「サンタコンラッドのその後」
〜甲斐性のある夫への道〜
皆さん、お元気ですか?元サンタ人形のコンラート・ウェラーです。
今は普通の服を着ています。
人間になってから1ヶ月ほどはミコさんのもとで花婿修行に勤しんでいたのですが、収入面でシブヤ家に負担をかけ続けていることに問題を感じ、皆さんを説得して働き始めました。
あ、業務内容は「不特定多数の女性に沢山お酒やおつまみを頼んで貰って、お話を聞く」という仕事です。ユーリは反対したんですが、戸籍なしで働ける職場ってなかなか無いもんですよね。
ですが、どうやらこの仕事は向いていたらしく、1週間ほどで「bP」という称号を頂きました。
半年ほど働いたところで大富豪の老婦人が俺に5億円の遺産を残して亡くなられたので、それを元手に戸籍を買ったり家を買ったりして、ユーリが高校卒業する日を手ぐすね…いえ、うきうきと待っている次第です。
ええ…高校卒業と同時にユーリをお嫁に頂く約束なんですよ!
ショーリはしつこく抵抗していますが、大丈夫です。愛があれば説得は出来るはずです。
最近、俺が背後で微笑むと怯え…いえ、背中を見せないように壁づたいに移動するようになりましたが、それでも、面と向かって酷いことを言われることはなくなったんですよ。
それだけでも良かったです!
ショーリが俺に怒鳴ると、ユーリが哀しみますからね。
俺は、ユーリを哀しませるものは何者であっても赦せないたちなんですよ。
ええ…何者でも、ね…。
財力は何とかなりましたが、それだけでユーリを幸せに出来ると増長しているわけではありません。
勿論人間世界で修行を積み、よりよい夫となれるようこれからも尽力していくつもりです。
まずは夜の生活から、ユーリに満足して貰えるように頑張って練習しています。
ただ、時々ユーリが「もう赦して」と可愛く啼くので、ちょっと練習熱心過ぎたかな?と反省することもあります。
熱心すぎるのも考えものですね。
ふつつかな夫ですが、ユーリと皆様に認めて頂けるよう、これからも頑張りますね。
PS
先日、俺がショーリに何をしたのか気にしておられた方がいたので、誤解を解いておきますね。
俺、ショーリには何もしてませんよ。
ええ、誓って何もしていません。
ただ、何もせずに…背後に佇んでいただけです。
そして、ショーリが振り返って「何をしている!?」と聞いてきたら、にっこりと微笑んで「まだ何もしていません」と言っていただけです。
どうしてでしょうねえ…何度かそれを繰り返す内に、ショーリは俺にあまり何も言わなくなったんですよ!
ははは…不思議ですねえ。ユーリも喜んでくれました。
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