第三章 ZーA
一週間前…国家崩壊の危機に瀕していた眞魔国を救い、第27代魔王に就任した獅子王コンラートは白狼族の背に跨って王都に帰還すると、休息する間もなく内政に外交にと慌ただしい日々を送ることになった。
もともと無理が利く体質ではあるし、あちらの眞魔国に於いて十分に英気を養っていたせいもあって、最低限度の睡眠時間だけを確保すると殆ど座っている時間がないような勢いで案件を片づけ続けている。
ことに、数日後に開かれる十貴族会議に向けた準備に腐心しているようだった。
これにはコンラートだけでなくグウェンダル、村田も連動しており、更にはダブルヨザックも影で盛んに動き回って情報収集に努めているらしい。
国境の戦地では人間・魔族共に戦場からすぐには動かせない者も多かったので、彼らについては医療班を増員して配備した上で野戦病院を築き、傷が軽い者は幌馬車などを仕立てて王都に向かっている。
アルフォードについては軽傷者の一団と共に、王都に向かってルッテンベルク軍、ウィンコット軍と共に移動中である。
彼らとは到着次第、今後の方策を共に立てていくことになる。
また、アルフォード軍から離脱を表明した者達についても郷里に戻るまでの食糧を持たせ、負傷者を乗せるための幌馬車も用意した。
未だに《偽善だ》とか、《呪いが掛かる》と言い張って独力で帰途につく者も居たが、何人かは感謝の言葉を口にした。
実は…ぽろぽろと、夜中になってから何人かがアルフォードと共に行きたいと言ってきたらしいが、彼らにはガーディーが郷里に帰るよう勧めたそうだ。
《他の者には言わずに》…という類の連中は、どうしても決意が甘い。
アルフォードの傍に残ったところで、肝心なところで裏切る可能性が高いからだろう。そうと直接口にしたわけではないが…この無骨な男が様々な面からアルフォードを支えてやりたいと思っているのは確かで、その慧眼はなかなかのものだ。
コンラッドについては戦地での取り纏めをすっかりケイル・ポーに委ねてしまうと、白狼族に乗ってすぐにウェラー領に移動しており、数日間は有利とイチャイチャ…いや……有利の体を癒してから、また白狼族に乗って今朝方王都に入った。
有利は忙しげなコンラートの手伝いをしたそうだったが、これにはコンラート自身と…そして、なによりも村田が反対した。
数日の休養によって幾らか顔色が良くなったとはいえ、凄まじい魔力の放出を果たした身体にとって十分な回復は為されていない…そう判断したようだ。
有利の身に負担が掛かるようなことを決してさせてはならないとコンラッドに厳命し、その行動もある程度制限してきた。
『渋谷に何かあったら赦さないからね?』
凄みのある笑顔でにっこりと微笑む村田に、コンラッドも静かに頷いた。
有利に関して、体調以上に大きな懸念事項があることを理解しているからだ。
王都は華やかな光彩に満ち、獅子王コンラートを受け入れ祝福しているように見えたとしても…やはりここは蛇蝎(だかつ)が住まう場所でもあるのだ。
有利の生命が狙われることを懸念しているのではない。
有利の存在そのものが狙われることこそを懸念しているのだ。
混血王の出現に困惑し、激しく嫉妬し…怒り、自分たちこそが真に国を憂う者であると信じ込んだ連中にとって、有利は掌中に収めれば一発逆転の機会を得るまたとない《鍵》なのである。
映像の中で演出された《慈愛に満ちた少年》の姿は、そういった連中にとっては実に与(くみ)しやすいものに映ったに違いない。
『少しお涙頂戴の話でも聞かせて、コンラートを悪し様に罵れば自分たちの意志に共鳴してくれるはず…』
そんなお目出度い思考の馬鹿野郎どもは、有利が拒絶をすれば今度は強硬手段に出てくるだろう。
有利を盾に交渉すれば、コンラートや村田が拒否するはずがないと考える筈だ。
* * *
『そんなことは…させない』
コンラッドの殺気を感じ取ったのだろうか?
ギュンターは顔を上げると、花弁のように形良い唇を物言いたげに開き…見えぬ瞳を向けて想いを伝えてきた。
『そのような殺気など発して、ユーリ陛下を心配させてはなりませんよ?』
くす…と、コンラッドは苦笑してしまう。
彼らしい懸念ではあるが、些か過保護に過ぎる母性を感じたのだ。
コンラッドは有利が晒されるかも知れない危険性について、重々説明している。
怖がらせることになるとしても、彼は魔王だ。人としてももうすぐ高校を卒業し、大人の仲間入りを果たす時期に来ている。優しく見守ることは大切だが、悪意や障害の存在を見えなくしてしまったのでは、彼の可能性の芽を摘んでしまうことになる。
『まぁ…説明していても、好奇心が旺盛すぎて心配なくらいなんだがな。少しくらい怖がって下さった方がありがたいくらいだ…』
その辺りは、まだこちらのギュンターには分からないだろう。
微妙な笑みを感じ取ったのかどうなのか…ギュンターは白鳥のように優雅な頚を傾げると、少し戸惑い気味に話し掛けてきた。
「あなたのことは、コンラッド…と呼べば良いのでしたっけ?」
「好きなように呼んで貰って構わないよ」
「……………不思議ですねぇ…コンラートと全く同じ声質ですけれど、何故だが受ける印象が違います」
「おや、師匠に対して馴れ馴れしかったですかね?」
「いいえ、そういうわけではないのですが…何やらとても軽やかな印象を受けます」
初めて声を交わす《コンラッド》に戸惑っているらしく、ますます困ったように眉の端を下げている。
よほど感じが違うのだろうか?
「そういえば、俺だって直接ギュンターに会うのは初めてなんだよね。ゴメンね…なんか、図々しかったかな?なんか、あっちの世界のギュンターとダブっちゃって…初めて合う人って感じがしなかったもんだから…。酷いゴーモン受けたとか聞いて、それも心配だったしさ?」
「いえいえいえ!是非くだけた調子でお願いしますよ!?尋ねてきて下さって本当に嬉しいのですから!それはもうもう…とっても寂しい想いをしていたのですよ?さあ、ユーリ陛下…どうぞタルトのお代わりもして下さいね。そして…出来る限りここでゆっくりしていって下さい…」
「そう?んじゃ…遠慮無く」
有利はにぱりと微笑むと、言葉通り遠慮しないで二つ目のタルトを食べようとした。甘さ控えめで素朴な味わいがいたく気に入ったのだ。
使用人に頼むという習慣のない有利は、侍女の動きを待つことなく自分で大皿から取り寄せようとしていたのだが、そこはすかさずコンラッドによって皿に盛り合わされる。
「ありがと」
「どういたしまして」
息のあったやりとりに、侍女達は《きゃあぁっ》と歓声をあげかけたが、自分たちの仕事をおざなりにしていたことに気付くと気恥ずかしげに頬を染めた。
「甲斐甲斐しいのですねぇ…」
「ええ、慣れていますから」
さらりと返されて、ギュンターは見えない目を白黒させていた。
* * *
『この二人は一体、どういう関係なのだろう?』
主従関係だけでは説明のつかない親密さが、二人の間に濃い大気となって充ち満ちているのだが…。
追求したいような、するのは怖いような……。
《ルッテンベルクの獅子》たるウェラー卿コンラートが、このように軽妙な性格をしているというのもなかなか慣れない。
こちらの世界のコンラートとは、かなり異なる生い立ちなのだろうか?
『そういえば、そもそも…何故ユーリ陛下は我らの世界にはおいでになられないのだろうか?』
二人のウェラー卿にヨザック…そして、グウェンダルやギュンター、ヴォルフラムなどは存在するようなのだが…異なる歴史を辿る中で、何らかの原因で出現できなかったのだろうか?
だとしたら、何という大きな損失なのだろう…!
疑問を口にしようとした時、控えめな仕草で侍女が声を掛けてきた。
「ギュンター様、お客様がお見えです」
「客…?どなたでしょう」
「血盟城からの使いで、魔王陛下からの書状を承っているとのことです」
ガターンっ!
「は…早く通しなさいっ!」
頬を紅潮させたギュンターはすっかりテンパってしまい、他の懸案事項は思考の中からスポーンっとどこかに飛んでいってしまった。
* * *
血盟城からの使いがもたらした書状には、コンラートから十貴族会議の開催に先立って個人的な話がしたいとの意向が記されていた。
『体調面に問題なければ、なるべく早くお会いしたい』
『こちらから伺いたいので、都合の良いお時間を教えていただきたい』
体調を気遣う言葉と共に、丁寧に綴られた文字を直接目にすることは出来なかったけれど、その分…文面を記載していくコンラートの表情などが思い浮かべられて、ギュンターは菫色の瞳に涙を滲ませるのだった。
忘れられてはいなかった。
会うことを望まれている…。
それだけで、息子の愛を確かめた母のような心境になってしまうのが自分でもおかしかった。
「失礼しました…どうも最近、涙脆くなってしまったようです。ふふ…年ですかね?」
「何言ってんだよギュンター!あんたにはレオ…じゃなくて、コンラートを支えて頑張って貰わなくちゃなんないんだからさ!老骨に鞭打たなきゃ!」
「ユーリ…それ、追い打ちを掛けてますよ?」
「え?んじゃ冷や水は掛けちゃダメ?」
「駄目ですねぇ…多分」
軽妙なやりとりを横で聞きながら、ギュンターは書状の最後に記された署名の名に小首を傾げた。
「第27代魔王、レオンハルト卿…コンラート?」
「え?」
この言葉にはコンラッドと有利もきょとりとして、書面の記載を確認した。
すると、なるほどそこには凛々しい字体で《第27代魔王レオンハルト卿コンラート》と認(したた)められている。
「どうやら、改姓の手続きをしたようですね」
「へー…でも、レオンハルトって偽名だろ?ウェラーからどうして変えるんだろ?」
「おそらく、ユーリが彼を《レオ》と呼んだ日から…そして、本名よりも《レオ》と呼ぶことに慣れてしまったときから、彼にとってウェラーよりもレオンハルトの名の方が大切になったのではないですかね?」
「へ?そんなもん?」
有利は疑問符を大気中に飛ばしているが、コンラッドの方は得心いった風に頷いている。受ける印象は違っても、やはりそこは素地が同じ人物だけあって、思考回路が把握できるのだろうか?
「もともと、俺にしたところでウェラー姓に大した愛着はないんですよ。父の姓ではありますが…もともとはベラール姓を剥奪され、代わりに大シマロンから押しつけられたものですからね」
「あ……っ」
「……っ!」
有利とギュンターが息を呑む。
コンラート…そして、コンラッドが持つ生い立ちの暗部に触れたような気がしたのだ。
「えと…コンラッド……」
「気にしないでください…ユーリ。愛着はありませんが、今更どうしようという気もありません。ただ…俺もまた拘りを持つ部分はあるんですよ?あなたが呼ぶ《コンラッド》という響きは、とても特別なものだ…。たとえ誰がこう呼んだとしても、あなたが口にする《コンラッド》という響きと同じだけの感慨を呼び起こすものは一つとして存在しません」
聞いている方が照れくさくなるような台詞をさらりと垂れ流しにするコンラッドに、はにかみながら有利も応える。
「えへへ…それ言ったら、俺だって同じだよ?あんたがつけてくれた《ユーリ》って響きは、たとえ《有利》なんて漢字変換されちゃったとしても…凄く俺にとっては大事なもんになったよ?うん…もう、《渋谷有利原宿不利》って言われても平気。特にさ、あんたが…《ユーリ》って呼んでくれるときの声…俺、大好きだよ?」
「ユーリ…」
「コンラッド…」
どうしよう…大気が薔薇色に染まっている…………。
昔、某週刊少年誌に《キックオフ》なる主人公とヒロインが何かと言えば見つめ合う漫画が存在したことなど欠片も知らないギュンターであったが、知っていようがいまいが居たたまれない気分に大差はない。
《ふー、暑い暑い》と嫌みを言うことも出来ず、二人が自分の存在に気付いてくれるのをひたすら待ち続けた…。
* * *
《いつでも、今すぐにでもお会いしたい。私の身は常にあなたとお会いすることを待ち望んでいる》…との熱烈な書状を使いの者が血盟城に届けると、魔王は迅速に行動した。
時刻が夕刻にさしかかる頃…街の風景共々朱色に染められて、二人の魔族がフォンクライスト家の館を訪れた。
その一つは勿論コンラートであり、もう一つは…。
ガターンっ!
「ギュンター、騒々しいぞ」
来客の正体に気付いた途端、椅子を跳ね上げて立ち上がったギュンターに文句をつけたのは、フォンヴォルテール卿グウェンダル。新たに宰相の座に着くことが内定している男であった。
「そ…そんなことより、あなた方こそどうなのです!?王と宰相にもなろうという者が、殆ど供も連れずに軽々と臣下のもとを訪ねるなど…。危険ではありませんか?」
「友を訪ねるのに、重々しい警備をつけて動く者などいるか?」
「…!」
不機嫌そうな声音の中に労るような…慈しむような色彩が仄かに混じり、ギュンターの白皙の頬を薔薇色に染め上げる。
全くこの兄弟ときたら…男心をくすぐるにも程があるではないか。
「フォンクライスト卿、心配はありませんよ。俺たちの警護は一個大隊にも勝る威力を持った白狼族のハガネにお願いしています」
言われてみれば、彼らの横からは強い《風》の力を感じる。
以前、防壁の前でも感じたことのあるこの気配は…明らかに、眞魔国に於ける《風》の要素とは性質を異にするものであった。
誇らしげに、獣のような形状をした《風》が胸を張っているのが分かる。
「なんと明確な存在感なのでしょう…もしや、具現化しているのですか?」
「ええ、こちらでいうところの精霊に近い存在なのだと思います」
「そうさ。美人さん…覚えておいてくれ、俺は地球に住む白狼族の高柳鋼だ。忠誠を誓った有利に頼まれてね、レオとグウェンの旦那を警護してんだ。敵が現れようもんなら…この牙と爪とで思い知らせてやるぜ?」
《グルル》…っと妙に楽しげに唸る様は、寧ろ敵の来訪を期待しているかのようだ。
「それは頼もしいですね!是非お願いしますよ…」
「へへ…。美人さんにそう言われると、ますます力が湧いてくるねぇ!気軽にハガネって呼んでくれよ。あんたならサービスで護ってあげるぜ?」
「まあ…!それは嬉しいですね!」
くすくすと軽やかに微笑むギュンターは、力ある精霊(?)に《美人さん》と呼ばれて満更でもない様子だ。
「さあさあ、そんなところに突っ立っていないでこちらにいらしてください!ユーリ陛下とコンラッドも、先程からあなた達を待っていたのですよ?」
「ああ…」
こくん…と頷いて、コンラートが足を踏み出す。
彼から匂い立つような雰囲気に、ふと…ギュンターは小首を傾げた。
彼は今…これまでに感じたことのないような気配を漂わせている。
はにかむような…浮き立つような…まるで、春に咲き初めたばかりの蕾が日差しを恋うて花弁を広げていくかのようなこの気配は、一体どうしたことだろう?
『一体…誰に?』
その対象はすぐに分かった。
「レオ…って、呼んでも良いんだっけ?」
「ああ、そうしてくれるかな?…ユーリ。公的にもそのように改姓の手続きをとったんだよ」
可愛らしく尋ねる有利に対して、コンラートは実に嬉しそうに…全身からふわりと溢れ出してくるような香気を漂わせて頷くのだった。
『この子は…まさか……』
有利に、惚れているのだろうか?
これまで《夜の帝王》などと渾名され、数々の浮き名を流しながらも一度として本気になったことはなく…欲望を昇華させることと立身出世に必要な術策の一つとしてしか恋愛を見ていなかったこの男が…まさか…。
『コンラート…あなた、恋をしているのですか?異世界の魔王陛下に…!?』
どくん…と、胸の中で心臓が変な鼓動をたてる。
本来なら、一己の男として真の恋愛に目覚めた彼を祝福すべきなのだが…ギュンターはつい先程、有利とコンラッドの間に漂うただならぬ大気を(嫌と言うほど)感じ取っていた。
それを考えれば…コンラートの恋をそのまま奨励することなどできよう筈もない。
ギュンターは心配性の母親よろしく、やきもきしながら彼らの言動を見守るしかなかった。
「そっかー、獅子王レオンハルトなんてあんたにマジで似合うよな!」
「ダンヒーリーの墓標にも、折角だから《レオの父パンジャ、ここに眠る》と刻んでおきますか?」
「いや…それは巫山戯すぎだろ……」
「ユーリ、君が望むならそれでも良いけどね」
「えー?マジですか!?」
ギュンターにとっては意味不明な会話ながら、コンラートが何もかも捧げる覚悟で有利に尽くしたいと願っていることは見て取れた。
「おい、コンラート…時間がない。手短に本題に入るぞ」
「そうですね。グウェン…ダル」
《グウェン》と呼びかけてちょっと恥ずかしくなったのか、《…ダル》と、とってつけたように接続するコンラート…。
端で見ていると余計に恥ずかしいので、《いっそのことそのまま呼べ》と言ってやりたい。
そんな空気を読んでいるのかいないのか…有利はふと、コンラートの服装に目を奪われた。
「新しい軍服似合うねぇ〜。俺の魔王服なんてモロに学生服っぽいケド、レオのは恰好良いなぁ」
「そうかな?」
ギュンターには目にすることが出来ないが、現在コンラートが身につけているのはかつて身につけていたウェラー軍様式とほぼ同じながら、貴色である黒を基調とした色彩がすらりとした長身によく映える。襟合わせと袖口に配された銀糸の飾りも渋い色合いが美しく気品ある出で立ちだ。
腰に収まっているのは自慢げな顔のモルギフで、簡素ながら機能的な造形の鞘に収まっており、ちょっと魔剣っぽい装いだ。
「黒を身につけるに足る男に、早くならなくてはいけないけどね」
「とりあえず、凄く似合ってんだからそれだけでも大したもんだって。女の子達がきゃーきゃー言うよ?」
「男連中がぎゃーぎゃー言う可能性もありますけどね」
コンラッドの突っ込みは体験に基づくものなのだろうか…。妙にしみじみとした響きがある。
「お前等…それで、一体いつになったら本題に入る気だ?」
明瞭な苛立ちを眉間に刻む男が、重低音ヴォイスでそう言った途端…全員がよい子の動作でスチャっと席に着いた。
そして…コンラートは茶器が揃うのも待たず、手短に本題へと突入した。
「話というのは他でもありません。フォンクライスト卿…あなたに、王佐としての役職を受けていただきたいのです」
ガターンっ!
またしても椅子を跳ね上げたギュンターは、膝の上に本日三つ目となる青タンを作成してしまった。
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