとして目の前にある。

『美味しそうだ…』

 そんな感想を抱くグウェンダルは、この信じがたい性の饗宴の中で狂ってしまったのだろうか?誘われるように唇を寄せれば、びくんと震えた有利が身を捩り、大きく開いた下肢がコンラートのそれと絡み合う。

 しなやかな二人の下肢は互い違いに交差してシーツを乱し、狭苦しい空間に入り込んだグウェンダルは甘やかな嬌声に惹かれながら口淫に耽った。

「ぅ…くっ」

 堪えて…そして、時折漏れるコンラートの声もぞくぞくするほどに艶やかで、グウェンダルは仕えるべき王の股間をしゃぶりながら、片手で自分を慰めていた。
 弟はというと、こちらはやる気満々の部下が執拗なほどの愛撫を加えているから、技量の面でも声を殺すのが困難なのだろう。

「ああ…良いよ。とても良いよみんな…。もう少し…あと少しで、淫魔が充足しそうだ」

 ヨザックに肉筒を犯されながら嬌声を上げる村田は、寝台に横たわりながら余すところなく全員の狂態を目に収めている。

『こ…これでもまだだというのか!?』

 その強欲な淫欲は本当に淫魔の為なのだろうか?
 やる気満々すぎる村田の様子に、グウェンダルは大賢者様の如何ともしがたい性癖を疑った。

「ん…ぁっ…イく…イ…っちゃうぅ…っ!」
「良いよ、渋谷…フォンヴォルテール卿の口の中にたっぷりと蜜をはき出すと良い…。ウェラー卿も遠慮しないで?ヨザックの口に出しても僕は嫉妬したりしないからね」

 命じておいて遠慮も糞もないものだ。
 そうは思いながらも、有利の限界を感じてグウェンダルの舌遣いは激しさを増していく。

 ぬじゅ…
 ぐち…っ!

 有利とコンラートが互いに腰を使い合って、張り型の継ぎ目がぬとぬととした液体を絡めながら出たり入ってりしているのも、グウェンダルを否応なく高めていく…。
 
「ん…っ…ぁああ…っ!」

 どぷ…っ!
 びゅ…ぴゅぐっ!

 数回に分けて口腔内に白濁が放たれ、繋がった二人は同時に達したらしい事が分かる。びくびくと若鮎のように反り返る二人は目尻から生理的な涙を流し、口角からは涎を垂らして舌先をひくつかせた表情からは、普段の凛とした印象は伺えない。

 まさに、淫獣と呼ぶに相応しい姿だ。

「フォンヴォルテール卿…ヨザック…折角の性欲の証だ…。たっぷりと、君たちの陛下をデコレーションするのに使ってよ?」

 促されるままグウェンダルとヨザックは立ち上がり、互いに繋がって悦楽を貪り合う恋人達に照準を合わせ、自身の砲身を磨き続ける。

 ふらりと立ち上がった村田も同じように構えたとき…三人はほぼ同時に繋がった二人へと白濁を吐き出した。

 どく…
 ど…ろ……

「はぁ…あ……」

 本来は清廉な顔立ちをした王と腹心の騎士とは…共に顔面へと男の精を放たれ、淫靡な熱に浮かされたまま気を放っていた…。




 

 

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