第三章 \.紡がれる絆






 

 なんにもない。
 なにもおこらない。

 だから、なんにも感じない。

 感じるってなんだっけ?
 なにかを、感じてたことがあったっけ?

 あったような、なかったような…。

 ……よく、分かんない。
 思い出せない。
 
 そんな感じが、ずぅっと続いてた。 


 なのに、きゅうにぐらんぐらんと周りが動き出して、ぽぉん…っと放り出された。


 なんだろう!?
 えらくまぶしい…!
 ひどくうるさいっ!

 叫び声がひびき合って、あらっぽく振り回されて…なんだか分からないうちに、とても怖いものに捕まりそうになった。
 にょろろっと伸びて来る、ぞわぞわするくらい怖いものだ。

 怖くて怖くて…逃げ出した。


 どこか、逃げるところはないかな?
 だれか、助けてくれるひとはいないかな?


 そしたら、とっても遠いけど強い光をだしてるひとがいるのに気がついて、ぶぅんぶぅううんと飛んでみた。
 
 どぉん…っと勢いよく飛び込んだら、そこははじめて見るところだった。
 あたたかくて、どうしてだか懐かしいような感じがする…。

 そう思ったとたんに、入り込んだ場所がもこもこと変化を始めた。


 なんだろう?…どんどん増えていく。


 そうしたら、まわりにいた何かが荒っぽくぶつかってきて…どんどんどんどん、ひどくぶつかってくるようになった。

 入り込んだ場所がもこもこ増えたから、怒ったのかな?
 でも、そんなにゴンゴンぶつかることないのに!

 むう…っと腹が立って、ぶつかってきた奴を突き飛ばしたら、ざわ…っとまわりの気配が変わった。
 本腰入れてどうにかしようと思ったみたいに、突き飛ばしても突き飛ばしても次々に飛びかかって来る。

 腹が立つやらかなしいやら…むしゃくしゃした気持ちが高まったところに、大きな声が響いてきた。



『殺してやる…っ!!』



 なんだろう…意味は分からないけど、とても怖い。
 もっとぐしゃぐしゃにされるのかな?

 案の定、さっきまでとは比べものにならないくらいに強い力がぎゅーっと押し寄せてきて苦しくなってきた。

 むかむかした気持ちがいっぱいにふくれあがってきて、弾けそうになった。

 《ばーんっ!》…と、多分…あとすこしでも長く押しつぶされていたら、きっと弾けていたろう。



 だけど、そうはならなかった。



 急に…すごく元気な何かが、自分をぎゅうぎゅうしめあげてた連中をしかってくれて、そして……とってもやさしく、ふぅんわりとつつみこんできたんだ。


『落ち着いて?』
『大丈夫…俺が、護ってあげるね』
『だから、ここにいて良いんだよ…』


 そんなふうに言われたのは初めてだった。

 だって、ずっとずっと狭いところに押し込められて、《なんでだ…》《畜生…》とか、自分がいることが悪いことみたいに言われてた。

 向けられる思いはいつだって、《がっかり》した感じだった。
 《がっかり》されていることに、こっちだって《がっかり》していた。

 だから、自分はこういう思いだけを向けられる《もの》なんだと思ってた。

 なのに…このひとはどうして、こんなにあったかく包んでくれるんだろう?

『ここにいても良いよ』
『お前がここにいてくれることが、とってもしあわせだよ?』
『よくがんばったね。壊れないで…俺に辿り着けて良かったね』


 ほわ〜としてくるこの感じはなんだろう?


 こんなの、初めてだ!
 もぞもぞしてふわふわして…そんで、えへ〜…っとした感じ。


 これが、《しあわせ》っていう感じ?


『しあわせだよ…』


 ふわぁ…っと、あかるい光がいっぱいにひろがった。

 うきうきして、ぴょんぴょん跳ねたいような気持ちになった。
 そうしたら…さっきやりかけたことが急にこわくなった。

 さっき、ゴンゴンされて哀しくて、《はじけ》そうになった。
 そうなってたら、きっとこのひともひどく痛い思いをしたにちがいない。

 こんなにしあわせをくれるひとに、ひどいことをするとこだった。


 《ごめんなさい》

 
 それは、初めてわき出してきた気持ちだった。
 こんなひとにひどいことをしようとしてごめんなさい。
 ひどいことをしなくて、本当によかった…。

 そのやさしいひとは、たくさんやさしくされてるひとでもあるみたいだった。
 だって、とてもやさしい気持ちをもったひとが包み込むみたいに触れているもの。

『ユーリ…ユーリ…』
『どうか…痛みが少しでも減りますように…!』
『その痛みを、全て俺が担えたら良いのに…!』

 泣いてるみたいな声はとても辛そうなのに、とてもやさしそうだった。
 そうか、だいじなひとがしあわせになってほしいのに、そうじゃない時にはこんなに苦しいって…無くしてしまうことがこわいって思うこともあるんだ。

 それは、今までとはぜんぜん違う《苦しい》と《こわい》だった。     
 それでも、それは気持ち悪いものじゃなかった。

 根っこの所に《たいせつ》とか《しあわせ》とかいうあったかいものが、ふくふくとあふれ出すくらいにあるからだ。

『もう、おやすみ…?疲れたろう?』

 やさしいひとは、そう声をかけてくれた。
 だから…とろりと眠気のままにやすむことにした。


 《ありがとう》…こんなやさしい気持とあたたかさをくれて、ありがとう…。


 そう思いながら、とろとろと眠りについた…。



*  *  * 


 

「ユーリ、良い夢でも見ていたのですか?」
「ん…そうみたい」

 笑顔を浮かべて心地よい起床を果たした有利に、コンラッドは優しく声を掛けた。

『うん…随分と顔色も良いな』

 ほぅ…っと安堵の息を吐くと、良いタイミングで蒸しておいたタオルを頬に宛って丁寧に拭く。コンラッドはこういう作業が大好きなのだが、完全に目が醒めてしまうと《子どもじゃないんだから!》と抵抗されてしまうので、寝ぼけ眼の隙を狙ってやってしまうのだ。

 やったもん勝ちである。

「今日はどこ行こっかな〜」

 着替えながら《んふふー》と、有利も上機嫌だ。 

 少女の身体に変化してから数日が経過した現在、体調の方は至って順調であり日中は目深にフードを被って街にお忍びにも出ている。
 いつかは《禁忌の箱》破壊のための旅路に出なくてはならないのだろうが、まだまだそのような連絡もないので、コンラッドと共に気楽な毎日を過ごしている。

「そーいえば、村田やレオはどうしてんだろうな?最近来ないよなぁ…忙しいのかな?」

 蒼い短衣にくるぶし丈のズボンを組み合わせた有利は、首筋のラインをコンラッドに直して貰いながら、ふと友人達のことを思い出していた。

「寂しいですか?」
「うん…それにさ、俺ばっかのうのうと遊ばせて貰って何か悪いよなぁ…。世界を救いに来たのにバカンス状態みたいな…」

『向こうはそんなこと、全く思っていないでしょうけどねぇ…』

 コンラッドの方にはコンラートの苦悩がよく分かる分、有利の微笑ましい発言には苦笑してしまう。

 だが、彼はこれで良いのだ。
 自分に降りかかった苦難を《大したこと》だとは思っていないことを、素のままで周囲に示してくれることが、おそらく何よりの励ましになるはずなのだから…。

「彼らには、彼らにしかできない仕事があるんでしょう。ユーリにとっては、今は英気を養うことが仕事であるようにね」
「旨いもの食べて遊ぶのが仕事かー」
「後で嫌ってほど働かされますよ。特に国元に帰ってからはね。そうだ…ユーリはチキューに戻ったら学校の勉強があるのでは?」
「何て事を思い出させるんだよ…」

 有利の顔色が一気に悪くなった。

「すみません…それは帰る直前で良いですよね?」
「ねー?」

 珍しく子どものようにあどけない返事を寄越しつつ、有利は廊下に続く扉に走った。

「転ばないで下さいねー」
「子どもみたいに言うなよ!」

 朗らかに笑いながら有利が駆けていく。その様子を見守ることが、コンラッドにとってはこの上ない幸せであった。
 
『無事に、帰り着かねば…』

 帰ったら帰ったで、複雑な事由による妊娠を抱えた有利は周囲への対応に苦慮することになるはずだ。その時、精神と肉体の両面に於いてコンラッドは有利を支えてあげたい。

 至上の宝珠たる彼を護れる位置にいること自体が、コンラッドにとってはこの上ない幸福なのだと改めて感じ入るのだった…。



*  *  *




 一方血盟城の執務室には、有利達のように朗らかな気配が漂う隙はなかった。


『全てを、俺はユーリに担わせている…っ!』


 コンラートにとって、《獅子王》と呼ばれる身がこんなにも皮肉に感じることはない。
 大切な者一人護ることの出来ないこの身が、何故《獅子王》等と名乗れるものかと…。

 有利が倒れてからもコンラートが政務に支障を来すことはなかったが、ふと業務の合間に僅かな空隙が生じると、心臓を鷲づかみにされるような痛みに悶絶した。

 かつてコンラートは魂を地球に運ぶことなく、アーダルベルトの手に委ねた時…言賜巫女ウルリーケとの間で問答をした。その時の言葉が…情景が、戒めのように容赦なくコンラートに襲いかかってくるのだ。



『では…あなたは、この先に起こることを背負う勇気がありますか?』
『背負います。少なくとも…俺が選んだ故の結末だけは』
『あなたはいつか知るでしょう…その結末を。その時、運命の重さに背を拉(ひし)がれませんように!』

 

 これが…その結末なのか?

『俺が背負うだけで済めば良かったのに…!』

 最も大切に想う者が、世界の崩壊を食い止めることと魂救済の両面を担うことになろうとは…っ!

『ジュリア…君の遺志に従っていれば、こんなことにはならなかったのだろうか?』

 彼女なりに精一杯の想いを込めて…可能な限り全ての手を尽くして二人の男を救おうとしたスザナ・ジュリア。
 彼女の英明さの一欠片でも自分にあったのなら、こんな事態を招くことはなかったのだろうか?

『…ジュリア、俺は君の期待に応えることが出来なかった…。だが…今更《赦してくれ》と懇願することもできない…』

 スザナ・ジュリアへの疑念が強い尊敬へと昇華された分、その差額分は否応なしにコンラート自身への失望へと結びついてしまった。
 
『あんなちいさな身体に…何と大きな負債を担わせてしまったのだろう?』

 子どもを産むなんて…。
 そもそも、そのような身体ではなかった者が突然異物を宿して、どうして正気でいられるのだろうか?
 
 子を産むように構築された女性ですら、強姦によって宿された子には徹底的な拒絶を示す者もいると聞く…。

『それを、まだ18年しか生きていない《少年》のユーリが受け入れるなんて…!』

 この時、コンラートには有利の決断が彼の信条に基づくものであると思いこんでいた。

 《赤子は尊い存在。宿した者はどんな理由があれ、決して殺してはならない》…そのように信じているから、たとえ拒絶を心で感じていたとしても受け入れざるを得なかったのだと…。

『あんなやさしい子が…そのやさしさゆえに我が身を犠牲にするなんて…!』

 氾濫する想いによって錯乱しないためには、心を殺してしまうほか無かった。
 氷のような無表情の中に苦鳴を押し込めてコンラートは仕事に没頭していった。



 そうやって…十貴族会議の開催に必要な諸準備に追われている間は良かった。
 だが今、コンラートがこなさなくてはならない仕事は終わってしまった。

『…怖い』

 やるべき仕事が一時的とはいえなくなってしまうと、言いようのない無力感と絶望に苛まれてしまう。
 自分の愚かしさと無能が許し難いものに感じられて、凍てついた世界の中に唯一人取り残されているような孤独を感じるのだ。


「コンラート…!」


 響きの良い低音が耳朶に注がれて、大ぶりな手ががっしりと肩を掴む。
 は…っと我に返ったコンラートは、自分と同じように無表情で、幾分憔悴した様子の兄を見た。

 だが、彼の瞳の奥には隠しきれない熱い想いがある。

「お前のやるべき事は終わった。…ユーリ陛下の元に行け」
「グウェンダル…」

 微かに怯えたのが分かったのだろうか?
 グウェンダルは尚も叱咤するように語気を強めた。

「行くんだ…!」
「俺は…彼に、何をしてあげられるのでしょうか?」
「……してやれることは、無いかもしれん」

 がくりと肩が落ちそうになる。
 それでも、崩れそうな肩をグウェンダルは掴み続ける。

「だが、それでも行け。お前にとって、ユーリ陛下は何かしてやることの有無で繋がっている関係か?」
「……っ!」
「初めて会えた、無条件に大切な者なら…時間を惜しんで会っておけ!今更恰好をつけようなどと思うな。後悔は…常に、会えなくなってからするものだ…」

 グウェンダルの無骨な言葉は殴りつけるように激しく…そして力強くコンラートの心を揺さぶった。彼がコンラートを叱っているのではなく、血を吐くような想いで奮い立たせようとしているのが伝わってくるからだ。

「そうですね、全くですよグウェンダル…」

 苦笑含みに微笑んでいるのはギュンターだ。
 
「コンラート、グウェンダルもフォンカーベルニコフ卿アニシナと、十貴族会議に先立って会う約束をしているのですよ。往年の仲の縺れを解そうとしているのです」
「ギュンター…!」
「良いではありませんか。本当に…とても良いことですよ。男の沽券(こけん)に無駄に拘っていたこれまでのあなた方から考えれば、飛躍的な進歩ですとも!私は…本当に嬉しいですよ……」

 この二人の仲を取り持とうとして、長年歯がゆい思いをしていたギュンターからすればそれは本心からの言葉なのだろう。

 執務室の片隅で丸まっていた白狼族の鋼(いつの間にか、コンラートの専用機のように振る舞っているのだ)も、狼の姿でにまりと笑って見せた。
 剥き出しになった歯茎が獣じみているのに、表情は人の臭いを滲ませていて何とも奇妙な塩梅だ。
 
「そうさ、行こうぜ…コンラート。有利はああいう子だ…。こっちがどんなに拙いことをやったと思って凹んでても、会ってひとこと言葉を交わせば…ふわっと楽になるよ」
「そうだろうか…?」
「ここでなんだかんだ言ってたって始まらないさ。行こうぜ?乗れよ…!」

 嬉しそうに歯茎を見せる鋼に促され、コンラートは彼の背に跨ると執務室のバルコニーから空に飛び立っていった。
 


*  *  *




「ふふ…あなたもすっかり兄らしくなったものですね」
「…煩い。余計なことまで言いおって…!」
「良いではありませんか。猊下もフォンカーベルニコフ卿との復縁はなるべく迅速に行うようにと厳命しておられたのでしょう?」

 有利が魂を受け止めた直後から2日程度は、村田自身も精神的な衝撃が大きかったらしくフォンクライスト家の邸宅で共に療養していたのだが、回復後の村田の行動は迅速かつ精力的だった。

 《禁忌の箱》を可能な限り有利の負担無しで始末する方法を模索しようと、白狼族に跨って眞王廟と血盟城、そして有力な十貴族の間を行き来しては話を進めていった。
 その都度情報をコンラートやグウェンダル、ギュンターにも伝えてくれるのだが、その中で強く彼が主張していたのが《アニシナとの結束を強めろ》という一点だった。


『良いかい?現在こちらの世界で開放されてしまった三つの《禁忌の箱》はそれぞれの場所で地中深くに潜り込んでしまっている。これを引き上げる作業を、人間勢力の妨害を防ぎながら貫徹するのは結構ホネだよ。勇者君は我々に味方すると誓ってくれたが、それが何処まで人間世界にプラス方向の影響力を持つかは分からないしね。この作業には絶対にフォンカーベルニコフ卿アニシナの協力が不可欠だ。引き上げに必要な重機の製作を依頼するんだ…!』


 実に彼女が乗ってきそうな内容ではあった。
 だが…その為にはグウェンダルが彼女との仲を修復することが絶対条件なのだと村田は言う。

『だってそうだろう?女性というのは精神的な問題にとても繊細なものなんだよ?君とその弟が国の中枢に座った今、国事に携わる女性が君と険悪な仲にあるというのは問題だろう?もともと気が合わないとか、明確な確執があるというなら《仕事と思って割り切れ》と言うけど、君達はそうじゃない。必ず、関係は修復できるはずだ』

 村田の説は尤もであり、抗弁のしようがないものであった。
 このため、理詰めに弱いグウェンダルはここ数日というものの、石を飲み込んだような心地で過ごすこととなったのだ。

『大体…あいつが怒っている理由が分かっていればこんなに悩みはしないのだ!』

 今を遡ること数十年前まで、グウェンダルは彼女にとって格好の《獲物》であった。
 それこそグウェンダルがどんなに悲鳴を上げて逃げまどっても、執拗に追いかけ回されては痛みだけでなく羞恥まで感じさせる魔道装置に無理矢理組み込まれてきたのだ。

 それが…一体どうしたものか、ある日突然に絶縁を申し渡された。

 有り難い申し出だとほくそ笑んでいたものの…本当に彼女からの手出しが皆無になったとき、グウェンダルは自分の引き出しを何度も見詰めてしまったものだった。
 目を向けたら、そこから奇妙な魔道装置の力で彼女が飛び出してくるような気がしたのだ。

 鮮やかな紅色の髪を揺らして、大粒の瞳を輝かせて…。



「グウェ〜ンダール…あなた、私にしたことを心から反省したそうですね?」



 そう、こんな風に……。

『…………て、……え?』

「ふ…フォンカーベルニコフ卿!?」

 ギュンターが絶叫を上げたことで、ようやく状況を悟る。
 机の引き出しから、アニシナが顔だけ覗かせているのだ…!
 机の下には何もないのに、まるで生首のように頭部だけが引き出しから飛び出している様子はあまりにもシュールであった。以前も見たはずなのに…この時、あまりにも久し振りに不条理現象に直面したグウェンダルは、突発的な拒絶反応を示してしまった。


「わぁああ…っ!」


 バーンっ!
 カーン……っ!


 勢いよくグウェンダルが引き出しを閉めてしまった結果、アニシナの頭部を激しく挟み込んでしまった。


『しま…った……っ!』


 後悔してももう遅い。

「グウ〜ェンダ〜ル………?」

 地を這うような声音が引き出しの中から漏れだし…恐ろしい程の力で《ぐぐぐ》…っと開かれていく…。
 開けたくない…しかし、抵抗するとアニシナとの仲は更に縺れてしまう…。

 弟をあのように励ました手前、自分だけ《格好良さ》を追い求めることは躊躇われた。
 この状況では、既にその《格好良さ》も消滅したに等しいし…。

「す…まなかった……アニシナ……」

 そろりそろりと引き出しを開け、グウェンダルは運命に対峙していく。


 
 長きに渡って袂を分かっていた、友人との邂逅を通じて……。
  






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