「カフェで遭いましょう」−5 「いい加減に………しろーっっ!!」 迸るような怒りの波動を叩きつけられた瞬間…コンラートは冷水を浴びせられたような心地になった。 『なんだ…これは?』 有利から強い《拒絶》を感じた途端、ぞっとするような感情が心を浸し始めた。 それは…《恐怖》と呼んでも良いような感情だった。 コンラートの坩堝に新たに投入された感情…《恐怖》。 それは、《ユーリに愛されない》…《ユーリに嫌われる》という予感だった。 『嫌だ』 背中にどっと嫌な汗が沸き上がり、強烈な寒気が襲いかかってくる。 この段階で…コンラートの脳はもはや冷静な動きを展開することが出来なくなっていた。 着々と進行していたコンラートの計画に、突如として生じた綻(ほころ)び…。 それは…実験者であるはずのコンラートが、検体たる有利の怒りに怯えた瞬間からその裂け目を拡大させていった。 かつて…この計画を立て始めた際に想定していた言葉が苦々しく蘇る。 『《愛おしい》と思うことが出来なければ…』 『…その時には、二人の間には何もなかったことにして貰おう』 なんて杜撰な計画だったのだろう! 今になってコンラートは激しく反省した。 あの計画の何処にも、《有利が愛してくれなかったとき》という想定はなかったではないか。 そもそも…あんな計画では有利の身体は手に入っても、心が手に入る確証など何処にもない。 ああ、心!…心! 何て厄介で得体が知れず、コンラートを惑わす存在なのだろうか! いままでコンラートを愛し、そして愛されなかった人々は、いつもこんな空しさや恐怖と戦っていたのだろうか? そして耐えきれず、逃げ出したのだろうか? 『俺は…逃げられるのか?』 いま、この気持ちを抱えたまま…有利から逃げられるのか? この気持ち…そう、この気持ちは…。 『俺は…』 有利を《愛おしい》と思っている。 自覚した途端、は…っと、電流にうたれたような衝撃がはしった。 一体…何時の間にそう感じていたのだろうか? 《愛そう》と大脳皮質から指示されるのではなく、水が高峯から滔々と渓谷を流れていくように…月が満ちていくように…極々自然に浮き上がってきたこの気持ちは、紛れもなく《愛おしい》という感情だった。 そう感じた時、コンラートの…膠(にかわ)のように煮えたつ坩堝の中で乱れ、掻き回されていた感情の中に、崇高な輝きを放つ一個の宝石が生み出された。 この気持ちをくれた《愛おしい》存在に対する、感謝の念。 有利という一己の人間に対する尊敬と敬愛の情…。 これまでコンラートの中には存在しなかった感情が、ふつふつと溢れ出てくるのだった。 『だが…これは……きついな』 コンラートにとってそのような感情に目覚めるということは…獲物を狩ることに何の疑問も抱かず気高く生きていた獣が、ちいさなうさぎの愛らしさにうたれ…捕食することに巨大な罪悪感を感じてしまうようなものだった。 怪物めいた打算的な思考と、目覚めたばかりの清廉な愛情とがコンラートの精神を挟み込み、石臼で挽くようにして鬩(せめ)ぎ合う…。 激しい葛藤ののち…コンラートの唇から漏れた言葉は、策士たる彼らしからぬ言葉だった。 「愛してるよ…」 「…………………………え?」 口を三角おにぎりみたいな形に開けて、有利が素っ頓狂な顔をしている。 余程予想外の言葉だったのだろうか。 『ああ…そうだ。俺は…なによりも最初にこのことを自覚して、伝えておかなくてはならなかったんだ…』 きっと…初めて有利を目にしたときから、既に心惹かれていたのだ。 あの時既に、この気持ちは限りなく《愛》に近いものだったのだ。 それが、直接彼と言葉を交わし…彼の人となりと傍で見つめていく中で、ほんの短時間の間に化学変化を来したこの想いは…完全な《愛》へと昇華していたのだ。 それなのに…コンラートは、その想いから目を背け、《実験》に拘泥してしまった。 目の前に、何より大切なものがあったのに…。 誰よりも何よりも大事にして、護らなくてはならなかったのに…。 『ユーリが俺を愛してくれないんじゃないかという予感は何度もしていたのに…目を背けてしまった』 それは…コンラートが傷つきたくなかったからだ。 なんて卑怯なんだろう…。 今になって、酷く恥ずかしいと思う。 自分がどう思っているかを隠したまま…身体から有利を溺れさせようとした。 『身体さえ気持ちよければ愛してくれるなんて…あり得ないと知っていたのに』 これまで付き合ってきた恋人達との性交だって、快楽については何の問題もなかったのに…あんなに尽くして貰って、愛されても…コンラートには彼女たちを愛することが出来なかった。 『はじめて好きになった人を、傷つけてしまった…』 それは、今まで《愛する》ということを軽んじてきたコンラートへの罰なのだろうか? 有利にとっては迷惑この上ないことだったろうが…今となっては、ただ詫びることしかできない。 「ごめんね…ユーリ。君が、好きなんだ。せめて…君を傷つける前に、ちゃんと言っておけば良かったね…」 「へ…え……え?」 有利の口はいまだに三角おにぎり状態だ。 怒りは驚きのせいで吹っ飛んでしまったようだが… それにしても…コンラートの告白は、そんなにもありえない発言だったのだろうか? …ちょっとショックだ。 「今更信じられるかどうか分からないけど…この瓶の薬を飲んで?俺がお風呂で飲ませた媚薬の効果は、少しかかるけど…中和されるはずだから」 「び、媚薬ぅ!?…て、エッチな気分になっちゃうとかそういう…」 「うん…君の友達は、正しかったんだよ。俺は…薄汚い、変態なんだ。君を抱きたくて…俺の家に誘い込んだ。だけど…もう、終わりにするよ」 「……何で?」 「………え?」 それこそ《何で?》という話である。 今までの文脈を有利は聞いていなかったのだろうか?いや、コンラートの言うことなどもう信じられないということだろうか? 「まだ…信じられないかな?でも…仕方ないね。たくさん…嘘をついてしまったから。でも、君を好きで…もう、これ以上傷つけたくないと思っていることだけは、本当だよ」 これだけは信じて欲しくて、精一杯の想いを込めて熱く囁いた。 せめて…最後に少しでも誠実な男になりたいと、真剣に思う。 「これだけは……本当だよ」 「……俺を、好き?」 「うん。だから、俺は部屋を出るね。薬を飲んで、朝まで眠ったら…お家にお帰り?それでもどうしても許せなかったら…訴えても良いよ」 「むむむむむむぅ………」 有利の口は三角おにぎりではなくなった。 だが、今度は唇をへの字口に曲げて憤怒の表情を作っている。 …余程腹が立っているらしい。 この分だと、本気で訴えられるかも知れない。 さようなら、社会的信用。 さようなら、今の職場…。 『母さん、俺はかなり恥ずかしい理由で失職しそうです…』 有利に蔑まれている事に対する落ち込みに比べれば、大したことではないかも知れないが…。 「あ…あんたさぁ……。なんで、俺の意見は聞いてくんないんだよっ!」 「…………………え?」 《聞くまでもない》と思ったからなのだが…有利は、何よりもその点について激怒しているようである。 「さっきから聞いてりゃあ、全部自己完結しちゃって…俺がどう思ってるかなんて、ひょっとして全然関係ないの!?」 拗ねたように唇を尖らすから、なんだかひよこめいた顔になってしまう。 『拗ねた顔まで可愛いなんて犯罪だ…』 有利が聞いたら火になって怒りそうなことをこっそり考えながら、コンラートは有利の言っている意味を汲み取ろうとしていた。 『ユーリがどう思っているか?』 あんなに怒っていたのだから、当然…。 「俺は、嫌われ…たんだよね?」 確認するように…コンラートとしては希有なことに、《おずおず》と聞いてみたわけだが、有利の眉はぴこーんっと跳ね上がり、またしても怒りの形相を浮かべてしまう。 「好きだよっ!」 「…え?」 「好きだよ…好きだよ馬鹿っ!」 「じゃあ…何であんなに怒って……」 「だって…あんたは俺のこと好きな訳じゃないと思ったから…なのに、あんな…恥ずかしいこと、からかうみたいにしようとするから…だから……腹が立ったんだっ!!」 「ユー…リ……」 胸の中に…華が咲いたようだ。 ぐつぐつと煮えたぎっていた坩堝の中で、小さいながらもきらきらと光ろうとしていた宝石から、ふわぁ…っと花弁が広がるように…喜びが噴き上がってきた。 軽やかな動作で床面を飛ぶようにして蹴り、一瞬にしてへたり込んでいた有利の身体を抱きすくめてしまう。 「嫌われたのかと…思った……」 なんだか、泣きそうな声になってしまう。 「怖かった…」 ぽそりと呟けば、憤然として言い返されてしまった。 「そんなの、俺の台詞だよ!」 ごもっとも。 「嫌ってなんか…ないよ。ただ…俺を好きじゃない人にあんなコトされんのは…キツイもん。だって…俺ばっかり好きになって、忘れられなくなりそうだったから…」 「いつのまに…そんなに、俺のことを好きになってくれていたの?」 「分かんない…。俺だって不思議だよ!いい人だと思ってたのに…こんなに意地悪で腹黒くてむっつりスケベなんだって分かったのに…まだ好きなんだもん…」 腹の内を明かしてくれたと思うと、一層好きになってしまっている気がする。 恋って怖い…。 「ね…ユーリ。実はまだ秘密があるんだけど…言っても良い?」 「……意地悪で腹黒くてむっつりスケベなこと以上の秘密なの…!?」 「うん…実はね?俺は………凄くエロい人でもあるんだよ」 そういうことを真剣な顔で言わないで欲しい。 吹き出しを変えれば、通常は《俺は癌なんだ》とかいった極めて深刻な台詞の方が相応しいように思われる。 「ええと…え、エロい…のは、知ってるケド……。えと……まさか…今、そういうことしたいとか…思ってる?」 「ああ…実はしたい。物凄くしたい」 きっぱりと言い切る表情は、男らしいと表現して出来ないこともないが、心情的にそう感じたくはない有利だった。 「更に具体的にいうならば、ユーリの可愛い乳首を囓ったり、ぷっくりしたお尻を思う様撫で回したり、タンクが空っぽになるまでミルクを絞って上げたいし、さっき指を挿れて弄っていた場所をぐちゅぐちゅにして繋がって、俺のミルクをたっぷり呑ませてあげた……」 「うわぁぁあああぁぁぁ………っ!い、良いです!もう良いですっ!!もうそれ以上詳細に言わないでっ!!」 「俺は今日から、有利に対しては秘密を持たない男になろうかと思ったんだけど…」 むっつりを卒業して、赤裸々スケベを目指すことにしたらしい。 求めている終着点は同じような気がするが…。 「できればもーちょっと、一般常識の範疇内で誠実な男になってクダサイ…」 「……駄目?」 「う…う……っ。そ、そんなうるってした目で見るの禁止っ!」 この発言は不味かった…。 コンラートはますます瞳を潤ませて、大きななりを妙に可愛らしくしなだれさせて…有利を切に見つめるのだった。 「ユーリ…お願い……」 「う…わぁぁん…っ!」 ぐいっと身を乗り出され、衝撃のあまり落ち着き掛けていた花茎にするりと手指を絡められれば…今度は実りある抵抗を見せることなど出来なくなっていた。 コンラートが自分のことを好きでいてくれると知った途端…現金なことに、肉体が感じるままの悦楽を享受したいと欲求し始めたのである。 後ろめたさを伴わない甘い電流に、有利の先端はぬるりと濡れてしまう。 もう…抵抗など出来ようはずもなかった。 * * * 穏やかな風が吹き…街路に植えられたナナカマドの、眩しいほど鮮やかな緑葉を揺らす。 冬場には簡単なケージとビニールカバーで取り巻かれたオープンカフェも(そうまでしてオープンにしなくても…という話もあるが)、いまでは外気に思いっきり晒され、店員も客も共に微風を受けて瞳を細めている。 だが…学校が終わってから更衣室に飛び込んできた二人のウェイターは、芳しい大気とは様相を異にする…ドドメ色の気体の中で、何とも居心地の悪い思いを共有していた。 「…で、渋谷。君…昨日と一昨日は何処に行っていたのかな?」 「村田…どうして凄むとき、眼鏡がひかるの?」 まるで狼に問う赤頭巾ちゃんのような言い回しに、普段なら微苦笑を浮かべる村田なのだが…この日ばかりは有利を一層追いつめるように眼鏡の光度を上げていくのだった。 「ごまかし無し」 「ハイ…。あの…その……。コンラッドのトコに泊まってました」 「へぇぇぇえええ………で、彼は紳士だったのかい?」 「えと…どちらかというと、ペテン師の方だったみたいデス」 はぁぁ………。 肺の中の空気が全て無くなってしまうのではないかという勢いで呼気が為されると、村田は脱力したようにへたり込んでしまった。 「む…村田…っ!大丈夫?貧血…?」 「君ねぇ…」 おろおろと顔色を確認したり、下瞼を反転させようとする有利を鬱陶しそうに避け…村田はぐったりと壁に凭れてしまった。 「……やられちゃったの?セックス……」 かぁぁ…っと熟れたトマトのように上気してしまった有利の様子に、村田の眼差しは少し興味深げなものへと変化した。 「…ナニ?ペテン師だって分かって…セックスまでされたのに、まだ嫌いじゃないの?」 「せ、セックスとか言うなよ…っ!」 村田の口元を覆うように掌を押しつけるが、ぷーっと熱い息を吐かれて《うひゃっ!》…っと離れてしまう。結構気持ち悪いのだ、この技は…。 「違うの?」 「違くないけど……」 暫くのあいだ、言葉を口内でもぐもぐやっていた有利だったが…ぽすっと村田の横に腰を落とすと、顔の前で合わせた両手をじぃっと見た。 「セックス…したことに、なるのかなぁ…やっぱり。赤ちゃんとか出来るわけじゃないのに…」 「そーだよ。ホモのセックスなんて不毛なことこの上ないよ?」 「うん…そうなのかもしれないんだけど……」 有利だってそう思っていた。 ナニを好きこのんで、同性同士で身体を重ね合ったりするのかと…何のためにするのかと。 ナニかを好きこのんで(…能動的になったのは途中からだが)やった今でも、その行為にどんな意味があるのかと問われれば、高尚な言葉で説明することは難しい。 けれど…少なくとも、コンラートと心が通じ合ったと思ったときから、彼とのセックスは有利にとって何らかの意味を持つものになった。 「なんか…ドドーっと色んな事があって…流されちゃったみたいな所もあったんだけど…それでも、俺…少なくとも嫌じゃなかったんだ」 「気持ちよかったから?」 「どうだろ?確かに、痛かったり気持ち悪かったりしたらきっと厭だったと思うけど、それだけじゃない気がする。だって…最初っから身体だけは無茶苦茶ビンビン状態だったけど、その時には気持ちいいこと自体が嫌だったし」 「途中からナニが変わったわけ?」 「なんだろう…俺の中で、ナニが変わったんだろう?」 有利の瞳は相変わらずまんまるで、澄んだ色合いを湛えて両手を見つめている。 微かに開いた掌の間に、何かが見えるとでも言うように。 『目…変わってないんだ』 あの怪しい男のことだから、きっと同情を誘ったり薬物を使ったり偶然を装って性感を刺激したりと、卑怯な手口を使ったのではないかと思ったのだが(←大正解)。 少なくとも彼は、有利の心を深く傷つけることだけはしなかったようだ。 それで許せるかと言えば…村田にとっては別の問題になるのだが。 「俺…コンラッドが、好き…みたい。まだあの人のことよく知らないだけなのかも知れないけど…でも、爽やかそうに見えて腹黒だったり、策略家に見えて詰めが甘いトコとかひっくるめて…好きみたい」 「……そう」 もう、村田は特にああしろこうしろとは言わなかった。 ただ寄り添う肩にこつん…と自分の肩を押し当て、ひとこと言っただけだった。 「泣いたって知らないから」 「騙されて、弄ばれて、村田に泣きついても構ってくれない?」 悪戯っぽい口調で笑う友人は、週末に見た彼とちっとも変わっていないようで…随分と変わってしまったようにも感じる。 少なくとも…彼にとってコンラートとの恋愛は、一方的に何かを与えられたり…ないしは、押しつけられたりして、それを享受するだけの関係ではないらしい。 彼は彼自身としてその思いを受け止め、能動的に彼と共にありたいと思っているのだ。 それならば…村田に出来ることは、友人の幸せを祈ることだけだ。 「嘘…。知らなくなんてないよ…。泣きついてきたら、思いっきり《馬ー鹿っ!》って罵倒してあげる。だから…安心して獣道を踏破しておいで?それで分かることもあるかも知れないからね」 「うん…」 こっくりと頷いた有利は、静かに微笑んだ。 「ありがとうな、村田…」 * * * 薄雲の掛かった空が紫色の帳(とばり)を纏い、ぽつぽつと街に灯火がともされる頃…コンラート・ウェラーがカフェの扉を潜った。 彼らしくもなくどこか緊張している様子で、手には小さなブーケのようなものを持っている。 繻子のような薄紙にくるまれた華は、空に輝き始めた星々のようにちまちまと四方に伸びる花弁を持っていた。どうやら、有利が好きな青い小花のようだ。 『意外と定番な攻めをして来るというか…。この男、本気になると結構ベタな手口になるのかな?』 村田は半眼で睥睨するようにコンラートを見やるが、その眼差しにはどこかちらつく程度の好意がまぶされている。 掌で有利を転がすような男は好きになれないが、手を繋ごうとする男には多少採点が甘くなるというものだ。 《ユーリにあげたい》…きっと、街中で花屋を通過する瞬間に、そう思って反射的に買ってしまったに違いない。 高校生の少年にブーケなど…と、買った当人が恥じているのは微妙に持ち手が後背に偏りがちなところからも伺える。 簡単に喜ぶのは野球のボールだの関節補強用のテープなのだということはきっと調べ尽くして知っているにもかかわらず、目に入ったちいさな花の様子に有利の姿を繋げてしまったのだとしたら…なんとも気恥ずかしいほどの純愛ぶりではないか。 きっと、彼は有利によって…一夜にして何かを変えられてしまったに違いない。 有利の中の何かが、やはりコンラートによって変えられてしまったのと同様に…。 「コンラッド…いらっしゃい!」 「ユーリ…!」 嬉しくって堪らないというように、二人が微笑む。 春が来たことに歓喜する野の花のように…暖かな大気の中を舞う蝶のように… 『全く…浮かれたもんだね』 コンラートはさり気なく後ろ手にブーケを隠したまま、ふわふわとした空気を漂わせて有利と話し込んでいる。 『さぁ…あの男がブーケを差し出すのと、渋谷が店長にどやされるのとどっちが早いかな?』 村田は雲雀のように身を翻すと、新たに席に着いた客の為にオーダー票を携えて行く。 『僕も甘くなったもんだねぇ…』 などと、軽く自嘲しながら…。 おしまい あとがき ええと…く、『黒い次男があの手この手で有利を墜とす話』だったはずなのですが…終わってみればこの体たらく…。 あー…純白と同様、純黒も難しいみたいです…! ビバ、灰色!やっぱりたぬき缶の次男は灰色が一番です…! リクエストして下さったサラ様ごめんなさい…。 黒い次男は余所のサイト様でお楽しみ下さい…。 思いが通じた後のエチ話も入れようかと思っていたのですが、なんだかお腹一杯になってしまったので省略しました。 エロい話はまた今度頑張ります。 色んな意味で中途半端になった感がありますが、部分的に言うとB辺りの『コンラッドに好きだと言われていない有利が、身体だけ煽られて羞恥に身もだえる』所だけは気に入っていたり…。ただ、この展開は前に『愛は宇宙を救う(かもしれない)』という銀英伝のパロでも描いたのですが、やっぱり最後まで行き着けません。 途中で、愛されてもいない(と、有利が思っている)のに抱かれてしまうコトが可哀相になってしまって、次男が反省モードに入ってしまうんです…!そうなると、一気に黒みが減退して灰色ヘタレモードになってしまう…。 上手に黒のままエッチに展開するのは難しいですねぇ…。 精進して、また今後頑張ります。 よろしければご助言などくださいませ。 ブラウザバックでお戻り下さい
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