「筋肉天使★グリ江ちゃん」A








 はぁ〜い、世界の中心から片隅まで幅広い地域でコンユ愛を叫んでいる皆さん、お元気ねぇ〜。感心するわ!

 ちなみに、あたしの言葉を代弁してくれてる狸山ぽん(仮名・女・3×歳)は昔、感想のお手紙中の「お話を読んで元気が出ました!」とのコメントに喜んでいたところ、実妹
から「は…っ!ドコが元気になったかが問題よね」と氷冷トークを貰ったそうよ?

 ほほほ…皆さんがコンユで元気になってるのは上半身と下半身どっちかしらね!


 ま…そんなギリギリトークはさておき(足底動脈網が元気なのかも知れないしね!)、またあの連中の追跡を始めちゃうわよ?覚悟は良いかしら!


 

*  *  *





 あっらぁ〜。みんなで仲良く円卓を囲んで朝食をとっているところね。
 隊長はお毒味役も兼ねてるから、当然坊ちゃんの横に座を占めているわ。

「なぁ…コンラッド。それ美味しい?」
「ええ、熱いうちに食べてください。毒も心配ないですね」

 ほっかほかの豚の腸詰めを茹でたやつを一口囓ってから坊ちゃんの口元に寄せてるわ。
 それにしても…えらく太い腸詰めねぇ!
 坊ちゃんのちっちゃな口じゃあ食べるの難しそうよ?
 隊長は隊長で、いつもなら一口大に切るくせに…今日はぶっさりフォークで刺して、そのまま差し出して…

 …て、あ……っ!
 ん…んまぁぁぁ……っ!!
 あらあら…ヤダよこの人達ゃあ!

「ん…熱……っ」

 茹で上がってぱんぱんに膨らんだ腸詰めは、なんだか別のモノを想像させるピンク色をしてるんだけど…囓った途端に熱い肉汁が、《ぷぴ!》っと弾けて、坊ちゃんの口元についたかと思うと…とろぉ〜っと垂れていくわー…。

 いや〜ん…何かエロいわー…
 自覚あるのかしら坊ちゃん?

「少し冷まします?」
「ううん…美味しいし。いいや、ガブッと囓っちゃえ」

 思い切って大きく齧り付いたけど…その映像がまた犯罪的にエロいわ坊ちゃん…っ!
 ちいさなお口を精一杯広げて、ピンクの肉棒をあぐあぐしちゃって…。
 
「ん…くん……っ」
「ああ…そんなに大きく噛みついたりしたら…苦しくなっちゃいますよ?」
「だって…美味しいんだもん……」

 きーぃ〜〜やぁぁぁぁ……っ!
 あんたらどんだけエロい雰囲気醸し出してんの!?

 坊ちゃんは明らかに無自覚だけど、隊長は琥珀色の切れ長アイズに獣っぽい艶を滲ませて色々エロエロ考えてるわよ?

「お…前らぁぁ……っ!!」

 あ、ヴォルフラム閣下が切れた。椅子をひっくり返して、坊ちゃんの襟首に掴みかかってるわー。
 あー、グウェンダル閣下の眉間の皺が深まった。陶器の皿に罅が入ったわね、今。
 あらら、ギュンター閣下の鼻血で食卓が汚染された…。失血性ショックとか起こさないのかしらね、この方。

「ぅわ…!な…何だよヴォルフ!ギュンターも、あんた何で鼻血なんか吹いてるの!?」

 うわー…責めるとこ違いますよ坊ちゃん。
 
あああぁぁ〜ニヤニヤしてるよ隊長…根性悪いなぁ……。
 そこがまたグリ江、好きなんだけどね!


 さ、次回は魔王陛下の勤務風景よ。
 ちゃんとお仕事できてるのかしらねっ!




→次へ