「仕事のお時間」C
「はあ…?」 どうもここ数日、有利にとっては開けた口が閉じられないような事態が続いている。 有利の反応に気をよくしたのか、少女は《ふふん》と鼻で笑って廻りの様子を見やった。 さわさわと囁き交わす観衆は暫く盛り上がっていたが、そう時間も経たないうちに黙り始めてしまった。彼らの殆どはコンラートの自称婚約者に関わる《ある事実》を熟知していたので、いまさら立ち騒ぐこともないと思っているのである。 ただ、様子が分からず何事かと色めき立った兵士達は、観衆に紛れて有利のすぐ近くまで接近していた。 「…どうしたのです、お前達。このミツという嘘つき娘を糾弾しようという者は居ないのですか?」 「お嬢ちゃん、気持ちは分かるけど…お引き取りなさった方が良いんじゃないかね?」 「気安く触らないで頂戴!」 びしぃっ!と畳んだ扇でマロンの手が叩かれると、これには有利も黙っていられなくなった。 「何すんだっ!」 扇を掴む有利を、メリエールはお嬢様育ちとは思われないような荒々しい手つきで振り払う。 瞬間…兵士達が剣の柄に手を置いたが、店から出てきたコンラートの手に制されて動きを止める。 「離しなさい、無礼者!」 自分がどんな危険に身を置いているか気づきもしない少女は、容姿と財力に恵まれたもの独特の傲慢さで振る舞いつづけた。 「婚約者だかなんだかしらねぇけど、何も悪いコトしてないばーちゃんの手を叩くような女、コンラッドと結婚なんてさせねぇからなっ!」 「結婚させないですって?お前のほうこそコンラート様と結婚するだなんて子どもっぽい嘘だったのでしょう?憧れの方に迷惑を掛けるなんて、厭な子だこと!」 「そんなの俺が言った訳じゃないって言ってるだろ!バーグナーさんが勘違いしただけだ!」 人を小馬鹿にしたようなメリエールの物言いに、有利は腰に手を当てて怒りを露わにした。 「でも!コンラッドが俺にとって大事な人なのは本当だよ。世界で一番大好きな人だ。だから、あんたみたいなヤナ女がなんて言ってきたって絶対結婚なんてさせないからな!」 妙ににこにこと機嫌が良さそうな男が、《フォルクラント》から現れた。 その意味するところが《大親友》だとは分かっていても、《世界で一番大好きな人》というフレーズはやはりいいものらしい。 「当たり前ではないの。お前、何者?使えなくなった鉄瓶の様な髪をして!大体、その黒い丸眼鏡は何?目が悪いにしたってセンスが悪いことこの上ないわ」 鼻を鳴らすというお嬢様とは思えないような仕草をしてみせると、メリエールはもうこのような場所に立っているのも嫌だというように、くるりと踵を返して馬車に向かった。 有利がコンラートと結婚するわけではないと確認して、一応満足したのだろう。 「おやおや…お嬢ちゃん、自分が婚約者だと言い張る《想い人》を前にして、随分な態度だねぇ?」 マロンが呆れ果てたように嘆息すると、メリエールは眉を顰めて振り返った。 「まだ言うかこの愚か者!私はこのように見窄らしい男など知らな…」 メリエールは…振り返った形のまま、かっちりと凝固してしまった。 やや前屈みになっていた背筋をしゃん…と伸ばし、鉄錆色のぼさぼさしたかつらを取り払ってふるりと頭を巡らせば、それだけでもうよく知られた容姿が人々の前に顕現する。 『まさか…まさか……っ!』 信じたくなくて硬直するメリエールの前で、コンラートは残酷なまでに艶やかな眼差しをひらいて見せた。 琥珀色の瞳に散る、銀色の光彩…。 それはまさしくウェラー家の特徴的な瞳であった。 「そんな…っ!」 愕然として身を震わすメリエールは、途端に繊弱な女性に変わってしまったかのようであった。なよなよとよろめくとコンラートの胸にもたれ掛かろうとするが、するりと避けられてしまう。 「こ…コンラート様…これはどういうお戯れなのでございますか?」 「戯れというか…この方をお側でお守りするために変装していただけだよ?それより、君…まだ俺の婚約者だと廻りに言い続けているのかい?」 「だって…ダンヒーリー様がお決めになったことですもの!」 「だから…何度も言っているだろう?」 はぁ…とコンラートが溜息を漏らすと、堪りかねたようにメリエールの瞳に涙が盛り上がっていった。 「父の決めた婚約者は50人は下らないんだ。あの人は酔っぱらうと景気が良くなってしまって、すぐに俺を婿に出してしまう人だったから…」 「そーなの!?」 有利が吃驚して目を見開くと、コンラートは疲れたようにダークブラウンの頭髪をかいた。 「ええ…酔うと息子だけでなく持っているものも全部ばらまいてしまう人で、しかもそのときのことをすっかり忘れてしまうんです。大事な剣を飲み屋に忘れてきたときも、何処の店なのかと聞いたら《狸みたいな顔をした娘がいる店だ》というので捜したんですが…結局見つからずじまいでしたねぇ…」 それは、本当に森の中で狸と飲んでいたのではないか…。 身内の間ではそう噂されたものだ。 何やら遠い目をしているコンラートは、そんな父とあんな母の間に生まれたわけだ。 「そりゃあ大変だったねぇ…」 「ま、面白い人でしたけどね。ただ、自称婚約者なのがこういうお嬢さんだけでなく、いい年をしたごついオジサンだったりすることもあるので、相手が真剣であればあるほど居たたまれないというか……」 「本当に…………大変だったんだね」 「ええ…」 コンラート…ダンヒーリーが存命中は一体どんな目に遭わされていたのだろうか。 ますます目が遠いところを見詰めている。 「そんなわけで、口約束の婚約話など忘れて新しい恋をした方が良いよ」 「だって…だって私、ずっとあなたの婚約者であることが一番の誇りだったのです…!父に言われて、あなたの妻になるために修行してきましたのにっ!」 『修行してあの感じの悪さじゃあ、どこにも嫁には行けないと思う…』 ぼろぼろと涙を零しながら地団駄踏むメリエールに観衆は呆れ果てたような眼差しを送ったが、有利だけはよせばいいのにお手ふきを店から持ち出すと、涙でぐしゃぐしゃになった少女の頬に押し当て…人が殺せそうな眼差しで睨み付けられると、扇の一閃を受けかけたのである。 「…っ!」 咄嗟に庇い込んだコンラートの肩に容赦なく扇が叩きつけられると、鈍い音を立てて勢いよく折れてしまう。 「こ…コンラート様…っ!」 真っ青になって立ち竦む少女は、自分が取り返しの着かないことをしてしまったことに慄然とし、そのままドレスが汚れるのにも気づかぬ様子でへたり込んでしまった。 「君が何者で、俺の婚約者だと言い続けたいのならかまわない。言いたいだけ言い続けるが良い…。だが、この方に疵一つでもつけてみろ…必ず、身も凍るような復讐をしてやる」 憎しみすら感じられる声音に、メリエールはもう言葉もなく戦慄くしかなかった。 ちなみに、その背後では有利を護れずに無能ぶりを晒してしまった兵士達も、一様に慄然としていた。 『俺達…後でどんな目に遭うんだろう……』 思わず、今までの生涯が走馬燈のように駆けめぐる兵士達であった…。 「コンラッド!肩…肩、大丈夫!?」 「平気です。ユーリこそ、怪我はありませんか?」 この瞬間…コンラートは自分たちの置かれた状況をすっかりぽんと忘れ去っていた。 危険の及んだ有利を紙一重で庇ったことで、彼としては珍しく動転しても居たのだろう。つい…本名で呼んでしまったのである。 「ユーリ…え?」 「ミツ…じゃあ、ないの?」 ぽかんと口を開けて、観衆達はこの発言をどう捉えるべきか頭の中でクルクルと回転させていたようだが…次第に思考力を取り戻していくと、コンラートから最大の敬意を持って扱われる、唯一人の《ユーリ》という存在に思い至ったのであった。 「まさか…まさか……」 「ま、魔王陛下!?」 ざわざわと盛り上がっていく興奮のボルテージが最高潮に達したのは、有利が観念したようにぽろりぽろりとコンタクトを外し、メリエールの頬を拭うつもりで抱えてきた複数のお手ふきで、しゃかしゃかと染め粉を拭った後だった。 振ればしゃらしゃらと音をたてる漆黒の髪…晴れ渡る夜空を思わせる大粒の黒瞳…。 まごう事なき双黒が、申し訳なさそうに人々を見詰めていた。 「ごめんなさい…」 開口一番、お詫びの言葉を口にする有利に観衆の方が慌ててしまった。 「そ…そんな陛下!」 「我々の方こそ度重なるご無礼を…!」 「……そんな風に畏まって欲しくなかったからだったんだけど…結果的に、騙すみたいな形になってごめんなさい。嘘つき…っていう意味では、この子に言われたとおりだよね」 実行した場合、間違いなく傍らに控えた男に報復措置を執られるが…。 「俺…みんなのことが、知りたかったんだ。眞魔国は俺が治めてるってことになってるけど、でも…この国で暮らしている人達のことが分かんないと、俺はどうやって王様やっていっていいのか分かんないから、無理を言ってバーグナーさんとこで働かせて貰ったんだ」 「な…なんとまぁ……」 早とちりで妄想の限りを尽くしていたバーグナーが、顔色を白黒させて口を開閉させているものだから、有利はますます申し訳なさそうにきゅうぅ…っと肩を竦めてしまうのだった。 しかし、強張ってしまった空気を優しく解く者が現れた。 「私たちのことが、お分かりになられましたか?」 気が引けてしまって動けない観衆の中から、毅然とした足取りで歩み寄ってきたのは占い師のマロンだった。 何一つ驚くことはないと言いたげなマロンの表情に、ようやく有利はほぅっと息をつく。 「ええ、あなたがこの街に入られる時…大きな輝きを持つ星が水晶玉の中で動きましたからね。けど…私はきっと水晶玉が無くても、あなたが何者か分からなくても、きっとあなたを大好きになりましたよ」 痩せぎすの老婆はぴしりと背筋を伸ばし、どこから出るのかと思うほど朗々と声を上げた。光を湛えた皺深い双弁が、慈しむように有利に注がれていく。 「本当?嘘つき…って、怒ってない?」 「いいえ!何を咎めることがありましょう!我らのありのままの暮らしを見詰め、追従や賞賛ではない本当の想いを知りたいと仰る為政者を、誰が責めることなどありましょうか!」 《そうだよな…》辺りで様子を伺っていた者達も、想いを確認し合うように頷く。 「寧ろ私は身の震えるような感動を味わったのですよ。あなたは、きっとこの国を良い方向に導いて下さると確信しております。この眞魔国を《強い国》にしたという点では、眞王陛下の功績に勝る者はおられますまい。ですが、きっとあなたはそれだけではない…《強い》という、他と比較しての《良さ》ではない何かを、この国にもたらしてくれることでしょう」 「ばーちゃん…それってどんなものなのか教えて貰えるの?」 「ほほ…その日暮らしの辻占いの言うことを、全て真に受けるものではありませんよ。それに、具体的にそれがなんなのかは私にも分かりはしないものなのですよ。私は唯…星が動くのを見詰めるだけの者ですからね。ただ…ひとつだけ自信を持って言えることがあります」 「それは…なに?」 「あなたは良い王におなりですよ。少なくとも、良い王になる資質を持っておられ、それを伸ばすための努力をされ、伸ばしてくれる者の意見に耳を傾けることが出来る…それは、素晴らしいことだと思いますね」 「ばーちゃん…!」 ふるふると瞳を揺らしていた有利は、たた…っと駆け出すと枯れ木のような老婆の身体を、折れないように気をつけながら抱きしめた。 「俺…血盟城に戻ったら頑張る!ここでばーちゃんに…みんなに教えて貰ったこと、絶対忘れずに頑張るよ!あんたに信じて貰えたように、良い王様になれるように頑張るっ!」 息が掛かるほど近くに有利の存在を感じながら、マロンは占いの結果を口にしたものかどうか、彼女にしては酷く悩んだ。 ウェラー卿コンラートが近いうちに魔王陛下と袂を分かつ。 その理由は分からないが、決して真に離反したわけではなくこの忠心は常に有利の元にあるのだと…。 だが、おそらくは生涯で最後になるだろう魔王陛下の香りを楽しんでから、マロンは華奢な少年の身体を引き離した。 「どうか、お元気でお過ごし下さい。陛下…」 「ユーリで良いよ。ばーちゃん!」 「それでは、これからあなたのことを思い出すとき、胸の中でその名を呼ぶことをお許し下さい」 マロンはにっこりと微笑むと、コンラートの元に有利を戻した。 『これで良いのだ。それこそ、辻占い師の言うことで王を迷わせるものではない』 《ウェラー卿コンラートを信じる》…それは、おそらく誰かに言われるのではなく、有利自身の心から発しなくては意味のないものなのだ。
きっと苦しい旅が始まる。 この純朴で愛らしい魔王陛下が、今のままの良い意味で子どもらしい少年のままで居られないことも確かだろう。 それでも…きっとこの子は荒々しい波を乗り越え、真の星として輝くだろう。 そしてもう一つの星もまた、時をずらしたとしてもいつか…必ず王星の傍で輝く筈だ。 『マロンばばは信じております。その時が来るのを…』 長い寿命を誇る魔族としても極めて老齢にあるマロンが、その日を生きて目にすることが出来るかどうかは不明だが…もしも死したとしても、繋がっていく魂によって感じられると信じたい。 眞魔国に、真の平和が訪れるのを。 「陛下…!またウェラー領に遊びに来てください!」 「不敬と言われないんでありゃあ、失礼でない程度に砕けた態度で色んな事を喋らせて貰いますよ!」 バーグナーをはじめとする領民達も、このやりとりでやっと気が緩んだのだろうか。口々に礼儀正しいとも無礼ともつかない口調を織り交ぜて声を掛け、有利の頬に笑みを取り戻していった。 「ありがとうね、俺…絶対みんなのこと忘れないからね!」 手を振りながら別れの言葉を口にする有利を、奇蹟を見るような思いで人々は見詰めるのだった。 * * * 「十日の間に何があったのだ?」 「良い出会いがあったんですよ」 血盟城に帰ってきた有利は旅の疲れを口にすることなく、珍しくも眞魔国各地方の名産や、土地の特性などについて教えて欲しいとギュンターに請い、美貌の王佐を狂喜乱舞させていた。 グウェンダルは一体何があったのかとコンラートに尋ねたが、弟は悪戯っぽく笑うばかりで簡単には教えてはくれなかった。 「…何時の間にそんな秘密主義になったのだ?」 「秘密には価値があると知ってからですよ。佳い酒が入ったと、ヨザから聞いております」 眉をぴくりと上げてグウェンダルが呟けば、くすくすと笑ってコンラートは口を開いた。 一通り聞き終えた後、グウェンダルは実に不思議そうな表情で眉根を寄せていた。 「……給仕をしていただけなんだろう?諜報したわけではなく、ただの世間話を聞いていただけで悟りを得るとはな。全く…不思議な儒子だ」 「でも、期待はしているのでしょう?」 「ふん…お前の部屋に、ヴォルトモールの3892年物を届けたくなるくらいにはな」 「それは佳い銘柄だ」 満足げに微笑むと、コンラートはその酒をどこに保管するか考え始めた。 有利が地球年齢で二十歳を迎えたら、記念にその酒を開けよう。 《成長の可能性がある限り、俺は酒は飲まない!》と公言しているが、それでも名付け親が成人の記念にと勧める酒を断ったりはすまい。 この時、コンラートはまだ自分を待ち受ける運命を知らない。 * * * 「ユーリ、どうかなさいましたか?」 「ん…ちょっと、こうしてみたくなった」 《グウェンダルが感心していましたよ、随分と積極的に学ぶようになったってね》そう伝えてあげたくて夜分になって魔王居室を訪ねると、パジャマ姿の有利は何を思ったのかベッドの上からきゅうぅ〜っとコンラートの腰を抱きしめた。 「あのさ?あんたの領地での暮らしって本当に楽しくて、凄い良い人達にも会えたんだけど…アリエールって子いただろ?」 「ロリエールじゃなかったでしたっけ?」 洗剤でも生理用品でもなく…正しくはメリエールだが、彼らにとってそれは大したことではなかった。 「んー…そんなだっけ?まぁとにかく、あの子ってあんたの婚約者だったわけじゃん?」 「あの子は物凄くスパイシーだったから絶対あんたと結婚なんてさせたくなかったんだけど…もしも凄く可愛くて気だてが良くて、好みの女の子がその50人の中にいたら、そのまま結婚しちゃう?」 「しませんよ」 「ホント?めちゃめちゃ綺麗な子でも?」 「ええ、しません」 「どうして?」 素朴な疑問を口にされて…コンラートは酷く面食らってしまった。 コンラートにとって、答えを出すのは簡単なのだ。 多分、どんな相手が出てきても自分の心が揺らぐことはない…それは間違いないと分かっているのだが、《どうして?》と問われれば、その解に至るまでの計算式が出てこない。 これが試験なら、0点にされるかお情けで部分点を貰えるくらいだろう。 色々と考えてみた結果、答えは案外素朴な所にあるのではないかと思って、思いついたままのことを口にしてみた。 「多分、ユーリが世界で一番好きだからですよ」 「そっか!俺もあんたが一番好きだもんな。さっすが俺達大親友!」 ぱんっと互いの右手を叩き合わせると、有利は満足したようにベッドに横になった。 途端に安心したようにとろとろと瞼が下がり、数刻の後には健やかな寝息が夜気にとけていく。 「もう眠ってしまったのですか?折角グウェンが褒めていたって教えてあげたかったのにな…」 すぅすぅと健やかな寝息を漏らす唇にそっと指を沿わせながら、コンラートは自分が口にした言葉の意味を反芻していた。 《好き》…多くの感情を孕んだこの言葉を、いつか別の意味でこの人に囁く日は来るのだろうか? ぷにぷにとやわらかな下唇の感触を楽しみながら、自分の体腔内に籠もっていく熱に眉を寄せる。 『…ユーリは、俺の名付け子だ』 何かを打ち消すように頭を震うと、コンラートは靴音を忍ばせてベッドから身を離していく。 去りがたい思いと、自分自身に対する怖れのようなものが綯い交ぜになって…実に複雑な心境に陥ったからだ。 『いつか…整理がついたら、あなたに告げても良いだろうか?』 その日はすぐにでも来るような気がしていた。 あとほんの少し熟成すれば、この想いは形のあるものに変わると思う。 『いつか…あなたに……』 この時、コンラートはまだ自分を待ち受ける運命を知らない…。 自分が炎と煙に巻かれ、腕の付け根から噴き上げる血潮にまみれながら、どんな決断を突きつけられるかなど…。 心と肉体を引き裂かれるような思いで、最愛の主から離れなくてはならない日が来るのだと。 だが、どんなときにも信じている。 計算式は分からなくても、あなたが《好き》だというこの答えだけは、いつだって明確に…この胸の中にあるのだと……。 おしまい あとがき ティア様のリクエストで、「眞魔国次男出奔前、有利のビバ!職業体験はちゃめちゃストーリー!最後に正体ばれちゃうぞ!」なお話でした。 ところで…オチてますかこの話!? …と、そこが一番心配なのと、二番目に心配なのはこの話がちゃんと《はちゃめちゃストーリー》になっているかどうかですね! もっと悪代官(領主)とかがいる領地に行けばもっと弾けられたのかも知れないのですが、なんかコンラッドの所に行きたくなったので、基本的に親切な人か押しの弱い人しか出てきませんでしたね…。 でも、個人的には「コンラッドは良い領主。たまにしか帰らなくても良い領主」という点が主張できて楽しかったです。 両思いだけど二人とも自分の想いにすら気付いていないという、バリバリ少女漫画伝説もできたし! これであとはティア様が喜んでくださるかどうかデスね。 どこかが好みの箇所を掠めていますように! ←ブラウザバックでお戻り下さい |