「およめさんに、おれはなる!」
〜現代パラレル。己の変態性を自覚して、ユーリに知られぬよう愉しむコンラッドと、コンラッドが大好きすぎて何でもOKなユーリ〜




「じゅうろくさいになったら、コンラッドのおよめさんにおれはなる!」

 《どおんっ!》と背後に効果音を響かせて、6歳のユーリがそう宣言した時、お隣さんのコンラート・ウェラーは16歳だった。
 場所はコンラートの家の大きなサンルームで、同じ日に誕生日を迎える二人の為に、共同のお誕生日会が開かれている真っ最中だった。どうやら大人達が話していた会話から、《お婿さんだと18歳まで待たないといけないが、お嫁さんなら16歳で結婚できるらしい》と聞いて、それなら年下の自分が16歳になった時が最短だと思ったらしい。

 大人達は苦笑したが、コンラートは幸せそうににっこりと微笑んだ。
 麦わらの少年が海賊王になるより、可愛いユーリがお嫁さんになってくれることの方が、壮大な夢だと思えた。

 大変嬉しかった。
 鼻血を噴出させて成層圏まで飛べそうなくらい嬉しかった。

 微笑みながらビデオを取り出し、《ね、ユーリ。もう一回言って?》とおねだりしたので、コンラートが26歳になった今でも、その映像と音声は手元にある。劣化を防ぐためにブルーレイにも焼いたほどだ。

 ちなみにお隣さんとは言っても、上空からの写真で見ると大豪邸の端に位置する渋谷家は埋没してしまい、倉庫の一部にしか見えないという話だが、その中にこんな天使が住んでいるのだから、人の価値とは家の大きさなどではかれるものではない。

 特にコンラートにとってこの家は、カリスマ的モデルたる母が帰ってきてくれる年に数日だけ意味を持つものであり、それ以外の日々をここで過ごす意味はなかった。嫌みな親族が時折やってきては《身分の低い男を父に持つお前が、こんな立派な家で暮らせることを感謝しろ》と言いやがるので、とっとと出て行きたい気持ちで充ち満ちていたものだ。
 
 この家が深い意義を持つようになったのは、よちよち歩きのユーリが《おにわでぼうけんさせてください》とおねだりしにきた、4年前からである。真っ黒で艶々とした瞳とサラサラの髪、まろやかな頬とちんまりした鼻や唇にしてやられたコンラートは、それはもうでろっでろにユーリを可愛がった。

 この世にこんな可愛い生き物がいるなんて知らなかった。お泊まりにきた日に興奮しすぎておねしょをした時だって、ぐすぐす泣いて《ごべんばばい》と謝るのが可愛く、《良いんだよ。それより、きれいきれいしようね?》と、おさないおちんちんを洗ってあげることに興奮したくらいだ。

 分かっている。自分が筋金入りの変態だと。

 ユーリが2歳の時から、16歳になった今に至るまで、コンラートは己の変態性を十分に自覚していた。だから、ユーリが自分を慕えば慕うほど、《お兄ちゃんのおちんちんをしゃぶって白いお薬を飲むと、背が伸びるんだよ?》とか、《大人になるとお尻の孔のマッサージをしないといけないんだよ?》なんて言い出しそうな自分を止めるのに、大変な自制心を要した。

『だってそのうちユーリは大きくなる。今は分からなくても、いつか自分が異常なことをさせられていたと気付いたときに、俺を《クソ外道の変態野郎》と軽蔑するだろう』
 
 いかん。それだけはイカの金玉…なんて言って、キャパがでかい筈のユーリに白い目で見られるのさえ快感な自分が、別のベクトルに変な人だと知られてはならない。
コンラートは頑張った。己の変態性を押さえ込み、《信頼できる誠実な人柄の素敵なお兄さん》を演じるために文武両道眉目秀麗天は二物も三物も与えちゃうのね的人物を演じきることで、ユーリが16歳になるこの日も、誕生パーティーの後に同じベッドでお泊まりという栄誉を授かることができた。

 だが、中学生までは何の疑問もなく《今年もコンラッドとバースデーお泊まり!》なんてはしゃいでいたユーリが、どうしたことか、今宵はいつもと様子が違う。
 えらくそわそわして、何か物言いだけにしていた。

『ハッ…!ま、まさか…っ!こっそり隠し撮りしていた舐め撮り映像を見られたとか!?』

 母がいない間に好き放題屋敷を改造したコンラートは、数十台になんなんとする隠しカメラと高性能音声マイクを設置しており、ユーリがやってくる日には24時間体勢で撮影している。当然風呂にもあるし、大きな声では言えないがトイレにもある。(←全ての事柄が既に犯罪)

 それらを十数年分ストックして編集し、様々なバージョンでユーリ映像を編集することが、ウェラー・コーポレーションという映画制作会社を運営する社長たるコンラートの生き甲斐だった。正直この会社を立ち上げたのだって、才能ある監督から撮影術を盗むためだったりする。

「どうしたんだい、ユーリ?」
「コンラッド。10年前のこと覚えてる?」
「お嫁さんになってくれるって、約束してくれたよね。嬉しかったな〜。あの時」

 ユーリがどんな顔をするのか内心ドキドキしながら見守った。
 ユーリのための紅茶を煎れる手が震えていないだろうか?口元は引きつっていないだろうか?秘められた変態性が目から溢れていないだろうか?怖くて仕方ない。
 ユーリ以外のありとあらゆるものがどうでも良いコンラートにとって、ユーリから疎まれることだけは命に関わる衝撃となる。

 だからこの時も、《うへェ。やっぱり覚えてやがったかこの変態》と罵倒されるのが怖かった。
 けれどユーリはパッと顔を輝かせると、きゅむっと背中からコンラートを抱きしめてきた。

「ね。誕生日プレゼントに、おれをお嫁さんみたく抱いてよ」
「ああ。良いとも」

 紅茶をいったん置いて、ふわりとお姫様抱っこにすると、愛おしさの滲む眼差しを浮かべながらユーリを抱きしめる。
 そうかそうか。ユーリはまだ二十代半ばのお兄さんにイチャイチャしても大丈夫なピュアっ子か。泣きそうなくらい嬉しくて、いつにも増して響きの良い美声で甘く囁く。

「大好きなユーリ。お誕生日おめでとう!どうか俺のお嫁さんになって?」
「うー…や、やっぱ…ハグだけ?」

 はい?
 他の抱き方をしても良いような言いぶりではないか。
 おお、いかんいかん。何しろユーリはピュアっ子だ。迂闊に《じゃあユーリの可愛いアナルを今から念入りにペロペロしても良いかい?》なんて聞いた日には、絶望的なくらい白い目で見られて、二度とこの家に来てくれなくなるだろう。道で目があっても逸らされてしまうかも知れない。

「フェラチオとかアナルセックスとか、そういうのはやっぱダメ?」

 危うく、大事な大事な天使ちゃんを落っことすところだった。
 ユーリを抱く妄想だけでご飯三杯はいけるコンラートのこと、妄想がとうとう脳にきて、ありえない台詞をアテレコしているのではないかと不安になったが、どうやら唇の形は台詞通りの言葉を発している。

「……………ユーリ。つかぬことを伺うけど、OKっていう返事をしたら、君を女の子みたいに抱いちゃっても良いのかな?」
「女の子みたいはダメ」

 えー。もしかして俺がネコですか。
 究極の選択を迫られたかに思えたが、ユーリは拗ねたように額を擦りつけてくる。

「おれはおれで、男だもん!男として、お嫁さんにして!おれ、色々調べて知ってるんだ!ほら、ちゃんと準備もしてきたんだよ?」

 コンラートに抱えられたまま、《ずぱーんっ!》と雄々しく下着ごとズボンを引き下ろしたユーリは、そのまま器用に脚を開いてぬるぬるになった股間を晒す。

 え?ぬるぬる?なんで?
 
「い、入り口だけだけど…ちゃんとローションで馴らしたんだぜ?だから、コンラッドのおっきいチンコでも何とか入ると思う。昔コンラッドに教えて貰った前立腺ってトコも、毎日弄って感じやすくしてるし」

 えぇええええーーーっっ!?
 ちょっ!どうしちゃったのうちの天使!?

「ゆゆゆゆゆゆゆゆ。ユーリ?ええと…お、落ち着いて…」

 ユーリの前では常に涼風を漂わせる爽やか青年を演じていたコンラートだが、あまりの衝撃に呂律が回らなくなってしまう。
 昔ってなに?物凄く記憶にはあるけれど、あれはあくまで妄想の中でのことだ。実際のユーリには指一本触れていないはず…。

「落ち着いてるよ!コンラッドだっておれのこと、エッチな意味でも好きだろ?」

 なんで知ってるんだ?
 しかも確信込めて叫ぶのだ。
 これはもう悪い予感しかしない。

「ユーリ…なんでそんなこと…」
「だっておれが小六の時、酔っぱらっておれのおちんちんにフェラチオしてザーメン美味しいって飲み干したり、ケツの穴に注射器みたいなのに詰めたローション注入して、前立腺マッサージしてくれたじゃん」
「したのォーーっ!?」

 青天の霹靂。
 言い知れぬ衝撃がコンラートの脳髄を襲った。

「だけどおれ、まだあん時は小さかったからどうやってもチンコ入らなくて、痛くてわんわん泣いてたら、コンラッドってば《夢の中でも君を抱くことはできないんだね》ってぽろぽろ泣いて、凄く可哀想だった」

 ヒィーーーーーーーっっ!
 思い出した!あれだ!会社運営を始めた頃に、商売相手からうっかり媚薬を盛られて、何とか撃退して家まで戻ってきたは良いが、苦しくて七転八倒したあの夜だ。みっともないところを見られたくなくて、使用人達もみんな帰していたというのに、あの日ユーリが忍び込んでいたのか。

 確かにそんな夢を見たような気がして、翌日ザーメンまみれの自分にガックリきたのを覚えている。妄想に飽きたらず、万が一ユーリがその気になったら…なんて仮定のもとに、様々なエッチ道具を用意していたものだから、その一部を実際使って、自分が一体どんな醜態を晒したのかと怖ろしくなったものだ。

『なんで俺、その時ビデオを回していなかったんだ…!』

 いや、問題はそこではない。

「ユーリ…小さなお前に、薬のせいとはいえそんな酷いことをした俺を、恨むばかりかまだ好きでいてくれるのかい?」
「だっておれは、コンラッドのお嫁さんになるって宣言したんだもん!だけど、コンラッドが望むようなプレイができるようになるまでは、内緒にしといた方が良いかなって思って、今日まで言うの我慢してたんだ。だって、生殺しになるだろ?」
「ユーリ…」
「ほら見て?ナカは分かんないけどさ、入り口はちゃんと開くよ!」

 《くぱ…っ》

 ユーリの可愛らしい指で開かれたサーモンピンクの蕾は、慎ましやかな色合いのくせして、驚くほど柔軟に広がる。おまけに、既にたっぷりと仕込んでいたらしいローションがトロトロと溢れ出てきた。

「早く挿入して、コンラッド。そしたらおれ、お嫁さんになれるんだろ?」
「ユーリ…ユーリ、ユーリ!」

 噛みつくようにキスをして、息継ぎも上手くできないというのに、蕾だけは開発してきたユーリに雄蕊を突き立てる。ぬめりを帯びた柔らかい肉壁は、《ぐぷんっ》とコンラートの肉棒を受け止める。

「……っ!」
「苦しい?ユーリ」
「へい…きっ…」

 そんな筈はないだろう。確かに入り口こそ緩めてはいたものの、ユーリの指でそんな奥まで広げられる筈もない。めりめりと肉壁に分け入られて、生理的な反射なのか嘔吐を押さえるように口元を覆う。

「苦しかったら言って、ユーリ。ゆっくりやるから」
「コン…ラッドだって…あせ、びっしょり……」
「平気。だって、ずっと君にこうしたくて…我慢してたんだ。一生我慢するんだろうって思ってたのに…君が、君が……」

 目元が熱くなって、情けないくらいぼろぼろ涙が溢れ出てくる。そんなコンラートを慈しむように、ユーリが涙ごと頬を撫でてくれた。

「大好きだよ、コンラッド。初めてこうされた時は怖くて泣いちゃったけど、自分だって苦しいのに、おれが泣いたらコンラッドも泣いて、勃起したチンコを潰そうとしてるの見たとき、凄く苦しい想いをしながら、おれを愛してくれてるって知ったんだ。どうやったら…コンラッドを笑顔にできるかなって、毎日考えた。考えて考えて…4年間考えたのが、この方法だよ?」
「ユーリ…」
「だから、お願い。全部ちょうだい?」

 脚をコンラートの腰に絡めて、泣きじゃくりながらニッと笑う。多感な時期の少年が、懸命に考えてコンラートを選んでくれたのかと思ったら、愛おしさが更に倍加してしまう。

 花茎をゆるゆるとあやし、シャツをはだけて乳首を銜えてやれば、感じやすい身体は若鮎のように跳ねて愛撫を受け止める。

「乳首も自分で摘んでみた?」
「うん…コンラッドがしてくれたの真似て…オイルで濡らして、くにくにってしてた…」
「自分でするのとどっちが気持ちいい?」
「コンラッド…が、あ…っぁ…っ!」
 
 《ぴゅうっ!》と堪えきれずに射精してしまったユーリに、すかさず《ずぷんっ!》と最奥まで肉棒を銜えさせる。
 おおっと、あたたっー!か、カメラカメラっ!
 慌ててサイドテーブルを開くと、マスタースイッチを入れて全てのカメラ起動させる。しまった。もっと早く、挿入の瞬間から記録したかったが今更言っても詮無い。

『また何度でも撮らせてくれるよね?』

 弾む気持ちでゆるゆると肉棒を燻らせれば、ユーリは大粒の瞳いっぱいに涙を浮かべながらも、愛おしげにコンラート陰毛を撫でる。

「へへ。付け根まで全部入ってる」
「ああ。今から赤ちゃんのもとたっぷり注いであげるね?」
「コンラッドの赤ちゃん欲しいなァ…」

 ああもう、可愛い可愛い。
 愛おしすぎて暴走気味なコンラートは、ユーリの更なる痴態を映し出すべく、花茎を丁寧に愛撫しながら肉棒を揺らしていった。そしてゆっくりと抜いていくと、既に開発気味と聞く前立腺にカリを引っかけてやる。

「ひィんっ!」

 おお、予想以上の反応だ。
 ユーリは涎を口角から溢れ出しながら、背筋を弓のように逸らして感じている。執拗にぐりぐりと前立腺を抉ってやれば、さきほど射精したばかりだというのに、もう手の中の花茎は重量感を持ち始める。

「本当にアナニーしてたんだ」
「うん。コンラ…ッドの…写真、見ながら…っ…」
「嬉しい。俺もユーリの写真とか、ビデオで抜いたよ?」
「えへへ。今は、ナマだね?」
「そう、ナマだ。ほら…たっぷり味わってね?」
「あーーっ!」
 
 前立腺を抉りながらコンラートも射精を迎えると、体腔内に放たれた精液に衝撃を受けたのか、ユーリはビクビクと震えて下腹を押さえる。

「あ…ぁ…すご…お腹のナカ、ぷわって…っ!」
「嬉しい。ユーリにたっぷり中出ししたよ?これでユーリは俺のものだ」
「やったァ…!」

 嬉しそうに笑うユーリにキスをして、一度肉棒を引き抜く。当然カメラの角度を気にしながらゆっくりと引き抜き、塞ぐものを失ってぽっかりと開いた孔が、ひくひくと蠢いている様子も、たっぷり注いだローションと白濁が《ぷぴゅっ!》と噴出する様子もカメラに収めた。

「お風呂いこっか?」
「う、うん」

 またお姫様抱っこにして、部屋に備え付けになっている大きな風呂に連れて行くと、万が一の為という妄想によって用意していたバスマットに横たえる。

「はい、きれいきれいしようね〜」
「あ…っ!」

 四つん這いにさせて蕾を開くのに、開きっぱなしにする道具を使った。先程道具入れから出しておいたものだ。そしてじっくりと味わうように、指を挿入させていく。先程あれだけ太い肉棒を銜えていたとは思えないくらい、きゅうきゅうときつく締めあげてくる。それを二本の指でまたぱくりと開いて、奥の方までペンライトで照らしながらうっとりと眺める。

「あ…ぁっ…!コンラッド、それ…感じちゃうから…だめ!それに、どうしてお尻の孔広げるの?」
「ユーリの可愛いところを、奥の奥まで見たいんだ。スケベな俺は嫌い?」
「す、すき……」

 真っ赤になりながら《すき》と呟いてくれるユーリに、コンラートは《もう俺、このまま死ぬんじゃないのかな?》と不安になるほどだ。どうしようコレ、夢オチとかだったら死ぬ。例え映像だけ残っているのだとしても、ユーリの心と身体を手に入れたという幸福感が失われるのなら意味はない。

 ぬるりと舌を蕾の中へと差し入れていき、わざとぐゅぐちゅ水音を立てて弄ってやれば、水滴を零しながらユーリ花茎が勃ちあがっていく。けれどまだ射精する気配はなくて、精液の増産が間に合わない状況下で、快楽だけを感じているのだと知れる。

「ん…んん…ぁあんっ!」
「気持ちいい?ユーリ」
「はァ…き、もちっ…良すぎて…へ、変になっちゃう!」
「じゃあ、もっと気持ちいいことしてあげる」

 指を差し入れて絶妙な指遣いで腸壁を撫でつければ、ユーリは射精しないままでイってしまった。

「あーーっ!」
「すっごい感じやすいんだね。自分でしてる時もそうだった?」
「ちが…っ…じぶんで、する…ときは…射精する、ばっかで…こんな…ふぁ…だめェっ!まだイってる…からっ!」
「イキっぱなしになっちゃってる?少し休もうか?」
「うん、うん…っ!」

 こくこく頷いて涙を零すユーリからアナル拡張器具を取り除くと、くたりと頽れたユーリに、今度は緩やかなキスをしていく。じっくりじっくり…舌の付け根や歯茎、口蓋や下唇をそっと舌先で撫でていく内に、じわりとユーリナカが焦れていくのが分かる。まだ熾き火のような快感がユーリの中には残っているのだ。それがキスによって高ぶっていくのを、本人も気づいていない。

「そろそろ…また、いい…かも?」
「どうしようかな。これ以上続けると、ユーリが疲れちゃうかも」
「でも…なんか、奥の方に熱が籠もってる感じが…」
「じゃあこうしようか。あと15分休憩しよう?俺とお人形さんごっこをして遊んでいる間に興奮が収まったら、今夜のセックスはもう終わり。だけど、ユーリがまだしたいなって思ったら、再開しようか?」 
「うん…」

 興奮が去ってしまうのを惜しむように身を捩らせるユーリを、タオルで手早く拭いてやると、念願の衣装を身につけさせる。

「これ…」
「ふふ。引かないでね?ユーリに着せたくてしょうがなかったんだ」

 ふわっふわの白いラブドールを着せて、布地の極端に少ないヒモパンを履かせてやると、まだ緩く勃起している花茎はかなりぎりぎりな感じで収まった。ほんの少し横から突けば、ぽろりと溢れ出しそうな有様だ。抱きかかえて寝室に戻ると、大きな姿見の前でご開帳してあげた。

「ほーら、素敵な恰好」
「わ…」

 膝に座らせる形にして紐パンをずらすと、ぽってりと腫れぼったくなったピンクの蕾をつぷつぷと弄ってやる。布地が食い込んでいる花茎も快感を拾っているのか、焦れったそうにユーリが腰を揺らした。

 けれどそのまま弄り続けることはせず、感じきる寸前でベッドに横たえると、全身を撫で回してマッサージをしてやる。肝心な場所はずらして、肌に掌を密着させてすべやかな肌あいを愉しんでいると、むくりと勃ちあがった花茎が、とうとうショーツから外れてしまった。

「ぁんっ!」

 《ぱぃんっ!》と弾みをつけてショーツを弾いたことで、危うくイきかけた花茎を押さえ、そのままぱくりと咥内に含み込む。おお、ぴくぴくして可愛い。渋いような味だって、ユーリのものだと思えば甘露だ。

「ユーリ、俺のもしゃぶってくれる?」
「ん…んっ」

 ユーリの愛らしい唇に雄蕊を宛って亀頭を含ませると、それだけで口いっぱいという感じだ。妄想の中でしていたように、喉奥まで突っ込んでゴッゴッと軟骨に引っかけて愉しむなんて鬼畜な真似はできそうにない。

 ない、よ?
 こらこらこら、ユーリ。何をしているのか。

「ユーリ、そんなに呑み込んだら、吐いちゃうよ?」
「へ、き…」

 まさかこの子、コンラートにフェラチオをするために、よく似たサイズのものを丸飲みにしてもえづかない練習までしていたわけではあるまいな。心配になるくらい奥まで雄蕊を受け入れると、喉奥を使って懸命に愛撫を施す。

「ぅわ…ユーリ、すご…っ!」
「出ひへ…こんらっ…」
「う…いやいや、だ、ダメだよユーリ。お腹壊すよ?」
「こんりゃっろも…のんりゃ…」
「俺はお腹丈夫だから!」
「おれもりょうりゅらーっ!」

 もがもがふぐぐと頑張ったユーリによって、コンラートは《ぁうっ!》と息を呑み、ユーリは念願叶って白濁を飲み干した。

「やた!これで上の口と下の口でコンラッドを味わったぜ!」
「ゆ、ユーリ…」

 嬉しいような恥ずかしいような、複雑な心地になる。
 どうやら自分だけではなく、恋人も特殊な嗜好の持ち主であるらしい。

「俺たち、お似合いだね」
「ねー?」

 首を傾けあって気持ちの通じた二人は、ニカッと笑いながらキスをした。




おしまい


あとがき


 久し振りにこんなネタかい。と、思いましたが、よく考えたら通常営業ですね。
 また来年お会いしましょう!