茶うさぎが夕飯のにんじんを腕いっぱいに抱えていると(二羽はそれはそれは沢山のにんじんを食べるのです)、思い詰めた表情の黒うさぎが帰ってきました。

『ヨザックのところに行ってくる』

 …と、昼間言っていましたが、一体どうしたのでしょうか?
 茶うさぎは心配になって聞きました。 

「どうしましたユーリ、ヨザックが何か嫌なことでも言いましたか?」

「違うよコンラッド…あのね?俺、コンラッドにお願いがあるんだ」

「何です?」

 黒うさぎが願うことならば何だってかなえてあげたい茶うさぎは、にっこり笑うと身をかがませて耳を寄せました。

 黒うさぎはその耳に、そぅっと囁きます。


「コンラッド…俺を食べて?」




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