「筋肉天使★グリ江ちゃん」B









 全国の白かったり灰色だったり黒かったりする隊長マニアの方々、お元気〜?
 今回のシリーズじゃあ、白好みの方々はがっかりね!

 かと言って、黒好みの方々もどうなのかしら?腹黒と言うよりも思春期のリビドーを感じさせる展開よね!
 あの隊長なら、きっと陛下の吹いた縦笛をべろべろ舐めちゃうわよ?
 ああ、お肉の方の縦笛なら勿論ねっとり舐め上げちゃいそうよね!
 ええ、間違いなく舐めしゃぶるわっ!!賭けても良いわよっ!


 おっと、紹介が遅れちゃったわね。
 みんなのアイドル、グリ江ちゃんどぇ〜す! 

 今日も大胸筋をぴくぴくさせながらコンユライフをお送りするわよっ!!



*  *  *





 朝食の後は執務ね。
 
 あら…あらら…?
 思いの外真面目にやってるわね。

 陛下はお目々がとろんとしそうになると、グウェンダル閣下に書類の内容を要約してくれっておねだりして、時間は掛かってるけど大事なところを読み返してるわ。
 あら〜……何だかこう、国の中枢に居る人の在るべき姿…って感じてとっても好感は覚えるんだけど、見ててつまんないわね。

 結局、昼食が終わって午後の執務に入っても何の展開も無し。

 いや〜ん、つーまーんーなーい〜っ!

 隊長は隊長で、いつもの壁に右肩を添えて佇んでるだけで、周囲に気を配ってるだけだわね。グリ江ちゃんの気配には…多分、気付いてないわよね?

 あら?隊長の眉がちょっと動いたわ。

「ん…」

 ああ、陛下ったらとうとうおねむが限界みたいね?
 さっきから吟味済みの内容について、機械的なサイン業務に入っちゃったから余計に眠いのね。ぐらぐらしてるわ…見てて可哀想になっちゃう。
 
 あっ!危ない…!机にがつんと頭をぶつけ…
 …なかった!
 まー、グウェンダル閣下が受け止めたわ。

 眉根にいつもの通り皺を寄せて、前屈みになっちゃった陛下の身体ごと直そうとしてしてるけど…あらあらあらあ………

「んー…」

 グウェンダル閣下が席を立って、陛下の横から体勢を支えようとしたんだけど、広い胸板にほっぺが当たったせいかしら?すりり…っと陛下が擦りついちゃったわ。

「…………っ!」
 
 うーふふぅ〜…グウェンダル閣下ったら可〜愛い〜っ!

 頬を染めておいでだわー。あれよね、グウェンダル閣下が色黒なのって、絶対故意よね。
 赤面したときに目立たない様に、暇さえあれば屋上で灼いてるんだわ。きっと。
 んで、長髪で顔を隠し気味にしてるのも表情隠しね。可愛いモノを見たときににやついたのを誤魔化そうとしてんのよ。

 案の定、今も陛下が《うにゅ》…なんて可愛い声を上げながらすりすりしてくるのが可愛くて堪らないみたいね〜。引き離そうとして頭に手を伸ばしたら、さらさらの黒髪が気持ちよすぎたのかしら?そのまま撫で撫でし始めちゃったわ?

 でも…大丈夫かしら?

 あ…グウェンダル閣下が怯えた様な顔をしてるわ!
 自分の弟が瘴気を放ってるのに気付いたのね!?

「……どうした、コンラート…」
「いいえ?グウェン…」
「か…顔が笑っているぞ?」
「微笑ましいな…と思ったんですよ」

 いや、その笑顔が怖いんだって……。
 顔立ちが整ってる奴が底冷えする笑顔を浮かべると、こんなにも怖いものなのね…。
 あたしでも目の当たりにしたらビビるわっ!

「……………陛下は、お疲れのようだ。幸い、緊急の仕事はもう終わっているから、コンラート…昼寝でもさせてやれ」
 
 あああぁぁぁ……何かに敗北したわねグウェンダル閣下!
 ちょっと涙目だし。

「そうかい?陛下が喜びますよ。ありがとう…グウェン」

 今度は満開の笑顔を浮かべてるわね。現金だわ〜…。



*  *  *





「ん…あれ?」
「目が醒めてしまいましたか?」

 陛下のお部屋までお姫様抱っこしてる間中、隊長ったら静かに微笑んでたけど…お部屋に入った途端にでろっでろの笑顔に変わって、正直怖かったわ……。
 でも、陛下が気が付いた途端に爽やか笑顔に戻れるんだから凄いわよね。

「俺…執務の途中じゃなかったっけ?」
「お疲れ気味のようだからと、グウェンが昼寝をさせるように言ってくれたんですよ」
「えー、マジで?やったー、何か得した気分!なー、コンラッド。キャッチボールしようぜ!」
「ですが…グウェンは昼寝の為に休憩をくれたんですよ?」
「あう…そっか。グウェンに仕事させといて、中庭でぽんぽんやってたら怒るよな?」
「ええ…ですから、ちゃんと眠って下さいね?」
「でもなぁ…なんか、結構ぐぐっと深く眠ってたみたいだから目が冴えちゃったんだよね。今からもう一眠りできるかなあ…」
「では、俺がお手伝いしましょうか?」
「えー?なんか良い方法あんの?」
 
 あら…何だか隊長……エロオーラを出してるわ?
 これはわくわくドキドキ展開の予兆かしら!?

「ええ、まず…上着を脱ぎましょう?」
「うん…て、え?ズボンも?」

 するするっと脱がす手管は流石ねぇ…。
 あっという間にベルトを外して、ズボンをすっぽ抜いちゃったわ。

 あっらぁ〜…。陛下ったら随分と、エロい恰好。

「コンラッド…なんか……恥ずかしいよ。シャツ一枚って、幾ら昼寝っつってもパンツがパンツだし…」

 そうなのよぉ〜…。見えそうで見えない感じにシャツが掛かってるんだけど、綺麗な太股の端にちょこんと黒い紐が見えるのよね。
 ちょっと引っ張りたくなるような……。

「や…何してんだよコンラッド!紐引っ張っちゃダメだって!」
「ああ…これは失礼、以前猊下が《下着無し健康法》というのを提唱しておられたんですよ。なんでも、よく眠れるらしいですよ?」
「ええ〜?マジでぇ〜?」
「マジですとも。先日から俺もやっているんですが、結構良いですよ?騙されたと思って、やってみませんか?」

 おおおおおぉぉぉぉ〜〜い、隊長ーーーっっっっ!!!

 ちょ…ま、ヤバ…っ!
 あ、あんたマジでやっちゃうの?
 流石に陛下も引くって……

「そっか…。コンラッドもやってんのか」

 頷いちゃうの!?
 あんたどんだけ隊長のこと信頼しきってんの!?

 きゃ〜…で、でも…脱ぐのね?脱いじゃうのね…。
 ヤバ…涎出てきた……。

 白いシャツの下からするっと黒い紐パンが抜き取られて、恥ずかしそうにシャツの裾を下げてる陛下がなんちゅーか…美味しそう……。

「俺…寝相悪いからなぁ…。股間丸出しで寝てたら直してね?」
「ええ、俺がじっくり…いえ、しっかり寝冷えしない様に見守りますよ」

 陛下…そのまま布団に入るなり、数分で《くすー…ぷー、くすー…ぷー》と寝息立て始めたわ。

 あ、隊長ったら何してんの?
 あんた…そろー…っと腿の辺りまで布団捲って行って、見えそうで見えない下肢の間の観察始めたわね……。どんだけマニアックなのよ……。


 あらあら、本当に最期まで見守っていられるのかしら?

 次回はどんな展開かしらね!バーイビ〜。





→次へ