「大賢者様の野望」B 『渋谷ってさぁ、パイパン似合うと思わない?』 村田の発言に、当初ヨザックが同意することは出来なかった。 似合わないという強い主張があったわけではなく、単に用語を知らなかった為だ。 《狭義では陰毛が生えていない女性器の意味であり、広義では故意に陰毛を剃り上げた性器も含む》…という解説を加えられたときも、積極的には同意しなかった。 ヨザック的には毛深くても結構平気なので、脇毛がもっさりしている女でも平気で抱ける。ましてや、基本的に産毛主体の有利など剃らなくてもつるつる同然だと思っている。 それに…力強く協調路線を採ると、何かさせられそうな気もして怖い。 コンラートの目を盗んでこっそり剃毛…等ということを命令され、実行に移せば、数日後に水底で小蟹に喰われる運命は回避しがたいだろう。 この度、夢空間の中でのこととはいえ、件の光景を目の当たりにすることになろうとは予想だにしなかった。 流石は双黒の大賢者様と言うべきか…策は抜かりなしである。 「う…ぅう……っ……」 でも、やっぱりなんだか魔王陛下が可哀想で胸がちくちくと痛む。 泣きじゃくる少年(乳付き)の上半身をがっしりと捕らえて、胸を揉みしだきながら言うことでもないと分かってはいるが…。 『萌えちゃうのも、確かにあるんだけど…』 ただ、微妙にヨザックが求めるものと違うのも事実なのだ。 羞恥で啼かせるのはいいけれど、屈辱で泣かせるのはやっぱり嫌だ。 しょり… しょり…… 慎重な手つきで剃毛しているのは素朴な顔つきのうさぎさん達だ。 無害極まりない顔をして、ヨザックよりも主人に絶対服従している彼らは、生クリームをたっぷりと塗りつけた有利の毛を根方から丁寧にそり落としていく…。 しかし、一部分だけ剃りにくい場所があるようだ。 「ご主人様、こんなにおちんちんが勃っていては剃れません」 「おや、困ったね。渋谷の可愛いちんこに傷でも入ったら大事だしね」 「可愛い…言うなぁ…っ!」 しゃくり上げながらも気丈に睨み付ければ、村田は小気味良さそうに友人を眺める。 「可愛いさ。そんなに泣いてるくせにちゃんと萎えもせずに勃ってるんだからね」 村田がにまにましていると、うさぎさん達は興味深げにふるふると雫をこぼす花茎に見惚れて言った。 「ご主人様、おちんちん…おいしそうですね」 「食べてみる?」 「……っ!?」 信じられない言葉に有利が震えると、固定されて逃げられない秘部にぱくりとうさぎの口が寄せられる。 「んー…ゃあ…っ!」 あえやかな嬌声が堪えきれずに漏れると、有利の身体が精神とは裏腹な快楽に酔っていることが知れる。 いっそ、理性もとろとろに溶かされてしまえば楽だろうに。 じゅぶ…ぶ… ずず…ぷ…りゅ……っ 激しい律動を加えてうさぎさんの口淫が続くと、みだらな水音が部屋中に響き、有利がうさぎさんに何をされているかがコンラートにも伝わってしまう。 「く…っ!」 悔しげに噛みしめた唇から紅い筋が伝うのが、凄絶なまでの色香を立ち上らせるのを村田が満足げに見守った。 ヨザックはそれを幾らか複雑な心境で見やり、腕の中の有利が煽られていく様も観察してしまう。 『うさぎさんたら害のなさそうな顔してなかなかテクニシャン…。それに、縫いぐるみ風のくせに口の中だけはぬるぬるした女の孔みてぇになってやがる』 これではさんざん煽られた花茎など一溜まりもないだろう。 ヨザックの予想に従うように、否応なしに高まる有利の性感は豊満な乳房にまで達し、ふにりとしていた桜粒は硬く痼って張りつめてきた。 「お、感じちゃってますねえ…。このままうさぎさんのお口に出しちゃうかな?」 「やだぁ…やだぁぁ…っ!こ、コンラッド…コンラッドぉお…っ!」 縋り付くような悲鳴にズキ…っと胸が痛むものだから、思わずうさぎさんの頭を押さえてしまった。 「ヨザック…どうして邪魔をするのかな?」 「え…?いやぁ…ハハ。折角だし、そっちの男前にやらした方が楽しいかなー、なんて」 「ふぅん…。まあ、確かにね。だけど、次に僕の意図に反したら…君にもお仕置きだよ?」 「はぁ〜い」 よい子のお返事をして意外としつこく舐り続けるうさぎさんを引き剥がすと、別のうさぎさん達に連行されたコンラートが有利の下肢の間に陣取ることになった。 「すみません…ユーリ。やはりアニシナの道具にあなたを巻き込むべきではなかった…!」 「大…丈夫……。それより、俺が恥ずかしいこと言ったり…エッチなことされても、許してくれる?」 何をされるかよりもコンラートにどう思われるかの方が心配らしい有利の健気さに打たれて、ヨザックの胸の痛みは狭心症に近い領域に達してきた。 そろそろ心筋の一部が壊死して心筋梗塞になりそうだ。 しかし…村田の血の色は何色なのだろう? 平気の平左という顔をした彼は、清らかな騎士面をしたコンラートが面白くないのか、跪かせた彼の股間に手を伸ばすと繊細な指先を沿わせてニヤリと笑った。 「へぇ…そういう綺麗事を口にする割には、随分と良い反応をしてるじゃない?」 くすくすと笑みを漏らしながら手早く革ベルトを引き抜いてズボンの前立てを緩めると、勢いよく飛び出した雄蕊にしなやかな指を絡めていく。 「く…っ」 「良いねぇ…その押し殺した表情!」 しゅ…しゅっと商売女よりも巧みな手淫を施されて、既に硬度を増していた雄蕊が先走りの液を零していく。 「恋人の痴態で煽られたのかな?僕が触れるよりも先に反応してただろ?」 「ユーリの嬌声やあえやかな姿を見て、勃たない訳がないだろう…っ!」 もはや敬語を使う気もなくなったのか、コンラートは猛々しく言い捨てると獣のような眼光で村田を睨め付けるのだった。 「ふふ、佳い眼をするねぇ…。僕にイかされるのはそんなに不本意?」 「当たり前だ…!」 「じゃあ、恋人にしてもらおうか?」 コンラートを拘束する鎖が村田の一声で反応すると、じゃらりと音を立てて天井方向に引き上げられ、彼のしなやかな身体を半ば宙吊りにしてしまう。 「く…ぅ……っ」 勢いよく引き上げられた腕が痛みを訴えたのか、流石に一瞬息が詰まったようだ。 滅多に苦痛を示さないコンラートの声に、有利の瞳から涙が溢れ出る。 「コンラッドに酷いコトしないで…っ!」 「しないしない。今から君に良いコトして貰うだけだよ。ね…君、恋人のこれ舐めてイかせてあげなよ」 「…っ!」 村田とヨザックが見守る中での行為に、有利の頬が真っ赤に染まってしまう。 以前にも彼らの前でやったことはあるのだが、あの時は媚薬の効果で意識も半ば朧だったのだ。今も苺に何かの効果があったのか身体は熱いが、精神の方は通常に機能しているから羞恥も倍増だ。 「僕の目の前でイかせてることができたら、この男の鎖は外してあげる」 「…本当?」 「嘘はつかないよ」 「ユーリ…!無理は…」 コンラートが止めようとするが、有利はき…っと眼差しを強くして村田を睨んだ。 「絶対守れよ…!」 「ああ…」 村田がこくりと頷くと、有利は不自由な身体を精一杯に伸ばしてコンラートの雄蕊にちゅ…っとキスをした。 大切なものに、親愛の情を込めて…。 この行為をなすことが、彼に対してだけは屈辱も羞恥も感じないのだと知らせる…それは宣言のようであった。 『潔いねぇ…』 可憐で泣き虫な魔王様。 だけど、コンラートに対するその想いは鮮やかで、ヨザックのような男でも流石に頭が下がってしまう。 『そういうトコ…大好きですよ』 「ぁむ……っ」 「ん……っ…はぁ…」 ちょっぴり殊勝なことを考えていたヨザックだったが…目の前で悶える元上司の《ちょっとあんたその色気は一体?》…な肢体についつい眼がカマボコ状になってしまう。 『うっわ…その色っぽさ、犯罪ですよ…っ』 拘束された手首を天井から鎖で繋がれ、露わになった雄蕊を舐め上げられて身を捩るコンラートは、相手が有利ということもあってどうしても無碍には出来ないのか…あえやかな吐息を漏らして眦を紅に染める。 感じていることを、明確に示してしまう…。 白ワインに濡れたシャツは引き締まった筋肉と共に、上気した白皙の肌をもヨザックの前に晒してしてしまうし…浅く上下する胸で、硬く痼るちいさな桜粒も誘惑するように(←都合の良い勘違い)視界を掠める。 「旨そう…」 カリ…っときつめに歯を立てたら、《ん…っ!》という魅惑的な声音が漏れ、《うっわ、やったー》等と素直に喜んだ次の瞬間… どぅ…っと吹き寄せる凍気に全身が氷結しそうになった。 「…良い度胸だ……」 怖くて顔が上げられない。 きっと多分絶対、元上官はアルノルドにいたときよりも恐ろしい形相で自分を見ている。 「こんりゃっど…痛ひ?」 自分が怒られたのかと思ったのだろうか。 有利は雄蕊を銜えたまま上目づかいに…不安げな双瞳を向けるものだから、コンラートもヨザックもめろりと萌え死にそうになってしまう。 『あんたどんだけ可愛いんですか…っ!』 思わず有利のブラジャーを外してぽろりと胸の膨らみを露出させると、その辺にあったクリームを絡めてむにる…むにゅると揉み込んでしまう。 「ゃうん…っ!」 「感じやすいねぇ…ほら、乳首なんてぴんぴんに勃って…」 「んーっ!」 ヨザックの悪戯な指が乳輪ごと大きく乳首を摘むと、軽い痛みを感じるほどに引っ張り…有利に悲鳴を上げさせる。 「うん、本当に可愛い。ほら…ここなんて、限界だろ?一度イかせてあげるよ」 「ゃあ…っ!」 雄蕊を銜えたままで胸をまさぐられ、同時に花茎へと指を絡められてはもう堪えることは出来ない。 しかも、しつこい性質らしいうさぎさんがすかさず陰唇に口を寄せ、牧歌的な顔立ちからは想像も出来ないような愛撫でぬりゅぬりゅと舌を絡めてきたのだ。 有利はきゅうっと口腔内の陰圧を高めることでコンラートの開放を促してしまい、愛する男の白濁を顔と胸とで受け止めることになった。 上気した頬とふくよかな胸とに白い液体が散る様は、コンラートの眼差しをも惹きつけずにはいられなかった。 「ぁあん…〜〜っ!」 どく…ど… びゅぐ……っ 焦らされ続けて漸く開放された花茎は若い性を爆発させ、数回にわたって射出される蜜をうさぎさんがすかさずミルクピッチャーに受け止める。 そして花茎がくたりとしたのを見計らって、手早く付け根部分の恥毛も剃り上げてしまうと、スパークリングワインをかけてしゅわしゅわと洗い流した。 「ああ…やっぱり可愛い!つるつる〜…」 村田が実に嬉しそうな声を上げて、ふかふかのタオルで恥部を拭くと…子どものようにされてしまった陰部が隠すことも出来ずに桜色の色彩を晒す。 細い指でぷにりと毛があった場所を押されれば、白濁で汚れた有利の頬に新たな涙が零れていく。 しかし、村田は念願のパイパンを前に浮き立つ心を隠せない様子だ。 「ご主人様、どうぞ…」 「うん、うさぎさん…グッジョブだね」 水色のピッチャーにたっぷりと白濁が注がれているのを視認すると、村田はにっこりと嗤ってそれを指に絡めた。 そして、その指をつるりと花茎の後部…秘められた蜜壷に忍び込ませると、勝手知ったる図々しさで好き放題掻き回すのだった。 「自分の精液で妊娠したりしてね。君の子どもだったら欲しいなぁ…」 「何…言って……っ!」 ぐちゅ… ぐぷぷ…っ 肉壁の奥の感じやすい部分を執拗に責められて、有利は身も世もなく身悶えしてしまう。 もう身体を支えていられなくなったのを見て取ると、村田はうさぎさん達に目配せして寝台を運び込み、ふわふわのお布団の上に押し倒した有利の恥部を思うさま嘗め回した。 仰臥位になる前に後ろ手の革ベルトは外されたものの、すかさず拘束具でM字型に固定された下肢は、逃げることも出来ずに恥ずかしい場所を全開で晒すことになる。 「やぁあ…っ!や…村田…っ!止めてぇ…おかしく、なっちゃ…ぁ…っ!」 次々に有利の身体にはうさぎさん達が駆け寄り、桜色の胸の粒や花茎の先端を弄り回すから堪ったものではない。 濡れた粘膜が至る所で巧みな吸飲とざらついた舌を絡めてくると、すぐに次の欲望を滾らせた有利は、尽きせぬ羞恥にもかかわらず勃起してしまう。 「定番の台詞も君の口から出るとイイなぁ…」 「馬鹿…やだぁ…っ」 「ご主人様…俺も、たまんなくなってきました…!」 花茎を銜えてにやついていた村田にむしゃぶりついたヨザックは、逞しい膂力を見せつけるように、荒々しく禁欲的な長衣を襟元から引き裂き…ぽろりと飛び出した胸に蜂蜜色のシロップのようなものを絡めて荒々しく揉みしだいた。 引き裂かれた黒衣の中からぬめるような白い肌が露出する様は、何とも淫猥な光景だ。 「うちの犬は随分と躾がなってないね…。しょうがないなぁ」 そうは言いつつも、与えられる快楽も大好きな村田のこと…性急に花茎を擦り上げられ、シロップで蜜壷を濡らし(必要ないくらいに既に濡れていたのだが)、つぶぶ…と音を立てて逞しい雄蕊に貫かれると満足げな嬌声を上げた。 「ぁあん…、ん…イイ……ヨザ…ぁあ、そこぉ…っ!」 村田が心地よさそうな嬌声を上げ始めると、ヨザックはすかさずうさぎさん達に頼み事をした。 「うさぎさん達、そっちの男も開放しちゃってよ」 「ちょ…勝手な……っ」 止めようとする村田に、ヨザックは慌てて腰の律動を激しいものに変えていく。 「まあまあ、この子が犯られてるのを見ながらイくのもオツなもんじゃありませんか?」 「そりゃ、まぁ……っ」 まだ苛め足りなかったのか、幾分不満げなものの…後背位で下肢を大きく広げられてヨザックの雄蕊を後宮に銜えたまま、うさぎさんのフェラチオを受け、更に蜜壷へと太い飴細工を突き込まれては抵抗できなくなった。 ぐぶ…ずゅ…っと淫らな音をたてて蜜を零す肢体が、欲望に燃え尽くされていくと、流石の村田も可愛い声を上げてしまった。 「あん…ぁあ…い、イっちゃう…っ!ヨザ…ぁん…激しい……っ!」 「まだまだでしょう?ご主人様…」 痕がつくほどに細い襟足へと噛みつくと、ヨザックは一層激しく…獣のような勢いで村田を突き上げた。 『お詫びになんてなりませんけど…夢が覚めるまでの数時間、お互いに楽しみましょうや』 そう、心に呟きながら。 * * * 一方、漸く開放されたコンラートも有利を放っておけるはずがない。 うさぎ達に降ろされると、急いで有利の拘束具を外した。 可哀想なほど嬲られた身体はどこを触っても感じやすく、喘ぐように震える身体にコンラートの眦に涙が滲む。 しかし…朦朧とした意識の中で伸ばされた手は、そっとコンラートの手首をさすった。 「コンラッド…手首、大丈夫?痛くない?」 「俺の心配など…なさらないで下さい…っ!」 コンラートには珍しい泣きそうな表情に、有利は胸を締め付けられてぽろりと涙を零した。 「俺なら…平気だよ?何だよこんなの。ただの夢じゃん?それに…あんたが相手なら、俺…今から楽しんじゃうぜ?」 「あなたは…本当にお強い!」 感嘆の眼差しを受けながら誇らしげに有利が微笑むと、膨らんだ胸にコンラートの精悍な頬が埋められる。 「あなたに、包み込まれるみたいです…」 「うー…、コンラッドってばやっぱりおっぱい星人?」 唇を尖らせる有利に、コンラートが苦笑する。 「そんな星に生まれた覚えはありませんね。あなたの存在そのものが俺を包み込んでくれるんですよ」 「ぁう〜…俺の方こそ、そーだぜ?」 《愛おしくって堪らない》と言いたげに力一杯コンラートを抱き寄せると、感じやすくなった胸がじくん…っと甘い刺激を伝えてくる。 「ねぇ…ちゅう…っと、吸ってみて?」 「ええ…」 どきどきしながらお願いすると、形良いコンラートの唇が桜粒を含んだ途端…満ち足りた幸福感が有利の胸をいっぱいに満たした。 舌を絡めたり…白い歯を立てられたりすれば、その感覚は一層強いものになる。 「好き…大好きだよ、コンラッド…」 「愛してます…ユーリ……」 狂乱するような性交は確かに信じられないような快感を産むけれど、互いの間を幸せななにかで満たすようにして触れあうことは、もっと好き。 暫くの間、互いの存在を確かめるように抱きしめ合っていた二人だったが、有利の身体の方はまだ開放しきらない欲望を思い出したのか、もじもじとお尻を捩りだすと…全て分かっているかのようにコンラートの指がスカートの中に忍び込んだ。 「あ…コンラッド…っ!」 「いいですか?ユーリ…」 とろとろに濡れそぼる蜜壷に硬い剣胼胝が触れると、びくん…っと感じやすいそこが震え、くちゅりと粘性の音が響く。 「うん…。そこ、コンラッドでいっぱいにして?」 「嬉しい…っ」 「ぁん…っ!」 かしりと首筋に歯を立てられ、有利が可愛らしい嬌声を上げたとき…背後から忍び寄ってきたちいさな影が、ぺろりとスカートを捲った。 |