「白黒インパクト」−in亜空間
※前後は本缶にあります。
黒次男side−5
ぴちゃ…
くぢゅ、ちゅうぅ……
濡れた水音を立てているのは、有利の耳殻で蠢くコンラートの舌だ。
「なんていやらしいんだろう。おっぱいと首筋を少し弄っただけで、おちんちんをこんなにしているの?」
毒気を含んだ甘い声で有利を嬲るのは、大好きなコンラートだ。
指先でくりくりと鈴口を弄られれば、堪えきれない涙と甘い声が止めどなく零れていく。口角からはだらしなく唾液が滴るが、嫌そうな素振りひとつ見せずにコンラートは顎を舐めてくれる。
酷いことを口にしながらも、その瞳にはたっぷりと有利への愛情が充ち満ちているから、本当に蔑まれているわけではないのだと分かる。
「ユーリは…悪いコ、れすぅ…いっぱい、お仕置きしてぇ…?」
お願いすれば、焦らされていた花茎へとコンラートの唇が寄せられ、すっぽりと熱く濡れた咥内に導かれるとぬるつく舌を絡められる。コンラートは舌を別の生き物みたいに蠢めかせて、ちゅるる…っと尿道を犯したり、絶妙な吸い上げを見せてじゅぱっ…じゅぱっと頭を上下する。
怖いもの見たさで視線を下ろせば、そこにはぞくぞくするような光景があった。
端正なコンラートの口が有利の花茎を頬張り、唾液でびちゃりと濡れた小袋を掌で転がしているのだ。
ああ…有利は、こんなコンラートに思うさま抱かれるのが好きなのだ。
だって、こんなにも気持ちいいんだもの。
「良いよ。俺はあなたの忠実な狗だもの。たくさんお仕置きをして、淫らなご主人様を愉しませてあげる。そして…たっぷりと濡らしたら、ココを喰わせてね?」
くすくすと嗤いながらつぷりと双丘の谷間に指先を忍ばされ、きゅうんと胸が弾む。
少し意地悪なその笑い方こそが、有利の唯一人のコンラートだった。
頼りなくて守ってあげたくなるようなコンラートも可愛いけれど、やはり有利にはこちらのコンラートが良い。強引なくらいに感情を浚って、掌でころころと転がしてくれるから、全てを委ねられる。
『あれ?じゃあ…どうして、俺たち元の世界に戻れないんだろう?』
有利としては既に満足しきっているのだが…では、コンラートの方に不満があるのだろうか?もしかして、こんな風に抵抗もせずに乱れるような有利は本当は好みではなくて、凛とした部分を失わない有利の方が好きなのだろうか?
ちら…と、数メートル向こうでやはりセックスに励んでいる《ユーリ》を見やった。
白次男side−6
『うわ…気持ちいい……』
触れ合う肌の滑らかに、思わず声が上がりそうだ。
コンラートの素肌は疵も多いけれど、地肌の部分は至極滑らかで心地よい。乾いているのにすべらかで、清潔感のある肌触りが気持ちよくて、有利は掌と舌を這わせて味わった。
するとコンラートの方も同じように有利の身体をまさぐって、嬉しそうに微笑んだ。
「ユーリ…なんてすべらかな肌だろう?もっと触れても良いだろうか?」
「良いよぅ。俺だって触ってるし」
戸惑いがちに触れてくる手は少しもどかしいけれど、それだけ有利を大切にしてくれている証拠だと思う。
『ただ、遠慮が過ぎてこの先どう進めて良いのか分かんないってコトだよな…』
有利の方は全般的にセックスに関する知識がないのだが、どうもこのコンラートの方も男同士のセックスには疎いらしく、ある種童貞カップルな二人はモタモタしてしまっている。
すぐ近くで情熱的に盛り上がっているカップルがいるから、余計に焦ってしまいそうだ。
「ゴメン、ユーリ。俺がもっとリードできたら良いんだけど…」
「いやぁ、良いよぅ。俺たちはマイペースに行こう?」
有利の焦りを敏感に察知したのかコンラートが謝ってくるから、困った小犬みたいな顔が可愛くてちゅうぅっと頬にキスをしてしまう。
「えっへへぇ〜…コンラッドってば、可愛いっ!ねえ、乳首とかも感じるみたいだよ、お互いに吸いっこしてみる?」
殆ど《あのジェットコースター面白いらしいよ?》に近いノリだが、致し方あるまい。状況としては近いわけだし。
「そうだね。ビギナー同士、あちらを参考にしてゆっくりやろうか?」
「うんっ!」
まず有利がぱくりとコンラートの乳首を銜えると、舌先でちろろ…っと掠めてみる。ぴくんっと震えて硬く痼ってきたから、きっと感じているんだと思う。
『可愛い、可愛いぃ〜っ!』
うきうきしてきて、《吸いっこしようね?》と約束したのも忘れて舌を腹筋に這わせると、半ば勃ちになった雄蕊へと思い切って唇を寄せていく。
「ユーリ…っ!そ、そこはダメだよっ!高貴なあなたが触れたりしては…」
「あっちは気持ちよさそうにしてるもん、大丈夫大丈夫」
あまりにも大きいので少し怯みはしたが、コンラートに気持ちよくなって欲しくて…そもそも、未だに《高貴なあなた》等と身分差別みたいなことを口走る彼へのお仕置きも含めて、幾らか躊躇しつつもぱくりと鬼頭を咥内に運ぶ。
「ん…しょっぱい…」
「ぁ…不味い、でしょう…?お願い、ユーリ…離して…っ…」
「んな、息上げて気持ちよさそうにしてるあんた、離してなんかあげないよ?」
狼狽えるコンラートが面白くて、両手を添えてちゅうちゅうと吸い上げていく。横目であちらのカップルを確認すれば、妖艶なコンラートがプロフェッショナルな舌戯で有利を高めていくところだった。
『そっか、ふむふむ…手も添えるだけじゃなくて、上下に擦っていくわけだな?口の方もじゅるじゅる吸いつつ上下運動…っと』
見よう見まねの愛撫でも感じさせることは出来るのか、コンラートは巨大な雄蕊を高ぶらせて、腹を打つばかりにさせると…あえやかな嬌声をあげながら身を捩らせた。
「ああ…ユーリ、ダメだ…それ以上は……」
小袋も弄ると良いのだと察して、きゅる…っとちいさな手の中で握り込んだ瞬間…ぷば…っと勢い良く白濁が弾けた。
「……っ!?」
喉を打つ苦みに吃驚して、激しく噎せながら咥内から雄蕊を外せば、まだ勢いの衰えていなかったそこからびゅる…っ!と射出された白濁を顔にお見舞いされてしまう。
「ぇふ…か、くふ…っ!」
「ユーリ…っ!」
背中を丸めてげほげほと咳き込めば、涙目になったコンラートが背中をさすってくれる。調子に乗って酷い目を見た有利に、やっぱりコンラートはどこまでも優しい。
「ゴメ…ちょ、噎せちゃった。背伸び…しすぎたみたい」
まだ少し噎せながらも恥ずかしそうに微笑めば、コンラートの瞳が見たこともないような色に塗れて、じぃ…っと有利を凝視しているのが分かった。
とろりと溶けたその表情には、どこか…別世界のコンラートを思わせる、凄絶な色香があった。
「凄い…顔になっていますよ?」
「う、顔…まだ汚れてる?」
恥ずかしくて真っ赤になっていると、れろ…っとコンラートの舌が鼻面を伝って白濁を舐め摂っていく。口角からも垂れていたのを、齧り付くようにして舐められれば、ぞくりと甘い悦楽が背筋を伝った。
「ちょっ!あんた…これ、あんたの精液…」
「あなたに触れた物なら、何でも美味しいよ?」
《何かスイッチが入った!》
そう察したときには、ころんと身体を転がされていた。
* * *
懸命に奉仕してくれる有利に申し訳なさを感じていたコンラートだったが、自分の吐き出した精液で顔をどろどろに汚した有利があまりにあどけなく、涙目になって見上げる様子が可愛らしくて、突き上げるような衝動に駆られた。
『この子を、思いっ切り愛したい』
主君として仕え、名付け子として見守ることをいっとき忘れて、ただの渋谷有利として思うさま愛したい。
そう思ったら自然に身体が動いていた。
「ぁあ…こ、コンラッド…そこ…ぉ」
ぬるぬると乳首を唾液で濡らして、きゅ…っきゅっとリズミカルに指で弄りながら、指は先走りを迸らせている花茎を弄る。コンラートへの愛撫をしながらここを濡らしていたのだろうか?有利が望むのなら抱かれても構わないが…今は、抱きたい気持ちの方が勝っている。
にゅるる…っ
じゅっ…にゅ…っ
たっぷりと濡れた花茎を筒状にした手指で上下させれば、乳搾りをするような要領でぴゅっと先走りが溢れる。くにくにと小袋も弄ってあげれば、有利の頂点も近づいてきた。
「あ、出る…出ちゃうよぉ…っ…」
「良いよ。ユーリ…俺のお口でイって?」
「噎せちゃうから…に、苦いから…良いよぉ…っ」
「大丈夫、俺に任せて?」
先程の苦しさを思い出したのか、泣きじゃくりながら止める手を緩やかに払って、ぱくりと花茎を咥内に含み込むと、喉奥まで銜え込んで愛撫した。
「ダメ…そんな、奥までしたら…くるしぃよぉ…」
そうは言いつつも快感には勝てないのか、いつしか有利は腰を律動させてコンラートの頭髪を掴んでいた。コンラートの愛撫に夢中になっているのだ。
『嬉しい…』
喜びの中できゅぅう…っと強く吸い上げれば、どくんと弾けた白濁が喉奥に射出される。ビクッビクッと震えながら何度も放たれるそれは確かに苦くて堪らないけれど、有利の快感の証なのだと思うと愛おしくてしょうがない。喉を鳴らして残らず飲み下すと、残渣までも甘露のように欲してちるちると尿道を吸い上げてしまう。
「美味しいよ、ユーリ」
「は…ぁあ…っ…」
荒い息を繰り返して伸ばされた舌はちいさな唇から先端を覗かせていて、まるで誘っているようなそこへと舌を絡みつかせれば、二人分の苦みが混ざり合って…甘いような味になるから不思議だ。
「気持ちよかった?」
「うん、凄く…」
ひっく…と軽く泣きじゃくりを続けながら見上げるから、零れた涙をキスで吸い上げて宥めてあげる。
「もう一度、しゃぶっても良いかな?」
「今度は俺がやるよ」
「ううん…したいんだ。お願い…おちんちん、しゃぶらせて?」
切なく懇願すれば、甘い響きにばふんっと有利の頬が真っ赤に染まる。なるほど、こういう声音に有利は弱いのか。
「は…はひぃ……」
こくこく頷く有利の額にキスを一つ落とすと、また花茎をしゃぶって高ぶらせていく。また硬く痼ってきた自分の雄蕊も手で高めていくと、ころんと有利の身体を俯せにしてから双丘を割り、現れた淡紅色の蕾に唇を寄せる。
* * *
「ひぁ…っ!そ、そこも舐めるの…っ!?」
「うん、お願い…ユーリ。ここで俺を愛せるように、緩めさせて?あっちの俺たちみたいに、ここで繋がりたいんだ」
言われて横を見やれば、そりゃあもう…あちらは大変なことになっていた。
「ぁあん…コンラッドぉ…っ!ユーリのエッチなお尻の孔に、大きくて熱いおちんちんでお仕置きしてぇ…っ!」
「お尻に男の肉を銜え込んで、こんなにおちんちんを高ぶらせているの?ユーリは先天の淫乱だね」
「ぁあ…ぅぁあんっ!」
幼獣のような叫びを上げて揺すられている有利は、後ろから抱っこされるような形でコンラートの雄蕊を銜え込んでいるものだから、大きくご開帳された下肢の間からは二人の生々しい繋ぎ目と、濃いピンク色を呈した花茎がぷるんぷるんと跳ねているのが明瞭に見て取れる。
「あ…ああいう感じでやっちゃうの?」
「だ、大丈夫。ユーリが隠れるように、あっちを向いてするから」
「それならイイや」
ほっとして力を抜くと、ぬるりと柔らかいものが蕾のなかに差し入れられる。どうやら、尖らせた舌先を挿入されているらしい。
「や、ややや…き、汚いよぉ…っ!」
「大丈夫」
きっぱりと言い切るコンラートはもうお尻を逃がしてはくれなくて、やはり一線越えたせいで思い切りが良くなってしまったらしい。適度に濡れたところで指も差し込まれると、すぐに前立腺を見つけられてくりくりと嬲られてしまう。
「ひ…っ…ぃ……っ」
「ここ、イイみたいだね?おちんちんも、またぷくっとしてきたよ?」
「も…イキた…」
「もう少し我慢してて?勃ってるところに入れた方が初めては楽みたいだから…」
この辺が仮想なのは、やはりお隣さんが参考なせいだろう。多少不安はあるが、あちらの有利も初体験みたいなのにアンアン気持ちよさそうに啼いているので、一定の効果はあるらしい。
「お、お任せします…」
「任されました」
嬉しそうに囁いて、コンラートは指を三本に増やした。
黒次男side−6
ぎちゅ…
ぐちゅ……っ
激しい接合を繰り返しながら、有利はまだ悩んでいた。
『こんなに気持ちいいのに、どうしてコンラッドは満足してくれないんだろう?』
やはりあちらの有利のように強い芯がないと、コンラートからは本当の意味で愛されないのだろうか?
「どうしたの、ユーリ…もう他のことを考える余裕が出てきましたか?この分では俺の他に道具を銜えさせても悦べそうですね」
「やっ!!」
意地悪な声で耳朶を嬲られ、射出寸前の花茎の先へと爪を立てられれば、やっぱりMっ気の強い有利は素直に悦んでしまう。それが哀しくて、ぽろぽろと涙を零した。
「ふ…ぇう……」
「……ユーリ…やっぱり、こんな俺では嫌ですか?」
「え?」
「あちらのコンラートが気になるのでしょう?今まで他の男の手が触れたことのない、汚れのない身体が…」
苦々しい声を上げて律動を激しくされると、舌を噛みそうになってまともな返事が出来ない。けれど、何とか息を整えて有利は身体を反転させていった。
「なに…言ってんだよっ!俺は…俺をいいように苛めてくれるあんたが大好きなのに、どうしてそんなコト言うんだよ?」
「あなたは根っからのネコですからね。ですが、苛めてくれるのならばあちらの方が…」
「ばかっ!」
ビターンっ!と音を立てて頬を叩いた。
証人がいないのが残念だ。いたら、求婚として認めてくれるだろうに。
「馬鹿…ばかぁ…。なんで信じてくんないんだよ?俺はなりふり構わず、貪欲に運命を掴んでいくあんただから好きなんじゃないか!エッチなことだって、全部嫌だった訳じゃないだろ?計算して、誇りを持って身体を使ってたんだから、そんなの変に気にするなんて、あんたらしくないっ!!」
「…っ!」
頬を打たれたコンラートは暫くの間ぽかんとして律動を止めていたけれど、有利が尚もぽろぽろと涙を零していけば、緩く…燻らすようにして腰を使うと、ねっとりとした快感の中に溶かしてくれる。
そして、ス…っと上げられた掌が痛くないビンタを頬に当てる。
「愛していますよ、ユーリ」
「うん。俺も、俺もぉ…っ!」
上体を無理に反らせて唇を重ねると、グン…っと腰を持ち上げられて、空中に浮いたような体位で思うさま突き上げられる。
「気持ちいい…お尻の奥が、ずくずくして気持ちいいよぉ…っ!」
「たくさん感じて、ユーリ…。あなたの内腔いっぱいに、俺を突き込ませて?解け合って、一つになれるくらいに」
「うん…ぅん…っ!」
有利自身も腰をふるえば、カウンターで貫かれる感触に思考が白く弾けた。
約束通り、最奥に熱情を放たれたのだ。
『ああ、これで元の世界に戻れる…』
…と、思った有利は甘かったらしい。
満足しきってくたりと脱力した有利だったが、コンラートの方は後背位に有利を抱いたまま、トト…っと別世界の二人へと近寄っていくのである。
「な、何してんのコンラッド!?」
「しぃ〜」
妙にイイ笑顔でにこにこしているコンラート。これは、ろくなことを考えていない顔だ。
「まさか、あっちに悪戯する気!?」
「ええ。俺は複数参加の乱交プレイも好きなんですが、あなたが乱れるところを他の誰にも見せたくないので、実質、今後は実施が不可能なわけです」
「だ、だったらあっちに行かなくても…」
「あちらは俺自身とユーリでしょう?」
キラキラキラ〜と無駄に輝く銀色の光彩が、決意の固さを示していた。
享楽大好きウェラー卿。
エロが大好きウェラー卿…。
有利に愛されて満ち足りた彼は、最後の好機を逃すつもりはなさそうだ。
…というか、それが充足されるまでは心残りで、この空間から去れないのではないだろうか?
『ご、ゴメン…っ!』
有利は心の中で、もう一人の有利と純情可憐なコンラートに詫びた。
白次男side−7
『繋…がった……』
有利の尻を掴んで、ずっぷりと埋め込ませた雄蕊を見やる。
初めての体験に硬直する身体を花茎を弄ることで宥め、開放を促してから緊張が幾分解けたところで律動を開始する。
「は…あ…ぁんっ!」
ぱぁん…っと音を立てて下腹を叩き込めば、淡く紅色に染まった尻と濡れた繋ぎ目がコンラートを煽る。
穢してはならないと自戒し続けたこの人を、今コンラートは抱いている。
それも、無理強いしたわけではなくて心から受け入れられて…。
「嬉しい…ユーリ。あなたの中…ぬるぬるして、熱くて…最高に気持ちいいですよ」
「ふ…くぅん……っ!!」
ごりゅ…っと感じやすい肉粒を抉り体腔奥で精を弾けさせると、有利の形良い背筋が跳ねる。しかし、過ぎた快感と取らされた体勢が苦しくなったのか、膝ががくがくと崩れてしまう。
「大丈夫?ユーリ」
「ん…平気…」
とても平気ではなさそうだ。負担的にどうなのかよく分からないが、コンラートは体勢を変えて仰向けに寝ると、自分を跨がせるようにして有利を座らせた。
「…っ!」
顔が見られなかった先程の体位と違い、有利は剥き出しにされたような状況に吃驚してしまう。しかも、自重で飲み込まされた雄蕊が先程までよりも深く突き刺さってしまうらしい。先程飲み込ませた白濁が継ぎ目から溢れて、どろりとコンラートの下肢に垂れていった。
「は…あ、深いぃ〜…っ!」
普段の凛とした有利からは考えられないくらい切なく甘い声が上がって、コンラートの腰にはぞくぞくするような征服欲が満ちる。今、彼をこんなに乱しているのはウェラー卿コンラートなのだ。
「ゴメン、少しの間我慢してね?」
くんっと腰を突き上げて開放を求めていくと、有利も反り返るようにしてコンラートを受け止める。両手はコンラートの骨盤を握って体勢を支えているから、また勃ちあがりかけた花茎は律動のたびにぷるんと揺れてとても可愛い。
手を伸ばして愛撫してあげようと思うのだが、片手では有利のバランスを崩してしまいそうで出来ない。
少しもどかしさを感じていると…そこに、信じられない愛撫の手が加えられた。
「……っ!?」
「な、なにしてっ!」
反り返った有利の花茎をぱくりと銜えているのは、別の世界のコンラートではないか!その上おずおずとではあるが、もう一人の有利もコンラートが抱いている有利の胸を仔猫のように舐めて、カリリ…っと甘噛みを加えている。
それは、信じがたい4Pであった。
* * *
『なになになに!?何が起こってんの!?』
ぐるぐるぐる〜っ!と思考が回転し、加えられる愛撫の濃さに目眩がする。
《ひーっ!》と叫びたいのに、唇から漏れる声はあられもない嬌声だけだ。
「ひぐっ…ふぅん…ぁああ……っ!!」
なんという快感だろう。
でも、過ぎた悦楽は《どこまで行ってしまうのか》という恐怖すら感じさせた。
「ああ、気持ちよさそうだね。ユーリも気持ちよくしてあげるよ?お尻出してごらん?」
「ぅん…」
「ああ、胸を舐めていると難しいかな。仔猫ちゃんのおちんちんを舐めてあげて?」
「んん…」
『そんな素直に言うこと聞くなーっっ!』
絶叫したいが、すっかり仔猫のようになっている異世界の有利は、促されるままに有利の花茎を銜えてしまった。その上、無駄に器用なのか竿や付け根部分にまで巧みな舌戯を仕掛けてくる。
有利と同じく今日が初体験の筈なのだが…いきなり開発されすぎではないだろうか?
「くぅん…っ!」
「ひっ!」
有利の花茎を舐めている方の有利(ややこしい!)のお尻にずぶりと妖艶なコンラートが雄蕊を埋めると、咥内に含まれていた花茎がきゅうっと吸引される。
このままでは、自分自身のお口の中に放精してしまうっ!
何かヒトとして色々嫌だっ!!
「助けて、コンラッドーっ!!」
有利が身も世もなく叫ぶと、コンラートはぐぅんっと腰を回転させて(この筋力は流石だ)、有利を片腕で支えながらもう一組のカップルと分離する。ぐぽんっと雄蕊が抜けた瞬間に吐精してしまったが、自分の口に出すよりはマシだ。
「何のつもりだっ!」
「そっちこそ勿体ないことを言うなよ。折角自分自身と二人のユーリで4Pできるんだぞ?満足してしまったら元の世界に帰るというなら、協力しろ」
「俺のくせに、何でそんなに押しが強いんだっ!!」
「お前が俺のくせしてヘタレ過ぎるんだっ!」
ぎゃあぎゃあと言い争うコンラート同士に対して、有利の方は潤んだ瞳で謝ってきた。
「ご、ゴメンな?苦しかった?コンラッドが、どうしてもしたいっていうから…」
「もー…。あんたんトコのコンラッド、タチ悪すぎだよぉ…。それにしても…危ないところだったよな。危うくあんたんトコのコンラッドとセックスするところだったんだもんな…俺、絶対耐えられないよ…」
「こっちのコンラッドも良いトコあるんだぜ?なんせエッチ上手いし」
「そりゃ経験豊富なのかもしれないけど…でも、こっちのコンラッドだって才能あるよ?初めてなのに、俺、殆ど痛いとかなしに気持ちよくなったもん」
「そりゃあコンラッドだもん。やっぱエッチ方面の才能あるのかな?」
「それだけじゃなくてさ、何かとほっぺとか撫でてくれたり、優しい目で見てくれるのが良いんだって!包み込まれてるような感じするもん」
「えー?コンラッドはぞくぞくするくらい色っぽい目がイイんだよ」
こちらもぎゃあぎゃあと言い争いを始めると、それぞれの恋人への褒め言葉に誘われたのか、きゅうっと背後から抱きしめられて、深いキスをされる。
「ん〜…」
重なり合う唇が充足感を増していったとき、フゥン…っと世界が揺れた。
「あ、満足できたの?コンラッド」
「ええ。やっぱり4人もいなくても良いです。帰ったら、たっぷりユーリを抱きますから」
「まだ抱くのかよっ!!」
白い方のコンラートと有利のダブルツッコミをオチとして、亜空間は姿を消した。
|