〜あひるちゃんと蒙古斑ネタ〜 「あひるちゃんも観ていた」 こんにちは。 ぼく、あひるです。 元々は美子さんが買ってユーリ君にあげたものだったのですけど、セントラルパークでウェラー卿コンラート閣下に贈られてからは、血盟城にあるウェラー卿のお部屋で過ごしています。 ウェラー卿はご不在のことが多かったのですが、ここのところ陛下と一緒にこのお部屋で過ごされることが多いので嬉しいです。陛下のお部屋にはグレタちゃんとヴォルフ君がすかすかとおねむの筈ですが、二人が寝入るときまってこの部屋にやってきて、とてもエッチなことをするのです。 この日も魔王聖誕祭の宴で二人はくたくたになって眠ってしまったのだそうで、対照的に元気になったウェラー卿と陛下は、うきうきした様子でまぐわいます。 「さあ、今日は乳首だけでイってみますか?」 「無茶いうなよ〜」 くすくすと笑いながら、シャワーを浴びたばかりの陛下が寝台の上で身をくねらせます。申し訳程度に羽織っていたバスローブがはだけて、全裸より淫靡な感じがします。 「できるでしょう?最近トコロテンも覚えたじゃないですか」 「トコロテン言うな」 「お誕生日に新しい扉を叩いてみませんか?新たな成長ですよ」 「成長っつか、性徴っつか…」 陛下は顔を真っ赤にして、ウェラー卿の鼻面に噛みつきます。足癖が悪いので胸板も蹴っていましたけれど、かえって足首を掴まれて左右に大きく開かれてしまいます。 ああ、ぼくの位置からよく見えます。 白いバスローブの間から期待に満ちた花茎が覗き、はしたない蜜をたらたらと零しているのです。胸元からは右だけ可愛いピンク色をした乳首が覗き、誘いかけるようにピンと硬く痼っています。 「本当のことを言われると、かえって陛下は暴れますね。いけない人だ…。こんなにおちんちんから恥ずかしい我慢汁を垂らしているくせに、未だに処女みたいな反応を見せられるのですね?」 「陛下も処女もなしっ!」 ぷくっとほっぺたを膨らませると、まるっきり子供みたいです。 まあ、この国ではどうやら18歳というのはまるきり子どもらしいですよ?御年100歳のウェラー卿からみたら、まだお尻に殻をつけた雛みたいにみえるのでしょうね。 とはいえ、その雛にとてもいやらしいことをさせているのですから、大変な大人げなさですけどね。 陛下によると、そういうのを《ロリコン》とか《ショタコン》というのだそうです。その話がでると、エッチなことをしていないときにはウェラー卿が落ち込むのですが、事の最中にはかえって盛り上がることがあります。《やってはいけないこと》をやっているのだと思うと、余計に背徳心というものが燃え上がるようですね。 初めての夜にはぼくもびっくりしました。だって、ずっと《ああ、こんな罪深いことを考えているなんて知られたら…》と、ウェラー卿は知られることにも怯えていたくらいですからね。 以前のウェラー卿はずっと、紳士的に振る舞っていました。ぼくは専らウェラー卿の妄想話に付き合ったり、《ああ、ユーリ…》と狂おしげに囁くウェラー卿からのキスを受けるばかりでしたからね。おかげですっかり耳年増になりましたよ。 告白に成功してからは、垂れ流しの妄想を一つ一つ目の前で成就されていく過程もすっかり観ていました。 時々陛下がこちらをちらりと観られて、《あひるが観てる》と言うと《観られると興奮するでしょう?》とウェラー卿は返します。ぼくがいるだけで、大変簡易な公開プレイが愉しめるようです。 「お尻も気持ち良いな。小さくて、両手にすっぽり収まってしまう」 「あんたの手ってデカイもんね」 「ふふ。以前はあなたのお尻を片手で覆ってもまだ余るくらいでしたよ?」 「以前って…俺が生まれてすぐのこと?」 「ええ」 あっ! なんと言うことでしょう。ピロートーク中にウェラー卿に持ち上げられるなんて初めてのことで、ドキドキしてしまいます。深夜帯のエロAVを観ていたら、《ちょっといらっしゃい》と画面の中に呼び込まれたみたいです。 「ほら、ちいさなあなたが俺にくれたものです」 「あ〜。そういえば眞魔国で塩ビのアヒルなんて、おかしいなと思ってたんだよ!なんだ、俺があげたのずっと持っててくれたの?」 赤ちゃんから手渡されただけで《くれた》と言い張って、お気に入りの玩具を持って帰ってしまうというのは結構奇妙だと思うのですが、陛下は全く気にならないようです。幼 いながらも、ちゃんとウェラー卿との間に通じ合うものを持っていたのかも知れませんね。 「小さかったなぁ…。お尻のこの辺にね、蒙古斑もあったんですよ?」 「ゃんっ!」 俯せにしてお尻の上縁をなぞりますが、もうそこは白くつるんてとしているばかりで痕跡は残っていません。 「うぅ〜…おむつ替えとかしちゃった相手に突っ込むって、変な気しない?」 「若干申し訳ないような気になりますね」 「ねぇねぇ、幾つくらいの俺からセックスしたい気になりそう?」 「難しい問題ですねぇ…」 「まさか、赤ん坊の時からとか言わないよね?」 「蒙古斑があるギリギリくらいかな?」 「小学校低学年くらい!?」 「犯罪性が高いですねぇ…。そのくらいの年頃のあなたが、身を委ねてくれると思いませんけど」 自嘲する様のウェラー卿が肩を竦めますと、陛下は少し目線を彷徨わせて想像します。 「年上の綺麗なお兄さんが、俺をズリネタにしてオナニーとかしてたら確かに怖いよな…」 「…でしょうね」 「でも、《こんらっどは、おれのことだいすきなんだ》って思ったらドキドキしたかも。おちんちん弄ったら喜んでくれるとか知ってたら、フェラとか手コキならやったかもなぁ〜」 「うわ…。想像すると危険ですね。俺は抵抗出来る自信がありません」 「ないのかよっ!意外と意志弱ぇっ!」 お腹を抱えてゲラゲラ笑う陛下をころんと寝台に転がして、ウェラー卿はお返しとばかりにおちんちんの先っちょへぼくを押しつけます。これはとんだとばっちりです。生々しく暖かい粘液が《ちゅぷっ》と塩ビの肌に触れて、ドキーンと心臓が跳ね上がりそうになります。中空はからっぽの筈なんですけど、そういう気分だったのです。 「ユーリこそ、気持ち良いのには弱いでしょ?初めての時には抱かれるっていうのがどういう事かも分からなかったのに、今ではすっかり気持ち良いことが大好きになってる」 「あんたが…相手だから……だろ?」 「今はあひる君が相手ですけどね」 「なに使ったって、動かしてるのはあんたじゃん!あ、こらっ!そんなトコにまでっ!!」 ええ、全くもってウェラー卿は調子に乗りすぎです。何しろぼくの身体はそれでなくともとろりと蜜で濡れているのに、なんとお尻の孔に《とゅるん》と尾っぽの辺りを埋め込まれているのですよ!くちばしじゃないだけマシですけどね。 「あ…あっ!だめっ!流石にだめっ!ナカ…はいっちゃうっ!」 「柔らかいですからね。結構いきそうじゃないです?ナカに入れて、手を使わずに産んでみません?」 「ばかぁっ!そんな変態プレイやったら、絶交すんぞっ!!」 「それは困りますね」 本当に困った人です。陛下の誕生日だというのに一体なにをしているのでしょうか? 半泣きになった陛下に困ってしまい、流石に申し訳なさそうな顔をしてチュッチュッと身体中にキスの雨を降らせます。 「ご機嫌直して?ユーリ」 「髪の毛の先から爪先まで、丁寧にキスして愛してるって言ってくれたら機嫌直るよ?」 「お安い御用です」 そんなの言われなくたって普通にやる男ですしね。 何はともあれ、ぼくはお役御免になったようですので、寝台の片隅でいつもとは違うアングルから二人のセックスを眺めようと思います。 おお…接合部からいやらしい音がして、茶褐色の男性器が出たり入ったりする様子を下から眺めるというのは圧巻ですね。こんな小さな孔に入るというのも不思議です。最初の時から丁寧にウェラー卿が解したおかげもあるのでしょうが、出血もしなかったのですから大したものです。 ひょっとすると、無意識のうちに陛下が治癒能力を発揮しているのかも知れませんね。 何というエッチに都合の良い身体でしょう。 そのうち、蒙古斑があるくらいの身体に若返ってエッチなんて、問題のある行為もやりかねません。身体が壊れなければ別に細かいことは言いませんけど、見守っている僕としては複雑な気持ちになりますからね。 「ぁんっ!ぁんっ!コンラッド…すごい…っ!イイ…っ!」 「お誕生日のお祝いに、たっぷり注いであげますよ…っ!」 それは果たしてお祝いになるのでしょうか?甚だ疑問ですが、《もっとちょうらい》と舌っ足らずな声で陛下が仰っているのですから需要と供給は一致しているのでしょう。 割れ鍋に綴じ蓋…いえ、大変お似合いのバカップ…もとい、カップルだと思います。 『どうぞお幸せに』 心でそう合掌しつつ、僕はじぃっと二人の濃厚なセックスを見守ります。 この塩ビの身体がすり切れ、色が落ちてもなお、傍に置いていて欲しいなと祈りつつ。
おしまい あとがき