「色気問題」A
※15歳黒うさ話
※微エロです

黒うさぎは紅茶を噴いて噎せてしまった茶うさぎに《悪いことをしたな》と思いました。
それに、そもそも村田うさぎ達から聞いたのは《言っちゃ駄目な言葉》であって、《色気が出る》ヒントではありません。
それに、色気と言っても色々ありますから茶うさぎが《素敵だね》と言ってくれなければ意味がありません。
そこで黒うさぎは直接茶うさぎのリサーチをしてみることにしました。
「コンラッド…あのね?俺…色気がつくようにしたいんだけど、どうしたら良いと思う?」
……どうしたのでしょう?
茶うさぎは漸く咳き込むことを止めましたが、同時に呼吸が止まっている気がします。
「え…?色気…?ユーリが、ですか…?それ以上…?」
どうしてそんなに青ざめるのでしょう?
黒うさぎはうるりと泣きそうになりました。
「…コンラッド…俺、い…色気なんて絶望的だと思う?そりゃ…胸なんかぺたんこだけどっ!」
黒うさぎは半べそをかきました。
絵文字的には(つД`)って感じです。
そして、シャツの襟元を広げて胸元を確認しました。
しゃがみ込んだ茶うさぎの傍らに膝を突いておりますので、淡く翳ったシャツの合間で柔らかな白肌がぬめるような艶を持ち、ピンク色のちぃちゃな桜粒が愛らしく目を惹きます。
「ユーリ…十分です。もう…十二分か十八分目くらい色気はがっつりたっぷり溢れていますから、どうか俺の為に今はセーブし
て下さい!」
「そんなこと言って…。テキトーに誤魔化そうとしてるだろ!?なー、コンラッド教えてったらっ!どうやったらコンラッド好
みのうさぎになれる?」
「だから…もう完璧なんですよ!俺は…ユーリから毎日死ぬほど色気の大津波を喰らっています!」
「嘘だっ!うぅ〜俺のこと、仔ども扱いしてるだろ!?」
「仔ども扱いできれば苦労はしませんっ!そんなに俺を追いつめないで下さいっ!」
黒うさぎがムキになったせいでしょうか?茶うさぎは彼にしては珍しいような鋭い声をあげました。
思わず…拗ねて怒っていた黒うさぎの耳がぺたりと寝て、ぷるぷると小刻みに揺れます。
すると、途端に茶うさぎは困ったように眉を寄せるのでした。
『俺…今、ホントに仔どもだった…』
茶うさぎが嫌がっているのに、どうしてあんなにムキになって《教えろ》なんて怒鳴ったのでしょう?
黒うさぎは、茶うさぎに喜んでもらえるような自分になりたかっただけなのに…。
こんな時、どうすれば良いか黒うさぎは知っていました。
拗ねて口を利かないのが一番いけません。良い方法は…早く《ごめんなさい》と言うことです。
だって、悪いのは黒うさぎなんですからね?
「ごめ…なさ……」
ちゃんと言おうと思うのに、ぽろぽろと涙がこぼれ落ちていきます。
なんだか、昔もこんな事があったように思います。
もっとずっと小さい頃、湖で遊んでいるときにも綺麗な娘うさぎに嫉妬して、悪い態度を取ったことがありました。
こんな風に泣いたら茶うさぎが困ることを知っているのに、泣いてしまうのは狡いことだと思います。
自分が悔しく感じられてなりません。
「俺…俺…ちゃんとコンラッドを困らせないようにするから…き、嫌いになんないで?」
鼻を啜りながら赤いお目々をして茶うさぎに見詰めたら…ぎゅうっと力強く抱きしめられて、唇を重ねられました。
いつもよりもちょっと乱暴なキスは熱くて激しくて…すぐに黒うさぎの息は上がってしまいます。
「ん…んんぅ…」
どうしたことでしょう?
鼻から抜ける息がいつもより甘い声になってしまいます。
指先までじんじんするようなこの感覚は何なのでしょう?茶うさぎと繋がったお口から、不思議なお薬でも出ているみたいに
身体の芯がとろけてしまい、黒うさぎはどんどん可愛らしい声を出してしまいます。
「コンラッド……大好き…大好きだよぅ…」
「ユー…リ……」
茶うさぎの息も熱いです。
おや…?どうしてでしょう、二羽とも…重なった脚の間が酷く熱いです。
「ぁん…っ…」
バッ!
黒うさぎが一際甘い声を上げて白い喉を仰け反らすのと同時に、凄い勢いで茶うさぎが身体を起こしました。
「ここまでです」
「えー?」
このもどかしい甘さをどうにかして欲しいのですが、先程《困らせない》と言ったばかりなのを思い出しました。
「ぅん…。我慢する」
「はい…俺も……」
茶うさぎも我慢しているのでしょうか?
それでは…黒うさぎにも少しは色気があるということでしょうか?
では…お互い様ですね。
「えへへ…コンラッド、大好きだよ?」
「俺も死ぬほど好きです……」
茶うさぎはどうしてだか、泣きそうな顔をしてしみじみとそう言いました。
* 焦らしが限度高一杯です。 *
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