眠り姫への悪戯
渋谷有利は男前なオトコノコである。

渋谷有利は男前なオトコノコだった。
少なくとも、高校3年生の12月まではそうだった。
だが今、高校3年生の1月4日現在…渋谷有利は………
男前なオンナノコ…になっている。
事の起こりはあまりにもありがちな《アニシナ実験巻き込まれ型事件》の影響であり、彼女の開発した不気味な女体化薬を《とある理由》から服用してしまったせいなのだが、詳細は「初詣クエスト」なる前作を参照されたし。
今現在問題なのは…この《1月4日》という日付である。
それは新学期の足音が、じわじわと押し迫ってきている事を物語っている。
何とか7日までには男性体に戻っておかないと、有利は女の子の姿で登校しなくてはならない。
卒業学年は登校日自体が他の元年よりも短い。しかも、2月期の末に大風邪をひいて結構な日数を休んでしまった有利としては、3学期を丸々休むような事態に陥ると出席日数が足りなくなる恐れがある。
更に言えば、有利は頭が(兄曰く)残念な方である。要するに、授業を殆ど受けずに卒業試験をクリアするような離れ業は到底不可能なのだ。
晴れて高校を卒業して魔王業に専念するためには、なるべく早期に登校しなければならないのである…。
* * *
「どーして眞魔国に呼び出してくんないんだっ!?なー村田!眞王様何やってんだよっ!?」
涙目の渋谷有利が縋り付く相手は、親友(…と言うことになっている)兼参謀の村田健。 《状況説明のために…》と渋谷家を訪れた彼は、その割にはのらりくらりと有利の質問を逸らして心地よい居間でくつろぎ続け、夕飯のカレーを咀嚼しきった後にとうとう我慢しきれなくなった有利に詰め寄られることになったのである。
「んー…あいつは…言ってみればまぁ、何もしてないよ?今のあいつは創主と癒合していた部分を渋谷に滅せられて以来、ウルリーケと協力して空間を繋ぐ以外には大したこと出来ないしね。問題なのはアニシナ様の方さ。どうも…解毒剤が開発出来ないらしいんだ」
「ぇぇえええぇぇええっっ!?」
有利は途方に暮れたようにテーブルの上に突っ伏した。
「まぁまぁゆーちゃん…そうがっかりすることはないぞ?折角だからもっと薄着のシーズンまでそのままでも…。いや…なんだったら今度の週末にでも、お兄ちゃん驕ってやるから温水プールとか行かないか!?」
「欲望に目をキラッキラさせてる兄とは行きたくないっ!」
「何だとーっ!?欲望に目をキラッキラさせてる護衛が良くて、何でお兄ちゃんは駄目なんだ!?血が繋がっててもお兄ちゃんの愛は本物だぞ!?」
「どっち側に本物なのか追求させないでくれっ!恐ろしいっ!!それに、コンラッドの目がキラキラしてるのは、笑うと綺麗な銀の光彩がひかるせいだもんっ!」
華麗に微笑みつつも欲望を滾らせているのは間違いないのだが…相手が恋人となるとそこはOKらしい。まぁ…実の兄(しかもかなり鬱陶しい)と、恋人を比較すればそれは後者に軍配が上がるだろうが。
「それよりねぇ…僕が今日この時間までお邪魔して、ウェラー卿にさりげない目配せを送っているのには理由があるんだけど…聞きたくない?」
『あれをさり気ないと呼んで良いのだろうか…』
絶対零度の凍てつく視線に頬の表皮が強張るのを感じながら、笑顔で逸らし続けたコンラートは内心独白した。
「…この場で聞いて良いことか?」
「そうだねぇ…君の部屋にお邪魔したいな」
にっこりと愛らしく微笑む大賢者に、きょとりと小首を傾げる有利はあまりにも大物だ…。あの底知れない腹黒い笑みが見えないのか、故意に逸らしているのか不分明なところである。
* * *
有利の部屋でさっくりとした事情をコンラートが語ると、有利は深々と吐息を漏らした。
「……………そんな約束したのかよ?」
「……………すみません」
元日に村田から子宝飴を受け取った有利は、それがなんなのか知らずに往来で口にくわえてしまった。それが端から見ればどれほど淫靡な姿なのか自覚させられたのは、その日の数時間後のことである。それはもう…嫌と言うほど眼に刻まれたので、有利とて二度とあんな飴を受け取ったりはしないと心に誓っている。
しかし、知らずに舐め続けようとしていた有利を止めるために、コンラートが村田に持ち出した提案というのは初耳であった。
『村田が引き下がる代わりに有利のコスプレ写真や動画を提供する』
…そんな密約、何故交わしたのかと問いつめたいところだが…流石に相手が村田となるとコンラートの腰の低さも理解出来なくはない。
何しろ、4000年の時を閲してくさやの干物を漬け込む液並に熟成してしまった彼の根性は凄まじいドドメ色だ。さっくりとコンラートが事情を有利に耳打ちしようものなら、どんな報復が待ち受けているか分からない。
「もう…しょーがないなあ」
ふぅ…と呆れたように息を吐きながらも、有利はとんっと胸を叩いて請け負った。
「やってやるよ。約束だってんならさ」
苦みを含みながらも口元に閃く笑みは鮮やかで、なりは女でも《漢》な有利の性格を伺わせる。
「すみません、ユーリ…。どこかで切り出そうとは思っていたのですが、ここ数日…勝利がセーラー服やメイド服を持って迫ってくるたびにユーリが絶叫して嫌がっていたので、同類視されやしないかと心配で言い出せなかったんです…」
「いいって、コンラッド。元はと言えば俺のためにしてくれたことだろ?」
しょぼんと項垂れるコンラッドを励ましさえする態度は、やはり何処までも男前である。
「ふぅん…流石にウェラー卿絡みだと聞き分け良いなぁ…どこまでお願い事聞いてくれるもんだか、試したくなるね…」
村田の半眼の眼差しが…流石の有利も《怖い》と感じてしまう。
次は一体何を企んでくるのだろうか……。
「…でもさ、村田…他の奴には絶対に見せないって…特に、勝利には見せないって約束してくれるか?」
恐怖のあまりか…うるりと水膜を張った黒瞳はあまりにも愛らしく、村田(…と、実はコンラッドも…)の嗜虐心をずくずくと刺激することに有利は気付かない。
気付かないから幸せ…ということもあるだろうが…。
「じゃあ、どれから着る?」
村田はにこにこ顔でスーツケースを開くと、溢れんばかりの衣装を床に広げて見せた。
その衣装のラインナップ自体は勝利のものとそう相違がないのだが、布の縫製やデザインの秀逸さは段違いなものがあり、着るものには無頓着な有利でさえ、これには目を見張った。
「なんかこの布…凄い手触りが良いんだけど……」
「ああ、上質なシルクで作られているからね。こっちのレースなんかは年代物のアンティークだよ?メイドファン的には垂涎の品だと思うね」
「………なんでたかがコスプレ服程度にそんな品質追求してんだよ…」
「たかがとは何だよぅ!こういうのは実際に着てみると仕上がりが段違いなんだぞ!」
「…つか……そういえば村田、お前…金がないから俺の食いかけのフランクフルトやポカリ掠め取って飲み食いしてたよな?そんな奴が何でこんなもんが買える金もってんだよ?」
有利にしては(←失礼)鋭い指摘に、村田はあはは…と緩い笑いを浮かべた。
「や…やだなぁ…こういう物にお金を注いでいるからこそだよっ!」
「そーなのか?でも、これからは自分の食い扶持は自分で出せよ?俺だって懐ぴーぴーなんだからな!今回グウェンダルが持たせてくれた貴金属類の換金分だって、全部お袋が管理しちゃったし…」
有利はやっぱり有利だった…。
有利との間接キスを村田がそっと楽しんでいるなどとは露程も思わず、本気でお金をケチるためにしていた所行だと思っているらしい。
「君って奴は…」
大賢者の目にも涙…うっかりほろりと来てしまいそうだ。
「んー…ところで、これ全部着るのか?」
「出来ればね。これでも厳選したんだよ?」
「はいはい…」
有利は諦めたように無難な裾丈のセーラー服を選ぶと、威勢良く着ていたトレーナーを脱ぎ始めた。
「ま…待っーっっ!!」
絶叫するのはコンラートだ。
正直な話、ルッテンベルクの獅子にこんな情けない悲鳴を上げさせることが出来るのは有利くらいなものだろう。
「猊下の前で着替えなんて…っ!今のお身体のことを分かってらっしゃいますか!?」
「あー、そっか」
先程まで意識していなかったせいで勢いよく脱ぎかけていたトレーナーを、慌てて下ろすと両手で裾を握ってもじもじしてしまう。
「村田…着るまで、出ててくれる?」
上目づかいに頬を染めてお願いされれば、ポーカーフェイスが売り物の大賢者ですら鼻の下が伸びそうになるのを必死で止めねばならない。
その愛らしさ…凄まじいばかりの破壊力である。
「いいけどさ、今みたいな硬いサポーターを下に着とくのは反則だよ?折角女の子なんだしぃ…。下着類は僕がサイズに合わせて買っておいたから、ちゃんと着てね?」
「げ…」
「げ、猊下っ!…そんなっ!」
詰め寄るコンラートの耳に、甘美な囁きがもたらされる。
『着せた下着は…君が買い取ってくれるのならあげてもいいよ?ほら…渋谷が普段着てる下着って、色っぽさの欠片もないだろ?ボクサータイプの綿パンツとか、胸が2サイズは小さく見えるスポーツブラとかさ…。ねぇ、ウェラー卿…ガーターベルトとか、色っぽいレースのブラジャーとか…愛液でシルクのショーツが濡れて、下の陰唇が透けちゃうとことか見たくないの?流石にそれを撮影しろとまでは言わないからさ…。それに、今日撮影した映像は君にもコピーしてあげるよ?』
『…………り、了解しました……』
有利に《ゴメンナサイ…》とは思いつつも、そこは正直な男心…正確にはオヤジ心…この甘やかな申し出を断ることは出来なかった。
「ユーリ…折角ですから、下着もちゃんと着ましょう?俺も、普段のユーリとはまた違った美しさを、どうせ見るのなら完璧な形で見せて貰いたいな」
「ウツクシイってあんた…俺なんて…別に……そんな大層なもんじゃ……」
「いいえ、綺麗ですよ?男の子の時の若木のようなしなやかな美しさとまた違う、華奢だけど弾力があって、どこか和らぎを帯びた流線が…とても綺麗だ……」
この男がホスト業などにつけば、あっという間に億単位の金を稼ぎそうな気がする…。
ただ、本人に有利以外を口説く気など微塵もないので、あくまで可能性だけの話なのだが。
対有利限定の蕩けるような口説き文句に、案の定ぽぅ…とまろやかな頬を染めて有利が呟く。
「そ…そっかな?」
「ええ、こんなに綺麗なんですから…俺も見てみたいな…この身体を最大限に生かす衣装というものを……」
「ん……」
小さくこくりと頷いた有利に、村田はくすりとほくそ笑んだ。
* * *
多種の制服(白と濃紺の夏服セーラー服短いネクタイつき・紺色冬服セーラー服赤いスカーフリボン・ミッションスクール系ブレザーの夏・冬服)を筆頭に、猫耳メイド服、多種の美少女戦士服、巫女服、フリルとリボン満載の乙女系ドレス、背中が大きく開き、腿の付け根から走る大きなスリットが魅力的な不二子ちゃん風ドレス(ガーターベルトにモデルガンつき)、ミニスカポリス、白衣の天使(小さな羽根つき)、胸を強調するチャイナ服に異世界戦士風の衣装まで、有利は次々に着替え、ポーズを取り…村田がやっと満足する頃にはすっかり夜も更けてしまった。
『ま…こんなところかな。お疲れ様』
素っ気ない言い回しながらも、無意識にほくほく顔になる大賢者様は意気揚々と引き上げていった。
「ふぁぁ…疲れた……」
「お疲れ様です」
くったりとベットに横たわる有利は、最後に身につけていた異世界戦士風露出度満点衣装を身に纏っている。
異世界風と言いつつも、眞魔国風では決してない。
眞魔国でこんなものを女性が身につけようものなら、アニシナ辺りが女性の権利だなんだと大騒ぎすることだろう。
ほっそりとした首には密着する形で細かな細工を施された鞣し革の首輪が填められ、そこから胸を覆う半透明の布はノースリーブで、微かに色違いの…真珠色…薄桃色…薄水色の布で構成されているため、動きに合わせて光の加減が変わるたびに色彩を変えてみせる。いずれも薄いので、下着が覗けそうなのだが…微妙な加減で見えないもどかしさがまた堪らない。
腰は幅広の布できゅっと絞られ、右脇でふんわりと大きなリボン結びにされている。その腰布の上には鞣し革の飾り帯の他に、幾重にも巻かれたラインストーンがきらきらと光を弾いている。
そしてすんなりとした脚を覆うのは、ルーン文字のような複雑な紋様が織り込まれた、膝上15pくらいまでの黒いショートストッキング。その上縁はこれまた複雑な模様のガーターベルトに繋がり、銀細工の留め具が鈍い光沢を放っている。
上体を覆っているのと同じ布がその下肢を覆っているものの、サイドに大きなスリットが入っているせいで、少しでも動くと下に身につけているショーツが見えそう…なのだが、これまた微妙な加減でギリギリ見えない。特に、股間部分を隠すように逆三角形の鞣し革が帯び紐から垂れ下がっており、これが邪魔で見えなくなっているのがまたもどかしい。
『流石は猊下…このチラリズムの追求具合に衣装の完成度は凄まじいものがあるな。サイズがぴったり有利に適合している点から考えても、有利が女体化してからこの日のために作らせたとしか思えない…』
しかし、それほど手の込んだ衣装であるにもかかわらず、村田は有利の撮影が終わると、
『それは君にあげるよ』
と言って、この衣装と下着一式は有利にあげてしまったのである。
そして、有利は今現在手首にリストバンド程度の幅を持つ鞣し革が巻いているのだが…ここに取り付けられている金具について、村田はそっとコンラートに耳打ちしてきた。
『ウェラー卿…この金具はね、ここをこう…ちょいっと引っかけるだけで拘束具になるんだよ?』
この、コンラートのオヤジ心を擽るサービス満点な処置に…逆にコンラートは不安を感じた。
『話がうますぎやしないか?』
村田は有利の恋人になりたいという希望を持っているわけではないと思う。
もしそうなら、どんな手を使ってでもコンラートを抹殺しているからだ。
ただ…村田の有利に対する執着心は、《恋人》というベクトルに向かっていないというだけで、ある意味勝利よりもたちの悪い部類に入るのではないかと思う。
彼の性癖は、《観察者》というタイプなのではないだろうか?
有利という素材の全てを観察し、裏の裏まで、奥の奥まで晒し出して見てみたい。
おそらく…そうさせるための素材としてコンラートが最適だと思うからこそこうして生かされ、援助さえされているのではないだろうか?
しかし…《観察者》たる村田が、何故セックスシーンについては撮影を要求してこないのか?
おそらく、そこまでは有利が許さないからだ。
村田健…彼は何者をも恐れない怪物的な少年だが、彼が唯一恐れているものがあるとすれば…それは有利に嫌悪され、軽蔑されることだ。
…以前、創主に取り込まれた眞王を解放するために、敢えて瘴気の満ちる空間に有利を突き飛ばした彼は、全てが解決した後で有利にまみえたとき…何かを酷く恐れているようだった。
思えば…あれは、有利が何を言い出すかを恐れていたのではないだろうか?
『俺を利用したんだな…』
『あんな瘴気の中に突き飛ばして…俺がもしそのまま取り込まれても平気だったのかよ!?』
そんな罵声と…憎悪を恐れていたのだろう。
けれど、有利は笑った。
『全部上手くいって良かったなぁ!』
腹に一物どころか万物も抱え込んだ村田やコンラートの笑みとは違う、底なしにからりとした衒(てら)いのない笑顔。
全てを赦し…包み込む笑顔にどれだけ彼が救われたか推し量ることは出来ない。
『だからこそ、余計に病的なまでの執着を感じるんだろうな…』
有利が本当に嫌がることは出来ない。
だが…有利の全てを見尽くしたい…。
二律背反した思いを整合させるための手段として選ばれたのが、コンラートというわけだ。
『おそらく、猊下はこの部屋に入ったときに何か細工をしているに違いない』
有利には金がないと言っていたが、ボブの情報によればある種のソフト開発や株取引などで彼が稼ぎ出している財産はかなりの額に登るという。しかも、税金対策を万全に施してさえいるというから、自由になる金額は相当な物だ。
彼ならば、コンラートに気付かれないような超小型・高性能なカメラ・マイクを取り付ける事も可能だろう。
『どうする?』
有利は余程疲れたのか、薄着の不思議衣装のままうとうとと眠り掛けている。
その無防備な寝顔は何ともあどけなく…ほぼ露わになる身体の線は咲き初めたばかりの蕾のもつ清楚さを呈しながら、綻んだ花弁の合目から薫る蜜の甘さが…咲き誇る瞬間の淫靡さを予感させる。
じっくりと解し、開花させた瞬間の艶やかさを…コンラートは既に知っていた。
ごくり…と喉奥が上下して、コンラートは己の雄蕊に甘やかな痺れが伝わってくるのを感じていた…。
* * *
「この様子だと…気付いてるな?」
村田は深夜の帰路上で、自分の手の中で発光する手帳サイズのディスプレイを見つめた。
有利の部屋に取り付けたカメラは順調に廻っており、イアホン越しに聞こえる音声も…すうすぅと健やかに響く友人の寝息さえ傍に寄り添っているかのように感じ取ることが出来る。
ディスプレイには部屋のそこかしこに注意深く視線を向けるコンラートの姿と、しどけなくベットに横たわる有利の姿が映し出されている。しかも、スイッチを切り替えれば最大5画面が角度を変えて提示される。そう…村田は巧みに角度を変えて、ほぼ360度有利の姿を捉えられるように監視カメラを設置しておいたのだ。しかも、その全てのカメラからの映像が自宅にある装置に録画されているので、《肝心》な瞬間をあらゆる角度から堪能することが出来る。
「さあ…どう出る?ウェラー卿…」
興味深く見つめる先で、コンラートは携帯電話を取り出すと、思いのほか素早い動きで器用にメール文を作成し始める。
暫くすると、村田のコートのポケットに入れていた携帯が震えだした。
受信メール一件。差出人は《護衛》。本文は…。
『明日には、カメラと集音マイクを全て撤去して下さい。ユーリの生活全て見て、記録するというのは流石に酷いでしょう?了解していただけるようならメールを返信して下さい。許容して頂けないようでしたら、カメラを探し出してユーリに提示します』
「ふぅん……」
精一杯の譲歩と言うことか。
村田は小さく頷くと、返信メールを打ち込んだ。
* * *
「ユーリ…こんな格好で眠ったりしたら風邪を引きますよ?」
「んん…」
優しく耳元で囁いても、有利は眠りの花園に半分旅立ち掛けているのか…嫌々をするように枕に頬をすり寄せてしまう。
「ユーリ…」
そっと首筋に口吻を落とせば、感じやすい身体はふるりと身を逸らすものの、未だ覚醒には至らないようだ。
そろ…と胸を覆う布をずらせば、右の膨らみを覆うブラジャーが露わになる。
細かなレースが小花模様を描くブラジャーは、紫陽花のように可憐な色彩を帯びており…その模様と溶け込むようにして、うっすらと桜色の尖りを垣間見ることが出来る。
コンラートの大きな手がすっぽりと乳房全体を包み込み…柔らかく…ゆったりとした動きで揉み込めば、有利の鼻奥からは甘い声音が微かに漏れだしてくる。
こて…と仰向けになった勢いで左の胸も布から解放すれば、ブラジャーに包まれた形良い膨らみが、首元から下腹に伸びる紐で分断されるような形になる。緊縛されているようにさえ見えるその《紐》のせいで、紫陽花のブラジャーに包まれた膨らみはコンラートの唇を待つように(…些か自分に都合の良い解釈ではあるが)、ぷっくりと強調されて見えた。
『一息に剥いてしまうのでは勿体ないな』
多分、カメラの向こうの《観察者》もその様に考えていることだろう。
れ…る……
「ぅ……ん……ゃん……」
コンラートの熱い舌が、薄いレース越しにたっぷりと唾液を絡めれば、その擦過と共に染みこんでくる熱い液体が刺激となるのか、有利はもじもじと大腿部を擦り合わせるような動きで感じ始めていることを恋人に知らせてしまう。
気をよくしたコンラートは少しだけブラジャーの上縁をずらすと、ぷく…と立ち上がりかけた桜色の尖りを指としたとで執拗に愛撫しはじめた。
ころころと舌先で転がし、甘く噛みつき、柔らかな乳輪ごと強く吸い上げる…。
口内からきゅぽんっと音を立てて解放すればその刺激にすら感じたのか、有利の喘ぎが強いものに変わっていった。
意を得たとばかりに調子づいた指はするりと内腿を撫で上げ、一際肌理(きめ)の細かいその肌質を楽しんだ後…トントン…っとノックをするようにショーツに包まれた陰部を刺激する。
思わず、くす…と楽しそうな笑みがコンラートの喉奥から零れてしまう。
見られているとは知りつつも、恋人の感じやすい身体にはついつい喜びを覚えてしまうのだ。
そのまま優しく布越しに陰核を擦っていけば、とろりと溢れ出す蜜が真珠色のシルクに染みを作り出し、ぬち…くち…と淫猥な水音が小さな部屋の中に響き始める。
「ゃ…ぁ……っ」
荒くなっていく息づかいに合わせ、起きているときよりも欲望に忠実な身体は、優しすぎる指遣いを不満に思うように己の手を陰部に彷徨わせる。
コンラートは恭しくその手を取ると、下着の隙間からその指先を蜜壷の中へと招き入れた。
そして…股間を隠すように垂れ下がる逆三角形の鞣し革を摘みあげると、有利の動きがありありと眼前に饗される。
「ぁ……はぁ……」
ぬちゅ…
ぐちゅ……っ
有利の指は以前お覚え込まされた場所を忠実に辿り、不器用な手つきながらも懸命に自分の感じる場所を求めて蜜壷を抉り出す。
シルクの下着の中で少女の指が蠢くたびに愛液の量は増え、もっと感じたいと言うように開かれていく下肢の間で腰が浮かんでいき、コンラートに見せつけるようにしどとに濡れた陰部を晒していく。
すんなりと伸びる下肢を覆う艶やかなストッキングの光沢と…ガーターベルトの絶妙な絵図ら…。そして…その下肢の間で演じられる狂宴は、凄まじいばかりの淫靡さでコンラートを惑乱させていく。
「…っ」
激しい指遣いに合わせて揺れるショーツの影からちらちらと陰部が垣間見え、芳しい雌の香りがコンラートの雄蕊を育てていく。
今すぐにでも挿入してしまいたい。
硬く前立てを押し上げる巨大な雄蕊で、この濡れそぼるいやらしい肉を刺し貫いてやりたい…。
だが…眠りながら放埒に性欲を求める有利の姿などそう見られるものではない。それも…こんな扇情的な衣服を纏った状態で…。
コンラートの指は自分の雄を慰める代わりに恋人の陰部へと這わされ、つぃ…とショーツを横にずらすと露わになった陰核へと舌先をちらつかせる。
「はぅん…っ」
とぅんっと腰を跳ねさせた有利は、指より心地よい刺激をくれそうな舌を受け入れ、コンラートのさらさらとした髪に愛液で濡れた指を絡めて自分の陰部に押しつけようとする。
しかし…コンラートはいったん身を引くと、両の指先で陰唇をぴらりと開いて見せた。
ごく…
カメラ越しにこの映像を観察しているだろう村田の、喉が鳴る音を感じたような気がした。
剥き出しになった性器は淫猥な形状をしているにも関わらず、ひどく清楚な紅色を呈して…まるで厭らしい行為など何も知らないとでも言いたげに愛らしく…慎ましやかに見えるのだ。
しかし、その襞を…奥まった肉壁をぬめぬめと塗らす液体は紛れもなくこの少女から溢れ出た蜜であり、その馨しさは雄を誘わずにはいられない。
「……ゃうっ!」
2秒程度の静止時間をおくのが精一杯だった。
もう…どうにも堪らない欲望を抑えきることは出来ず、コンラートは鼻先を埋めるようにして有利の肉襞にしゃぶりつき、犬のように陰核を舐る一方で奥津城を2本の指で掻き回すのだった。
「ぇ……えっ!?」
幾ら強い眠気に襲われていたとはいえ、ここまでされて覚醒しないはずがない。有利は漸く我を取り戻すと、自分の置かれている状況に悲鳴を上げた。
「やーっ!!」
絹を切り裂くような可憐な悲鳴に、隣室からドンッと強い衝撃音が聞こえた。
「ゆーちゃん!どうしたんだ!?」
すぐにドタバタとまろぶようにして駆けてくる物音が響き、有利の部屋のドアが荒々しく打ち鳴らされる。
「どうしたんだゆーちゃんっ!有利っ!!」
「…な、何々?何かあったのか、しょーちゃん!?」
大騒ぎする勝利の様子に、1階の居間からも血相を変えた両親が駆け上がってくる。
『大変なことになってしまった…』
より強くそう思ったのは果たしてコンラートと有利どちらの方であったのか…。
「な…何でもないよっ!」
必死で有利が叫ぶが、そうそう勝利が納得するはずがない。
「何でもないならここを開けなさいゆーちゃんっ!そこに護衛もいるんだろう!?襲われてたんじゃないのか!?」
《そうです》などと言うわけにもいかず、有利は涙目でコンラートに訴えてくる。
『何であんなコトしたんだよっ!』
責めるような…困ったような涙目はうるる…っと黒曜石の瞳を彩り、このまま家族の聞いている中で貪りたいという欲望すら抱かせる。
…が、すんでの所で獣じみた性欲を押さえると、コンラートは落ち着いた声を出した。
「すみません、ショーリ、ミコさん、ショーマ…俺がユーリにコップの水を掛けてしまったんですよ」
「そ…そうなんだ!冷たくて…吃驚して……っ」
言いながら、有利は実際問題として自分を覆うこの薄布群のとんでもない場所に、《冷たい》場所を見いだして頬を真っ赤に染めた。
ブラジャーの一部…本来なら乳首を押さえていたろう部分がじっとりと濡れ、ぴこりと飛び出して濃い紅色に染まった乳首もまた、ぬらぬらと厭らしい光沢を湛えている。
そして…ショーツに至っては、陰部に接する殆どの場所がびしょびしょに濡れてぴちゃりと肌に張り付く。それでいて、その冷たさを感じる場所自体はじんじんと充血しているような腫れぼったさと微妙な快感を呈しているものだから、眠っている自分に恋人がどんな無体を働いたか十二分に語っていた。
『こ…コンラッド……紳士だと思ってたのに…っ!』
有利はふるふると細い肩を震わせて怒りを露わにするが、村田あたりにコメントさせれば、《この期に及んでウェラー卿を紳士だと思ってる時点で、君の無知蒙昧ぶりに驚嘆するよ》とでも言うかも知れない。
「着替えたらすぐ行くからさ、部屋戻っててよ」
怒りを何とか収めて有利としては平静な声を出すと、両親の方は長男の大袈裟ぶりに慣れているのか、《またか》とでも言わんばかりに居間へと降りていく。
勝利の方はまだ疑わしげに扉の前で佇んでいたようだが、それでも幾ばくかの後に自室へと帰っていった。しかし…おそらく先刻はヘッドフォンでギャルゲーに埋没していただろう彼が、暫くの間隣室に聞き耳を立てているだろう事は疑うべくもない。
よって…有利は怒りをそのまま態度や声に出すわけにもいかず、いそいそと布を広げて胸を覆うと、コンラートを警戒するように薄布と鞣し革とで股間をガードした。
「コンラッド…何で…なんで、眠ってる俺にあんなコトしたんだよ!」
「ユーリ…」
「酷いよ…っ!」
ぽろ…と綺麗な涙の粒が大きな瞳から零れ、まろやかな頬を伝い落ちていく。
これは…天罰なのかも知れない。
村田が見ていると知りながら…コンラートは有利の身体を嬲ろうとした。
しかも…半ば見られている事実に興奮を感じていたことを否定することが出来ない。
多くの者を魅了するこのうつくしい身体を抱くことが出来るのは自分だけなのだと知らしめるように…見せつけるように…歪んだ欲望でこの人を抱こうとした。
歪んだ独占欲で、彼を貪ろうとした…。
今更…赦しを請う資格など、自分にはありはしない…。
「…」
項垂れるコンラートをどう思ったのだろう?
有利は暫く小さな子どものように手足を縮め、ベットの片隅に逃げ込む子猫のように怯えた姿勢を見せていたが…不意に自分の頬をぱぁんっと平手で叩くと、ぶるっと頭を振って立ち上がった。
「こんなもん、二度と着るもんかっ!」
毟り取るようにして、荒々しい仕草で衣服を脱いでいく有利。
その荒ぶる動作の一つ一つが鮮やかで、まるで奔放な女神のように…襞を作って宙を舞う薄布や、灯火を受けてきらきらと輝くラインストーンが翻る様…何より、その中心で燃え上がる焔(ほむら)のような有利の姿に、コンラートの瞳は釘付けとなった。
自分を覆う全ての衣服を抜き去った有利は、一頭の獣のように挑戦的な眼差しでコンラートを睨め付けた。
「この身体が…女の身体が…そんなに良いかよ…っ!眠ってるトコに悪戯したくなるくらい、いやらしくて襲いやすかったのかよっ!」
隣室に潜む勝利に聞こえぬよう落とした声音ではあったが…奥底に響く怒りはコンラートの胸を凍らせるに十分すぎるものであった。
有利に…軽蔑された。
それは、コンラートにとって《死ね》と言われていることと同意であった。
「すみませんでした」
「言い訳とか…しないんだ」
床の上に端然と正座し、眇められた眼差しと引き結んだ薄い唇とはあまりにも精悍で…あまりにも潔くて…怒りのままに罵声をあげかけた有利を次第に消沈させていく。
「言い訳など…出来ません。全て、俺が悪いのですから…。恋人とはいえ、眠る貴方を…それも、不本意な身体に…更に不本意な衣服を纏わされ、疲れて眠るあなたに悪戯をしてしまった…。本当に…すみませんでした」
深々と為される礼は武人の魂を削るような行為で…そうさせている有利の方が戸惑い、反射的に自分の口元を手で覆ってしまう。
そして…有利は気付いたのだった。
自分の指が…水に漬けていたかの様にふやけていることと、独特の香りを放っていることに。
「…っ、ま…さか……」
はっとして、有利は自分の両手を確認し、記憶の襞を解きほぐし始めた。
「俺…俺……さっき…なんかほわんとした夢見てて…気持ちよくて…コンラッドが起こす声が聞こえてたのに…起きられなくて…」
次第に有利の顔色が青ざめ、へなへなとベットの上にしゃがみ込んでしまう。
「そしたら…何か気持ちよくなっちゃって…俺…自分で……っ」
自分で…自分の指で…恥ずかしい場所を、慰めてしまった。
そんな姿を見せつけられて、欲情しない恋人などいるだろうか?
なのに…そんな有利の行為をあげつらうことなく、《誘われてしまった》ことを秘して頭を下げたコンラートの心を…有利は踏みにじってしまった。
「ごめ…なさ…………っ」
「え…?ち、違いますよユーリ!?悪いのは俺で……っ!」
急に自分を責め始めた有利に、慌ててコンラートが詰め寄ってきた。
「ユーリが謝るようなことは何一つ無いんですよ?確かにユーリは自分の指で…その……弄ったりはしてましたが、そもそもそうさせてしまったのは先に俺が胸を弄ったりしたせいで……」
「だ…って……っ…!俺だって…こんな格好の女の子が無防備に寝てたら、ちらっとパンツとか見たいとか思ったっておかしくないのに…っ!俺…一方的にコンラッドを責めちゃって……っ!」
「ですから…それは……」
流石に村田の計略で、この部屋にカメラが設置されているのだと、あんな行為を晒した上に今現在全裸でいる有利にはとても言えない。
「ゴメン…ゴメンね……」
ひっく…
えく……
幼子のようにしゃくり上げる有利の身体にコンラートはそっとシーツを巻き付け…怖がらせないように…優しく優しく、壊れやすい宝物を扱うような仕草で抱きしめた。
実際…この子はその通りの存在なのだから。
「じゃあ、俺もゴメンナサイ…。お互い謝りっこをして許し合うというので如何ですか?」
「許して…くれる?」
鼻の頭も結膜も赤くして涙に濡れた頬の可愛い恋人に、こっくりとコンラートは頷いた。
「ユーリが許してくれたらね」
「うん…分かった……」
くしゅ…と洟を啜って、有利はあどけない笑顔で微笑むのだった。
* * *
暫くコンラートに抱き込まれて頭髪を撫でられていると、安心してきたのだろうか…ぽつりぽつりと有利が口を開き始めた。
「俺…どうしてあんなに腹が立ったのか、自分でも最初は分かんなかったんだ」
「怒ってもしょうがないでしょう…あれは…」
「ううん…もしも、男の身体の時にされてたんだったら…俺、吃驚としたと思うケド…そんなに怒ったりとしてないと思う。俺が腹立ったのはさ、多分…この身体に嫉妬したんだよ」
「嫉妬…?」
「ん…この身体ってさ、オンナノコな訳じゃん?意識がない俺にエッチなコトされたってことで、俺がどんなやつでも関係なく、このオンナノコの身体だけ欲しがられたんだと思った……」
コンラートの腕に力が籠もり、有利も強く顔を胸板へと擦りつけてくる。
「何処もかしこも柔らかくて、あんたを受け止めやすくて…そんなに馴らさなくてもじゅるじゅるに汁を零す厭らしい女の身体…俺の意識よりも、抵抗しない人形みたいな身体の方が良いって言われてるみたいに感じて……」
有利はほろりと一粒涙を零すと、縋り付くようにコンラートのシャツを掴んだ。
「怖かった……っ!」
「ユーリ……」
コンラートは胸を抉られる思いで、その告白を聞いた。
女性体になったことで有利の受けた衝撃の奥深さを、今更ながらに突きつけられた思いがしたのだ。
だが…訂正しておかなくてはならないことは間違いなくある。
「あなたを…あんな形で傷つけた俺はやはり許されざる存在だと思います。これが他人のしたことなら…俺は間違いなくその男を惨殺している」
「コンラッド…っ!」
「ですが…これだけは聞いて下さい。俺は、あなただからこんなにも魅かれ…理性を無くしてしまうくらい貪ろうとしてしまうんです。俺が…あなた以外の者にそんな執着を見せたことがあるというのなら、おそらく猊下は…俺があなたに想いを伝える前に抹殺してきたと思います」
「…なんで村田?」
「あの方のあなたへの執着も凄まじいものがありますからね。俺にとってあなただけが初めて得た宝物なのだと…何よりも大切な存在なのだと、そして…あなたもまた俺に執着していてくれる…そのことを認識していなければ、決して俺達の仲は許されていませんよ。何しろ、あなたは猊下にとって極めて大切な存在であると同時に、眞魔国や世界にとっても鍵となる存在でしたからね」
「そっか…」
村田の執着云々は自覚出来なかったようだが、創主との戦いで有利の演じた役回りを考えれば在る意味での《大切さ》というのは理解出来たらしい。有利はこっくりと頷いた。
「そっか…あの村田が認めるくらいだもんな…。コンラッドって…端から見ても、その…俺のこと…好きって分かるのかな?」
言ってから、かぁぁ…と首元まで朱に染める初々しい仕草に、堪らずコンラートは笑み崩れてしまう。
「それは…分かるでしょう…」
「そ…そっか……」
脳が爛れるほどの甘い甘いやりとりを…村田はどんな想いで見ているのだろうか?
「ユーリ…一つだけ聞いても良いですか?」
「何?」
「猊下は…色々問題のある方向からではありますが、ユーリのことをとても大切に思っているのは間違いないと思います。それはまぁ…色々と悪戯を仕掛けてくることはあるでしょうし、今日みたいに趣味丸出しの行為に付き合わせたりもするでしょうが…」
「………そーだね」
「それでも、猊下を好きですか?」
有利は唐突とも思える問いにきょとんとしていたようだが、すぐに浮かべて見せたのは…
破顔一笑…鮮やかな笑顔の一閃であった。
「そりゃそうだよ!コンラッドとは違う意味でだけどさ…結局なんだかんだ言って、あいつってば俺にとっては一番の友達だもん」
ぱちん…
部屋中に配備された録画・録音装置が一斉に動きを止めた音を…コンラートの卓越した聴覚は捉えていた。
村田が…有利の想いに自分行為を恥じた瞬間であった。
「ユーリ…ね、ユーリの身体は男性体でも女性体でも変わりなく俺を刺激してやまないんですよ?何でしたら、男性体でお休みの時にフェラチオをしますが…」
「い…いいよっ!もう良いからっ!俺が寝てるときは男女の別なく起こしてから致して下さいっ!」
「では…今しても?」
「う……」
聞き耳を立てている勝利に気付かれぬよう嬌声を殺す自信は有利にはなかった。
「今から…抜け出さない?」
「ええ…良い考えですね」
二人は視線を交わすと、悪戯を思いついた子どものような瞳で…ぷっと笑い合うのだった。
おしまい
あとがき
年末にこっそり描いた女体化裸ゆーちゃんを気に入ってしまいまして、ついついお正月話としてリクエスト頂いていた話の続編とリンクさせてお話にしてしまいました。でも…合わせて書いたはずなのに微妙に話の展開と絵が合ってない…。のは、見逃して下さい。
女体化エロが好きなことも見逃して下さい。
このシリーズが続いてしまいそうなことも見逃して下さい。
某氏のリクエストの「女体化したコンラッドを背伸びして守ろうとするゆーちゃん」にも萌えたので、この路線で「ダブル女体化で百合エッチしちゃうコンユ(←やっぱりコンラッド攻め)」を次に書いてしまいそうなことも許して下さい。
色々と見逃して欲しいことが多い狸山でした…。
|